《3人の勇者と俺の語》17章 ご褒
「まさか2日で制覇しちゃうとはね」
『鍛錬の賜じゃ』
「そうよ、自信を持っていいと思うわ」
「ただ、それに驕ってはいけない」
「研鑽を続けます」
「油斷しない」
『お主らはウォルとは比べにならんほどいい弟子じゃ……』
あいつときたらブツブツブツブツ
バイセツさん、苦労したんだね。
「よし、まだ晝過ぎだから夜ご飯は腕を振るうよ!」
「お晝食べないぞ」
「「私も」」
『空腹は最高のスパイス』
先ずは買い出しだ。
この間は魚だったから今日はだね。
市場の方へ行く。野菜やフルーツなんかをしていると騒がしくなる。
「す、砂渡スナワタリが出たぞ!!」
「砂渡!? 馬鹿なこないだ討伐されたろ!?」
「こないだのよりでかい! 街へ向かっているらしい!」
それからはパニックだった。
ギルドへ走って狀況を確認する、街の異常事態でみんなギルドへ來ていた。
「砂渡はサンドワームなどを食べる食の蟲で、
その巨大なは強靭でA級のパーティが5個ぐらいで討伐するんだ、
この間表れて首都から討伐隊が組まれて倒されたばかりなのに……、
今からじゃ間に合わん。B級のパーティも塔にっていて連絡が取れん。
もう、おしまいじゃ……」
「そいつのせいで市場が閉じて、食材の確保ができない……」
リクが怒気を孕んだ聲を出す、
「食材? ああ、確かに砂渡のは高級食材さ、革もいい防の素材になる」
「ワタ兄、倒そう」
「そうね、倒しましょう」
『倒すぞ』
「……」
「や、やめておけ!? アイツに子供達で敵うはずがない、
街も無事では済まんかもしれんが、運が良ければ助かる。
部屋でじっとしておれ!」
僕らはすでにギルドの付の人の話を聞いていなかった。
みんなの頭にあるのは、
食事を邪魔したやつ殺す。
食材となれ。
それだけだった。
街の報から砂渡が迫ってくる方へ移していく、
街を出る時衛兵から神の加護から出るな! とばれたけど無視した。
遠くから砂煙が迫ってくるのが見える。
「この距離で、あれか。でかそうだね」
「関係ない、ワタルの食事を邪魔する奴は死すべし」
「私達の食材となるしか殘された道はありません」
「殺して、食う」
こ、怖いよみんな。
「まずは、地上に引きずり出してあげます」
土魔法と風魔法を詠唱していく。
アースジャベリンとウインドストームを練り上げていく。
カイいわく魔法はイメージだそうで槍と思えばやりに、
もっと太くイメージすることで丘みたいに突き出すことが可能だそうだ。
僕は生活魔法しか使えません。
ドゴォォォォォォォォォ!!!
大きな土壁が巨大なモンスターを突き上げる、
そのまま嵐が上空に吹き飛ばす。
かなりの高度で停止したモンスターがどんどん加速して落ちてくる、
僕らの50mほど手前に落下しそうだ。
「カイ砂煙が凄そうだから、対策しとこう、水まくか下固めよう」
「すでに行っております、
あの高さからあそこに落ちればどうなるか、ククク」
背筋ゾクッとする笑みをカイが浮かべている。
こんな子じゃなかったのに……食の恨みは恐ろしい。
ズガーーーーーーーーーーン!!
ゴギャァ!
落下地點の地面は水と土魔法でドロにしてそれを極限まで固めていた。
モンスターは第一印象ガノ○トスだ! って思わせるでっかいトカゲ、
ドラゴンと言ってもいい巨大さ、20mくらいはありそう。
ただね、今の落下で腰か何かを折ったよね、
すでにビクビクと痙攣している、口からは大量に吐してるし。
「さばいてくる、行こうクウ」
「うん」
北國の厳しい自然で時代を過ごし、森で獲をとってさばいていた二人が、砂漠で砂漠の主とも言える砂渡をみるみる食材へ加工していく。
見ていたら僕もがく。
盾を包丁のように変形させて一心不に解作業をしていた。
死ねば、食材。食材への謝の気持ちを包丁に乗せて、
大事な食材はアイテムボックスへ。
骨と皮以外、余すことなく頂きました。
骨と皮もアイテムボックスへれて、ギルドへ向かう。
「頼む! 間に合わなくても良いんだ! B級でもいい! いや、Cでもいい!
