「今日は、転校生の、えっと滝川だったか、休みか。他は加藤も欠席と。最近、インフルエンザが流行ってるからなぁ。お前らも帰ったら手洗いとううがいを忘れず、必ずやるんだぞ」

今日も、大塚先生の點呼から日常的な學校生活が始まった。

まるで昨日の事は夢だったのかのように現実が薄くじられる。

あの後、僕は晴人を探して走り回った。

幸いにも、飛んでいった方向とおよその距離を目視していたので、すぐに見つけることができた。

しかし、見つかった晴人の狀態は悲慘なものだった。

まるで大型車両の通事故に巻き込まれてしまったかのような、痛々しいさ。

言ってしまえば、生きているのが不思議な狀態‥‥‥。

いつの間にか、朝のホームルームは終わっていた。

大塚先生は１時限目の授業があるのか、し急ぎ目の様子で教室から出ていこうとしていた。

そのタイミングで後ろのドアが勢いよく開き、クラスの全員が注目する形になる。

「すいまへん！遅れました。いやぁ階段から落ちて、病院から登校コースになってたですよ。遅刻だけは勘弁ですわ」

包帯だらけで松葉杖をついた晴人が教室へとってきた。

うむ、本當になんで生きてるんだろう？　しかも、普通に登校できるくらいに回復してるみたいだ。

やっぱり、タフな奴。

１時限目の授業が終わり、晴人は怪我について質問責めにあっている。

の事を聞いておきたいけど、しばらくは無理そうだ。放課後まで待ってみよう。

もしも、晴人とのレベル上げを中斷する事になっても、それはある程度、覚悟している。

あの巨大スライム戦で、晴人だけではなく、僕にも膨大な経験値が上乗せさせられている。

今の僕のレベルは１０になっている。

最悪、晴人が戦えない狀態になっているとしても、今度は僕が守ってあげれる位には強いつもりだ。

「ケンジン、ケンジン。何、ひっそりと強い覚悟を決めてるような表してるの？」

「そうやって、表で人の心まで読むのやめなさいとあれほど‥‥‥」

いつものようにゆうがやってきた。

最近は、僕に余裕がなかったせいか。こういう空気が妙に懐かしい錯覚に陥る。

「ここだけの話、ケンジンと晴人って何かやらかしてるの？」

「そーそーんな事、なーいーよー」

思わず、棒読みになってしまった。相変わらず、確信に切り込んでくるやつだなぁ。

なんとか、その場は誤魔化してみた。しかし、ゆうにも説明しなければいけない日がくるかもしれない。

その話もしなければいければ‥‥‥。

僕は、早く放課後になること祈るだけだった。