「ク、クウゥ」

荒れ狂う吹雪の中、一羽の鳥が歩いていた。

には生々しい傷が付き、凍ることの無い、熱いが滴り落ちている。

「クルッ!? クゥゥ」

氷の地面に足をらせ、転倒する。だが、目に宿る眼は消えず、ゆっくりと立ち上がると、再び歩き出した。

鳥は、氷の地面に赤い跡を殘しながら、足を引摺りながら、歩き続けた。

不意に吹雪が途切れた。

鳥の前には、人工と思われる建造が在った。

鳥は、そこに足を踏みれ、進んだ。

黒い渦と、その前に立つ、漆黒のローブを纏った骸骨が見えた。

「安心しろ。ゆっくり休むと良い」

そんな聲が聞こえた気がした。

鳥の意識は、そこで途絶えた。