とにかく人を送ってくれ! 頼む!!」
ギルドへると付の人が通信機にんでいた。
「あのー……」
「飛竜も出してくれ、一刻も早く。街が壊滅しちまう!」
「すみませーん」
「ありがてぇ、なんとか時間をかせぐその間になんとか……ああ、タックスに伝えてくれ、これが終わったら酒を飲もうって。恩に著る。じゃあな」
「いいですかー!?」
「なんだよ、さっきからこっちは必死に応援要請してるんだ邪魔すんな!」
「砂渡なら倒した。もう安心」
「は? 今なんつった?」
「砂渡なら私達が倒しました。もう大丈夫ですよ」
「え? お前らが? 砂渡を?」
「あ、はい。一応これ証拠です他にも骨とか革はあります」
一番立派な牙をカウンターに置く、
2mくらいあるのでカウンターでギリギリだ。
その牙をマジマジとみる付の人、
「間違いねぇ、砂渡の牙だ……しかもこの大きさ、こんなデケェの見たことがねぇ、15m、いや20mはある大だろう、どうやって……」
「カイが魔法で空にどーーーんってあげて、下を固めてグチャっと」
「あとはワタ兄と3人で解した」
その後本部へ救援要請を取りやめたり、その説明をしたり、
僕達も事聴取されたり、いろいろ大変だった。
すっかり日が暮れて今は町の中央で街のみんなで大宴會になっていた!
「いやーーーーーーーーーー、
まさかこんな嬢ちゃんたちがやっつけちまうとは!?」
「しかもあんな巨大な砂渡見たことねぇ!!」
中央に砂渡の骨に皮をかぶせて置いてある。
我ながら綺麗に解できたものだ。腰椎と頚椎がボッキリ折れていた。
砂渡のも提供して串焼きにしている。
うちのパーティのみんなには僕が作ったやつを渡している。
他の人には出すなとバイセツさんから厳命をけている。
リクとクウが泣きながら食べている。
「おお、砂渡のは旨いだろ!! そうだろそうだろ!」
理由は違うけど、そういうことだな。
巨大砂渡を倒しても誰もレベルが上がらない。
あの塔はどうかしてるぜ。
今回の活躍で全員B級にしてくれるそうだ。
今本部から上位職員を連れてこっちに向かってきているらしい。
その人達の調査をければB級だ。
どうやって誤魔化すかなぁ……
街全が歓喜の渦に巻き込まれた宴は夜遅く、たぶん朝まで続いたんだと思う
途中で誤ってお酒を飲んでしまって気がついたら宿屋のベッドだった。
なんか手がすごく気持ちのいいものに包まれている気が、
目が覚めてくるとなんか溫かい、
手をかす。
「……あんっ」
耳元にとんでもない聲が聞こえる。
おちつけ、落ち著くんだ。
オーケー、ゆっくりと目を開ける。
右腕にリク、左腕にクウ、の上にはカイ。
うん、意味がわからない。
目を閉じる。目が覚めてくるとなかなかに素晴らしいに包まれていることを再確認。右腕のリクは抱枕のように腕にしがみついて、かなものが、あたっている。鍛えられた太ももをさっきはってしまったのか。
左腕はさらにすごい、満ならかいものに包み込まれている腕。こんな覚を僕は知らない。ほんのし腕をかすと、
「ああ……」
艶めかしい聲、落ち著け14歳だ。
そしての上でカイが寢息を立てている、首筋にしだけ腕を絡めてきていて、なんつうか、その、エロイ。らかさには劣るものの、の子がしだれかかってきている儚げな姿勢っていうのか、そういうのが最高にエロイ。
今は朝だ、僕は高校一年生の元気な男の子。
當然、生理現象だよ、しかもこの狀況、もちろんね、わかるでしょ?
あ、まずい。この勢。
「ん……んん?」
カイに気が付かれたら僕の人生が終わる。
「おはようカイ、さぁ朝だ、みんな起きた起きた!
