決著。そう思った瞬間、僕の目には蒼井明の顔が飛び込んできた。

嘲笑い・・・・・・

を貫かれ、蒼井明は嘲笑いを浮かべている。

そして、彼の手には・・・・・・球が・・・・・・

弾？あの距離で？

自？

――――――ッ

死？

脳が狀況に追いついてない。曖昧な言葉の羅列が浮かんでは消えていく。

蒼井明の口がく。何かを晴人に向かってしゃべっているみたいだが、容は聞こえてこない。

晴人も、蒼井明に言葉を返している。

不思議と２人に焦りの表は見えない。

僕は、２人―――

いや、晴人に向かって下向していく。急降下。

破までのタイムリミットは？

わからない。

おそらく、僅かに許された時間。

破までに晴人と位置まで間に合ったとして、僕に何ができるのか？

わからない。

だが―――

わからないといって諦めるはずもない。

一気に、全速力で晴人と蒼井明の目前まで迫る。

手をばせば屆く距離。

しかし、それよりも早く―――

蒼井明の掌中にある球はを走らせる。

周囲に向かい閃が放出され広がっていく。

という速のが僕の位置まで屆き、遅れて音という音速のが僕の位置まで屆いた。

気がつくと暗闇。

何が起こったのか？と思考を開始しようとした瞬間、に衝撃が伝わる。

がバラバラになるような激しい衝撃だった。

一瞬、風をけた事による衝撃だと認識したが、すぐに誤認識であったとわかる。

僕の真下にある壁。この謎の壁と衝突したのだ？

なんだこれ？　何が起きた？

壁？壁？壁？

壁の正を摑もうと頭をかそうとするが、何かがおかしい。

なんだこれ？　狀況が、狀況が、狀況が？

頭を振る。周囲の狀況を確認しようとして、違和の正に気がつく。

目と耳がうまく働かない。働いていない。

蒼井明から放たれた球。あれは何だったのか？

弾ではない。

この効果は、おそらく―――

閃弾

だとすると、僕がけた衝撃と、謎の壁の正はなんだったのか？

単純な答えだった。

閃弾によって、僕は視覚と聴覚を奪われ、地面に墜落したのだ。

謎の壁の正は地面そのものだった。

何とか、を起こそうとする。

ひざを立て、途中までうまくいったが、すぐにバランスを崩して転倒した。

視覚と聴覚を失っただけで、ここまでの自由が効かないのか・・・・・・。

―――――くそッ

と悪態をつきながら、強引にを起き上がらす。

そして、強引に目を開いて、狀況を確認した。