《スキルゲ》夢での決闘 その⑤

目前の景は白が広がっているだけだった。

は閃によって焼き付かれ、眼球が眼球としての役割を果たしていない。

回復にどのくらいかかるか?

いや、わからない。

目を開いているだけで辛い。

痛みとは違う。例えるなら火傷のように、癥狀が長時間持続するような覚に近い。

僕は、耐えられずに再び瞳を閉じる。

今、目前で何が起こっているのか、それすら知るすべがない。

聴覚も似たようなものだ。

まるで耳元で重低音が繰り返し聞こえているような覚。

音のない音が、一定間隔で襲ってる。

気持ち悪い――――――

視覚と聴覚を奪われただけで、ここまで自分のがいうことを聞いてくれなくなるのか・・・・・・。

立ってるだけで、ふらついて倒れそうになる。

口の中で悪態を繰り返しつぶやきながらも、再び目を開く。

相変わらず、視界は白く染まっているが、先ほどとは違いが現れている。

微小ながらも目が回復しているのだろうか?

に覆われた世界でも、何かがいているのがわかる。

白に覆われた視界で、いているのは白い影だ。同じ白でもの濃度の違いがある。

ごく僅かな違いではあるが・・・・・・。

ヒリヒリと目が痛み、またもマブタが下がってくる。

目を閉じ、またゆっくりと開かせる。

この時間が煩わしい。時間が無慈悲に浪費されていく。

何とか、目を見開く。

さっき見た白い影。その正は――――――

人。

2人の人間のだった。

無論、その2人は滝川晴人と蒼井明。

今なお、僕の眼球は回復し終えていない。

白一だった世界から、を識別できる程度には回復したようだが

周囲は薄らとぼやけて見える。

だが―――

今度は2人の狀況がわかる。

蒼井明はうつ伏せに倒れており

滝川晴人は仰向けに倒れている。

おそらく蒼井明がうつ伏せなのは、晴人の黒炎により、空中で串刺しになっていた狀態でスキルが解除されたために、そのまま地面へと落下したためだろう。

滝川晴人は仰向けなのは、至近距離での閃弾をけたから・・・・・・

というだけではないのだろう。

弾であっても、蒼井明が破の魔法スキルから作り出し

つまりは弾なのだ。

弾として作られたために、殺傷力は著しく落ちているのだろうが、それでも弾としての衝撃があり、その衝撃が晴人へ襲い掛かったのだろう。

至近距離。いや、ゼロ距離と言ってもいいほどの間合いでの破。

その衝撃は決して、生易しいものではなかったのだろう。

      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください