《3人の勇者と俺の語》2章 出會い

4人と一匹の頭上で空が割れる。

空にひび割れが広がりその中央にができる、

そこから黒い何かがズルリと這い出してきた。

黒い何かはそのまま地面に落ちる、

運の悪いうさぎのような小はその黒い何かに取り込まれていく。

次第に黒い何かは取り込んだうさぎのような形態を取っていく。

「コノヨウな小のミに墮ちるとは、しかし、この波を追えば……」

走りだす黒い獣、その速度は取り込まれた小を遙かに凌駕する。

驚異的な速度で4人のいる沢へ向かっていく。

空の異常とそこから現れた邪悪な気配にいち早く気がついたのは、

エルンだった。を逆立て、警戒音を最大限に発していた。

そのエルンの異常さに気配を探ったセイが次に気がついた。

「禍々しい邪悪な気配!! いけない、こっちに來る!

みんな村へ逃げて!!」

セイのび聲にみんな驚きつつもき出す、

空が割れるなんてことが起きたのだ、セイの言うことは本當だろう。

皆そうじていた、そして嫌な予をヒシヒシとじていたからだ。

「エルンおいで! 逃げるよ!」

エルンは慣れたきでリクの首に巻き付く、エルンのお気にりの場所。

沢から村までは子供の足でも15分程度、空の異常に気がついた大人たちも子供を心配して向かってきてくれればもっと早く合流できる。

セイは移を開始してそう考えながら気配の方を振り返る。

振り返ってしまったのだ。

そこに踴りだしてくる邪悪な気配の正を見つけてしまった。

「!?」

よく見かけるラビート、異なるのはそのラビートは禍々しいオーラに包まれた黒だった。

他の3人もセイの異変に気がついてその存在に気がついてしまう。

そして、恐ろしさのあまりにへたり込んでしまう。

それほど圧倒的な存在、恐怖であった。

4人はを寄せるしかなかった、その生命を刈り取られんばかりの恐怖から耐えるにはそうするしかなかったのだ、

「お前か……喜べ小娘、貴様は我がに選ばれたぞ」

その化はまっすぐと、セイを見つめてそう宣言した。

同時に黒い手がセイを絡めとる。

一瞬のことに3人がセイが捉えられたことに気がついたのは、

その生の頭上にセイが十字架にり付けられたかのように手で持ち上げられてからだ。

セイはすでに気を失っておりぐったりと頭を垂れていた。

「セイ!!」

「セイちゃん!!」

「セイを離せ!!」

リクは恐怖を振り払うように大聲を絞り出し、同時に立ち上がりソレに向かおうとした。

「うるさい小娘が」

一本の手がリクを貫く。

「キャー!!」

「リクーーー!!」

「喧やかましい」

同じように手に貫かれる、刺されたことには気がつけない。

その手が抜かれた後、刺さっていたことに気がつく。

それほど早く鋭い攻撃だった。抜き去られた部分から勢い良く出し、

同時に火をつけられたような鋭い痛み、彼たちにとっての幸運は、

最初の痛みで意識を失って、その後の痛みをじずに済んだ事だ。

倒れた3人に全く興味も見せずソレは

「チッ、勇者のツレの気配か。倒すは容易いが、今のでは萬が一もある。

ここは引いてやろう、ほう、良さそうなところがあるな……」

そうつぶやくとセイを連れて森へ溶け込んでいった。

ソレが消えてすぐにまた空の裂け目に変化があった、

バリバリと雷を発しての玉が踴りでた。

「こ、ここは……? !? 魔神の気配があんなに遠く! いけない!!」

今にも消えりそうな生命のゆらぎを敏じ取ったメディアスは沢へそのを向けた。

自らのが、半明のエネルギーになっていることも気がついたが、

今はこの生命を繋ぎ止める。

魔神の殘渣がある以上、その責任は自分たちにある。

せめて、今この場でできることはする!

