あれからさらに2週間が経ち、今日は學園の學式だ。この2週間は特に何もなかった。しいてあげるとすれば、『ケルベロス』の報をすこし手した程度だ。

「さて、今日は學園の學式だけど、2人とも準備はできてる？」

「もちろん！」

「できてます！」

今3人は、學園への道を歩いている最中だ。

「キャーーーーーーーーーッ！」

突然び聲が聞こえた。すぐさま3人はそちらへ向かうと、數人の男が1人のを囲っていた。の格好をよく見れば、學園の制服を著ていた。

「學園にれたってことはそこそこの実力はあるはずなんだけどな〜」

そう言いながら弘一郎は男との間にった。

「なんだテメェ‼︎」

「痛い目見たくなけりゃさっさとどけ！」

そうした自分への罵倒を聞き、馬鹿にされたもんだなと思いつつ弘一郎はハルバートを抜いた。

「な、なんだそれは⁉︎」

「ん？これか？これはハルバートって言ってな？斧と槍を混ぜたような武だ。……さて、この武をお前達に振り下ろしたらどうなるかな？」

そう言いつつ弘一郎は、ハルバートを持ち上げた。

「ひ、ひひひひ。やれる訳がねえ。やれるもんならやってみろ‼︎」

「そうか？じゃ、遠慮なく」

そう言って弘一郎はハルバートを振り下ろす。

「クッ！」

男達は辛うじて剣を抜きハルバートを防いだ。

（お、重え）

男達が驚くのも無理はないだろう。何故なら、男達は數人が全力で力を込めているのに対し、目の前の年は片手でしかも欠しながら、力を込めているのだから。

「「「「「「ッ！」」」」」」

そして、次の瞬間、年の姿が消えた。

気づいた時には首にハルバートを當てられていた。

「そ、そうか。お前が、あの『天才』か‼︎」

「？何のことだ？」

「黒髪黒眼の年は圧倒的な戦闘センスで一瞬にしてランクを上げていると噂になってんだよ‼︎」

男はびながらも頭では違うことを考えていた。

（噂は間違っていた。こんなのは『天才』じゃない！『天災』だ！）

男はすでに目の前の年を自然災害と同一視していた。

「死にたくなければ今すぐ去れ！」

「こ、殺さないのか？」

「殺してほしいのか？」

その時弘一郎が浮かべていた笑みは、殘酷な本と狂気が見え隠れしていた。だが、そのことに気付きながらもこのたちは気にしない。

「は〜やっぱりかっこいいなー」

「そうですね〜」

「おい二人とも、の無事を確かめるぞ」

「あ、はい」

「わかりました〜」

そう言って3人はの方へ歩いて行った。