《高校生は蛇になる》121話 骸骨ノ問

白い空間に浮かぶ、巨大な歪な形の黒い箱迷宮。直方が複雑に重なりあったような形のそれの、最新部とされる白い部屋に用意された漆黒の玉座。そこに漆黒の骸骨が座っていた。

「グローディス、貴様は一何者なのだ」

骸骨は、蛇に試練を與えるために、二人の魔王を生み出していた。

その片方の魔王、リッチであるそれが、蛇を『転生者君』と呼んだ。骸骨はそれを疑問に思っていた。

「創世神が自を殺すために異次元から呼び出した存在、転生者。なぜ貴様がその転生者を知っている?我は貴様にそのような知識を與えてはいない」

骸骨は、リッチに限られた知識しか與えていなかった。なのに、リッチは與えている知識以上のことを知っていた。

「そして、カヴァタは転生者だった。そんな事実を我は知らない。なぜそれを貴様が知っている」

リッチは、骸骨が知らない知識すら持っていた。

「答えろグローディス!貴様は何者だ!」

骸骨の聲は怒りを含んでいた。

映像に映し出されている、グローディスと呼ばれたリッチは、映像のこちら側、骸骨に向けて手を振り、赤紫の煙を殘して姿を消した。

直後、骸骨のじる眷屬との繋がりが、一つ、強制的に破壊された。

「グローディス、貴様はどこから來たのだ?」

その疑問に答える聲は何一つ無かった。

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