あー汗かいたなー、ちょっと汗流してくる!!」
強引に飛び起きて共同の水浴び場へ向かう、
宿屋にもたくさんの昨夜の宴の被害者が転がっている。
外に出ると、まだ飲んでる猛者もいた。
急いで水浴び場へ向かう、そして洋服を著たまた頭から水を浴びる。
「……やっと、落ち著いた」
浄化魔法で汚れと水分も落としていく。
シャワーついでに服も綺麗にね。あ、そういや洋服しいな、
今日は服でも見に行こっと。
「ワーター兄ー」ドサ
凄くらかい何かが背中に、耳元にかかる息、後ろから回される腕。
その全てが素晴らしい。
「いただきまーす」
ん? 顔をロックされてるぞ、あれクウちゃんの顔がどんどん近づいてくるぞ? どういうこと? 何が起きてるの?
「させない」
「グェ」
真後ろから槍の柄のほうでカイが突いてきた。
鋭い一撃だ。気配も消している。
しかしリクは軽々とそれを避けた、そして僕に突きが刺さる。
「何しているんですかクウ?」
「ワタ兄のファーストキスをいただこうとした」
「なんでそうなったのか私は理解できませんけど」
「私はワタ兄が好き。それが全部」
「説明になってないようだけど?」
「そもそもなんでカイが邪魔するの? 関係ない」
「そ、それは……私だってワタルさんが好きだからよ!」
えー、なんなの頭がついてかないんだけど、昨日何があったのさ?
ぐい!っとすごい力でごと橫に向けられた、目の前にはリク。
「ん~~~」
また、このパターン。
「させない!」
「リクーーー!」
ガイン! カイの槍とクウの投げた椅子を軽々と避けるリク。
両方僕にクリティカルヒット。
『ええかげんにせんか』
「あらあらまあまあモテモテね」
「う~ん……」
何度目かわからないけどまた気を失った。
【コミカライズ&書籍化(2巻7月発売)】【WEB版】婚約破棄され家を追われた少女の手を取り、天才魔術師は優雅に跪く(コミカライズ版:義妹に婚約者を奪われた落ちこぼれ令嬢は、天才魔術師に溺愛される)
***マンガがうがうコミカライズ原作大賞で銀賞&特別賞を受賞し、コミカライズと書籍化が決定しました! オザイ先生によるコミカライズが、マンガがうがうアプリにて2022年1月20日より配信中、2022年5月10日よりコミック第1巻発売中です。また、雙葉社Mノベルスf様から、1巻目書籍が2022年1月14日より、2巻目書籍が2022年7月8日より発売中です。いずれもイラストはみつなり都先生です!詳細は活動報告にて*** イリスは、生まれた時から落ちこぼれだった。魔術士の家系に生まれれば通常備わるはずの魔法の屬性が、生まれ落ちた時に認められなかったのだ。 王國の5魔術師団のうち1つを束ねていた魔術師団長の長女にもかかわらず、魔法の使えないイリスは、後妻に入った義母から冷たい仕打ちを受けており、その仕打ちは次第にエスカレートして、まるで侍女同然に扱われていた。 そんなイリスに、騎士のケンドールとの婚約話が持ち上がる。騎士団でもぱっとしない一兵に過ぎなかったケンドールからの婚約の申し出に、これ幸いと押し付けるようにイリスを婚約させた義母だったけれど、ケンドールはその後目覚ましい活躍を見せ、異例の速さで副騎士団長まで昇進した。義母の溺愛する、美しい妹のヘレナは、そんなケンドールをイリスから奪おうと彼に近付く。ケンドールは、イリスに向かって冷たく婚約破棄を言い放ち、ヘレナとの婚約を告げるのだった。 家を追われたイリスは、家で身に付けた侍女としてのスキルを活かして、侍女として、とある高名な魔術士の家で働き始める。「魔術士の落ちこぼれの娘として生きるより、普通の侍女として穏やかに生きる方が幸せだわ」そう思って侍女としての生活を満喫し出したイリスだったけれど、その家の主人である超絶美形の天才魔術士に、どうやら気に入られてしまったようで……。 王道のハッピーエンドのラブストーリーです。本編完結済です。後日談を追加しております。 また、恐縮ですが、感想受付を一旦停止させていただいています。 ***2021年6月30日と7月1日の日間総合ランキング/日間異世界戀愛ジャンルランキングで1位に、7月6日の週間総合ランキングで1位に、7月22日–28日の月間異世界戀愛ランキングで3位、7月29日に2位になりました。読んでくださっている皆様、本當にありがとうございます!***
8 78ネコと和解せよ〜ネコとカフェ店長の謎めく日常〜