メディアスはそう決意していた。

「う……あなたは……?」

溫かい気配をじてリクは目を覚ました。

目の前にはの姿、綺麗な人だ。でもなんか朧気な……

「魔神の侵食が強い、このままじゃ、このじゃ時間稼ぎしか……」

目の前のは焦っていた。自らの持つ治癒魔法ではこの3人のの傷を治せていない。魔神の呪いがジワジワとたちの命を削りとっていた。

「ピーーっ!」

「エル……ン?」

いつの間にかエルンが私の上に立ってそのと対峙していた。

「そう、貴方が手伝ってくれるのね。ありがとう。貴方の気持ちけ取ったわ」

次の瞬間そのがエルンの中に吸い込まれていった。

リクの意識はそこで一旦途切れてしまう。

があれば、なんとか……!」

エルンのから溫かい波のようなものがアレに刺されたあたりに広がっていく。

「こ、これでも……?」

エルンの姿で苦々しくつぶやく。

『メディアス! これを使え!!』

その時空の裂け目から白い犬が剣を咥えて降り立った。

それと同時に空の裂け目が閉じていく、

人影が降り立つと同時に空の裂け目は完全に消えていった。

「これは聖剣、いいの?」

『これも定めだそうじゃ』

その言葉をけて剣は3つのに分かれる。

一つは剣の形。

一つは槍の形。

一つは斧の形。

それぞれのが3人のの傷口の上で輝いている。

そしてその傷にが吸い込まれていく、

魔神の呪いのような禍々しい痣がそれに伴い消えていく。

その後メディアスの回復魔法がようやく効力を存分に発揮して傷を何もなかったのかのように治療していく。

「良かった……」

『うむ』

「それにしても、隨分と可い姿になったわね、バイセツ」

『それはお互い様じゃろ』

「そうね、この子にも謝しないと」

犬とフェレックが話しいる姿がおかしくて二人は笑ってしまう。

ガサガサ

森の後方から音がする。すぐに構え張する二人。

「もー、バイセツさん置いてくなんて酷いですよー」

間の抜けた聲が聞こえてくる。

「あの子は……そうか、ウォルはあの子の中にいるのね……」

メディアスはそうつぶやくと魔力を使いきった反で意識を失ってしまう。

『とりあえずは3人が目覚めるまで待つかの』

「バイセツさんいきなり剣を咥えて飛び出しちゃうからびっくりしましたよー、あんな高いとこから落ちて早くも死んじゃうかと思いましたよ」

『勇者の力をけ取ったんじゃ、その程度問題無いじゃろ』

「その勇者さんの聲も聞こえなくなっちゃうし、なんとか著地しましたけど結構痛かったですよ?」

『フム……力がに馴染むのには時間がかかるということか、

大丈夫、主のの中にはアヤツの力をきちんとじている。安心せい』

「はぁ……」

『この3人が起きるまではここで守ってやらんとな、ホレなんじゃったかな?

漫畫とかいうのはこれじゃろ?』

バイセツさん(犬)がポイッとコンビニ袋を放り投げてくる。

「キターーーーー!」

僕はそれに飛びついて高々と掲げる。逢いたかったよ転バブ!

喜び勇んで貪るように一気読みする。

呆れたように伏せの勢でたちとフェレットみたいなを見守るバイセツさん。

僕が一気に読み終わり満足し、呆れたバイセツさんと今後起こりうるであろうことの対策を打ち合わせし終わった頃、僕らが來た反対側の森から聲が聞こえてくる。

「おーーーーい!! リクーーーー! カイーーーーー! クウーーーーー! ソラーーーーー!」

空の異常に気がついて子どもたちを心配した大人たちが探しに來たのであった。

「お!? あそこだ!! なんだテメェらは!!」

めっちゃ喧嘩腰なんですがこの人達。

「あ、えーと落ち著いてください。この子たちは謎の生に襲われていたところを助けて、目が覚めるまで様子を見ていたのです。」

事前のバイセツさんとの打ち合わせ通りの言い訳をする。

しかしし離れた地面には3人分の尋常じゃない出があり、その後も洋服の傷や癒やした傷跡などを見てもらいなんとか説明をれてもらった、

クマみたいなリクちゃんのお父さんには泣いて謝された、

「セイは!? うちの娘はどうしたんですか!?」

「申し訳ないです、我々が駆けつけた時にはすでにお嬢さんの姿はありませんでした……」

「な、なんてことだ……」

神父さんみたいな服裝をした男は憔悴しきってしまい、他の村人に支えられるようにみんなで村へ向かう。3人は助かったものの重い足取りであった。

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