「さて、行くとしましょうや」

今度こそ、本の放課後。昨夜の話し合いの結果、今日は僕のレベル上げをすることになっている。

もしかしたら、今日、死ぬかもしれない。そう思うと、普段の放課後とは違ってじられる。

気がつくとクラスメイト、１人１人を顔を確認するかのように眺めている。

たぶん、スライムに殺されたら骨まで殘らず食われるんだろうな。

仮に僕が死んだら、みんなは僕が死んだことを知らずに學校生活を続けるんだろう。

それが妙に悔しくて、生き殘るための覚悟をさせる。

「よし、行こうか」

晴人のスキルには、モンスターを探知するスキルがあるらしい。

ゲームの中なら無視されても不思議じゃないスキルだけど、現実世界で生き殘る事だけを考えたら必須なスキルなのかもしれない。

できるだけ強いモンスターを避け、弱いモンスターに無傷か、それに近い狀態で勝つ。それが理想的だからだ。

學校を出て、しばらく歩く。すると、突然に空気が変わったのをじた。

間違いない。昨日の結界と同じ覚だ。

周囲を見渡す。學校の近くでありながら、下校中の生徒が不自然なほどいない。

「昨日、言ってた準備はしてきたか？」

もちろんと僕は自分のを叩くとゴッと鈍い音がした。制服の下に鉄板を仕込んでいるからだ。

一時期、ヤンキー漫畫にハマっていたゆうが漫畫の真似をしてカバンに鉄板をれて使っていたのが、いつの間にか僕の部屋に置きっぱなしになっていたものだ。

「一応、これも著といたほうがええで」

そう言うと晴人は、地味目の上著を投げてよこした。

け取った瞬間、見た目以上の重さにバランスが崩れそうになった。

「ケブラー繊維や。至近距離で銃を撃たれてもがあかない品やで」

「防弾チョッキですか」

「あとはヘルメットや」

どこから出したのか、晴人はヘルメットを手にしていた。

アメフトやラグビー専用のヘルメットらしいが、顔全を守るように加工された鉄板がってある。

中世西洋の鎧兜をイメージしてくれたらわかりやすいか？

想像以上に重裝備になっていく。安全を考えると、このくらいのプロテクトが必要なんだろうがき難く、不安になってくる。

しかし、相手は待ってくれないようだ。「來るで」と晴人に言葉に張がピークに達した。

スライムが現れた。

考えてみると、ここ3日間、連続で毎日コイツを見ているはずだが慣れるという事はないみたいだ。

醜悪なモンスター。それ以外の想を持ちようがない。

まるで人間が恐怖をじるように作られた生だ。

晴人は僕の後ろに位置し、様子を覗っている。

レベル１のスライム。コイツを一人で簡単に倒すくらいにならないと、これから先はどうにもならない。

僕は一歩、一歩と慎重にスライムとの距離をめていく。

スライムの手の攻撃範囲は約３メートル。そのギリギリの位置を維持していく。

あと一歩踏み込めば、あの手が襲ってくるだろう。

一見、バラバラに襲いかかってくる手だが、狙ってくるのは部分のみらしい。

右左右左の順番でから腹部を狙うというパターン。

最初から攻撃してくるところがわかっているのだから、慣れると簡単によけれると言う。

だが、昨日、晴人が指示した一手目は・・・

大きく一歩。僕は踏み込んだ。