カフェ店長・橋口杏奈。両親からレトロなカフェを受け継ぎ、仕事は順調だった。 一方、戀愛は婚活で知り合った彼氏にもフラれて慘敗中。婚活も興味を失っていた頃、飼い貓のミャーが突然人間の言葉を話はじめた。 ミャーは貓のカタチをとっているがキリスト教の神様に仕える天使だという。隠密に伝道などを手伝ったりしてるらしい。信じられない杏奈だが、色々とミャーの協力する事に。 そんな中、杏奈の住む町で貓が次々と行方不明になり、三毛貓が殺された現場を見てしまった。杏奈と同級生だった牧師・藤也は、この事件は悪魔崇拝儀式だと斷言する。実際、何か隠されているようで警察もろくに調査しない。 殺された貓の飼い主が気の毒になった杏奈は、ミャーや藤也に聖書の知識を教えて貰いながら事件を追っていくが、再び別の事件に巻き込まれ……? 事件解決の手がかりは「神との和解」!? キリスト教豆知識入り☆とっても可愛いコージーミステリ開幕。※ノベルディズに掲載中です。
8 108指風鈴連続殺人事件 ~戀するカナリアと血獄の日記帳~
青燈舎様より書籍版発売中! ある日、無名の作家が運営しているブログに1通のメールが屆いた。 19年前――、福岡県の某所で起きた未解決の連続殺人事件を、被害者が殘した日記から解明してほしいという依頼內容だ。 興味をそそられた作家は、殺人事件の被害者が殺される直前まで書いていた日記とは、いったいどういうものだろう? 見てみたい、読んでみたいと好奇心が湧き、いくたびかのメールの往復を経てメールの送信者と対面した。 2020年1月上旬、場所は福岡市営地下鉄中洲川端駅の近くにある、昭和の風情を色濃く殘す喫茶店にて……。
8 91吸血鬼作家、VRMMORPGをプレイする。~日光浴と料理を満喫していたら、いつの間にか有名配信者になっていたけど、配信なんてした覚えがありません~
機械音癡の吸血鬼作家、仕事の事情でVRMMORPGを始めてみた。 最初は仕事の為にお試しだったけど、気付けば何百年ぶりの日光浴に、これまた何百年ぶりの料理。日々満喫していたけど、いつの間にか有名人になっていて……? え、配信ってなんですか?え、システムメニュー?インベントリ? そんなことより、心音監視やめてもらえませんか? 心臓動かすために血を飲むのが苦痛なんです……。
8 95剣聖と呼ばれた少年、願いを葉えるためにダンジョン攻略~最強がチートスキルで更に最強に~
柊司(ひいらぎ つかさ)は高校一年生にして剣道のインターハイで優勝できるほどの剣才をもつ天才で、世間からは敬意を持って剣聖と呼ばれていた。 そんな順風満帆な日々を送っていた司であったが、決勝の試合後に心臓発作で命を落としてしまう。 しかし捨てる神あれば拾う神あり、死んだ司の肉體を呼び戻し、條件付きではあるが異世界で生き返ることが出來た。その條件とは最初に攻略したものは願いを葉えることが出來ると云われている天の大樹というダンジョンの攻略。司は魔法の習得、剣術との融合、様々なことに取り組み天の大樹をどんどん攻略していく。果たして司は最後まで攻略できるのだろうか、また攻略したその先はどうなるのだろうか。
8 148ワルフラーン ~廃れし神話
かつて地上最強と呼ばれた男、アルドは、國に裏切られた事で人を信じられなくなり、國を出てってしまう。あてもなく彷徨う男が出會ったのは、かつて森で助けた魔人。再會を喜ぶより先に、彼女は言った。 「魔王になって頂けませんか」 再び対峙する事になる魔人と人間。次に勝つのは、どちらなのか。 これは、人の愚かさが招いた物語である。
8 110