《転生先は現人神の神様》29 不死者の森殲滅戦

「ジェシカとエブリンは、臨時拠點で怪我人の治療。ベアテも二人の護衛として、臨時拠點待機。皆は私と最前線ね。で、ブリュンヒルデはお城と」

「はい、護衛に回らないといけないので」

「あの、ルナ様……」

「好きにしなさい」

「ですが、きっと教會の……」

「好きになさい。貴は私の従者。貴のやりたい事をやればいいわ。聖は死んだと発表があったみたいだしね」

「従者が問題を起こした場合、主の顔に泥を塗る事になります。それだけは忘れないように」

「まあ、余りにもうるさかったら"ソウルブレイク"でもしてやるわ」

「えっ」

「従者に売られた喧嘩を主が買っても問題なかろうなのだ」

「流石に"ソウルブレイク"は…………(ルナフェリア様に喧嘩を売る時點で無能なのでは? 國にとって不利益になりそうですし、ここは黙認するべきですかね……)」

「あの、ブリュンヒルデさん……どうしてそこで……」

ブリュンヒルデは何も言わず、ただニッコリと笑顔を返す。だいぶ黒い笑顔を。

さて、10分前だ、そろそろ行くとしようか。

「それじゃあ、そろそろ行くわよ。ブリュンヒルデはどうする?」

「様子を見て行きたいので、歩いて戻ります」

帰る間に街の様子を見て行くのか。なら転移はダメだな。

「分かったわ。『ベアテ、行くわよ』"ゲート"」

「行ってらっしゃいませ」

念話でベアテを呼び、転移門を作する。

「ご機嫌よう、諸君」

転移門を通りそう言うと……。

「おはようございます! 師匠!」x騎士s

「…………」x冒険者s

この溫度差である。

冒険者活するのこれからだから、しょうがないね。

逆に騎士達の訓練は、約半年り浸ってるからこうなる訳だ。

「おはようっす、姉あねさん」

ああ、冒険者側に例外が居たな。腕の欠損を直してあげたAランクPTだ。

「ええ、おはよう」

挨拶中に後ろからジェシカとエブリンが來て、最後にベアテが來る。

ベアテが來た瞬間冒険者組がざわつくが、騎士組は治安部隊から報が行っていたのか、そこまでではない。

「おう、來たか」

「ええ、來たわ」

ギルマスと一緒にヨハン隊長、オスカー隊長、アルフレート隊長がいる。

2番、3番の隊長と、第2魔法師団の隊長だ。

「隊長が3人もいるのね」

「ヘルムートとハンネは城でお留守番。だから基本的に2番と3番隊だが、メインは2番で、3番は新人達だから経験をってことらしい」

「距離が近いし、冒険者達との合同。基本的には包囲が擔當なので丁度いいだろうと、総隊長が……」

「魔法師団はと強化系を中心に連れてきています」

「ふむ。とりあえず出発する前に私に知らせて。補助を一気にかけるから」

「集めて最終確認をしてから始めるから、その時だな」

「分かったわ。……む、神力……」

多數の神力をじ振り返ると、教會組が歩いてきた。

ふむ、偉そうだな。いやまあ、多なりとも偉いんだろうが。

「おやおや、ギルドマスターに隊長達もお揃いで。……それに貴は聖域に住んでると言う……」

「そうよ」

「これはこれは、私は司教のグレゴリーだ。これが終わったらお茶でもどうだろう? もちろん後ろの2人も一緒で構わんよ」

その時ふと、周囲の空気が変わる。

騎士達からは微かに殺気がれ……冒険者達も『うわぁ、出た』と言うじだ。

どうも相當嫌われているらしい。

到底聖職者とは思えん見た目だな? 豚ちゃんよ。

権力……金…………大層なご分だな。後で出荷確定だなこりゃ。

典型的なクソ貴族ってやつか。この國の貴族じゃないし、聖職者だが。

神々が沒収していいとまで言っていたのはこのせいか。これが終わったら沒収してやろうか。

と言うか、隨分強気だな? 王都でどういう評価、評判なのかは知らないが、私相手にこのい方か。

ああ、後ろが法國なだけに手が出せないと思いあがっている愚か者か。

相手がその法國の天敵とも知らずにな。こいつら相手に想は無用だな。もはや敵ですらある。

「お斷りするわ。自宅の方が味しいでしょうし、教會との繋がりも不要よ」

おう、顔がピクピクしてるぞ。ダメじゃないか、この程度で顔に出しちゃ。

こうまでもバッサリ言われることなんて早々無いんだろうがな。

む……、結界に反応? …………おやおや、留守を狙うとは愚かな。

ははぁん、これはこれは。目の前にいる司教の飼い犬じゃないか。丁度いい。

「……シルヴェストル」

「なに?」

私の右側にスッっと実化して出てくると、當然皆の視線が集まる。

霊信仰の國故、霊様って呼ばれる程。ブリュンヒルデもそう呼んでいた。

こんな近で、しかも完璧な人形の霊をはっきり見ることなんか早々ないだろう。

「私達の留守を狙って結界に阻まれてるアホがいるわ」

「私達の土地に手を出す愚か者……殺しちゃっていいの?」

「んー……。どうなの?」

一応2番隊の隊長であるヨハンに話を振ってみる。

「そーですねぇ……。これが人なら殺すなと言うのですが、霊様ですからねぇ。『聖域に手を出すのなら命を捨てろ』と言われてますしね? 霊様に殺されるだけの何かをしたのでしょう」

「だって。好きになさい」

「やったね! じゃあ行って……ぐえ」

「わたしも行きたい! 殺していいなら得意! 私達のお家に手出しはさせないもん!」

腰に手を當てを張ってふんぞり返っているが、自慢できる事じゃないぞ、ヴルカン。

「まあ、森じゃ出番はほぼないわね。好きになさい」

「行こ! シルヴェストル!」

「ごー! ごー!」

2人して飛んでいった。張り切ってんな。割りと怒らしい。

「はぁー。私も行ってきますねー」

「よろしく、ウンディーネ。……ああ、死になったら治安部隊にでも片付けてもらいなさい」

「わかりましたー」

ほっぺを掌に乗せ、困った顔で出てきたウンディーネも當然行かせる。

あの2人だけじゃ不安過ぎる。主にストッパーと、火の始末用に行ってもらう。

どうするかは任せよう。私からしたらどっちでもいい。

家にやってきた蟲(強盜)に向かって殺蟲剤(霊達)を放ったので、もはや無関心である。

「おやおや、これから作戦なのでしょう? 3人も向かわせていいのかね?」

司教は妨害したいらしいぞ? まあ、當然だな? 彼らがいなくなったら『処分』に困るもんな?

攫った娘だったり、娘を探しに來た親だったりな?

「何か問題?」

「だから、もう作戦開始なのだろう?」

「そうね、始まるわね? それがどうかした?」

赤くなり始めていた顔が、シルヴェストル達の登場で元に戻りそうだったが、殘念ながらここでまた赤くなり始めた模様。はっは、こやつめ。ま、霊3人との契約はキャパシティ的に相當だろうからな。

より霊の方が、當然コストは高い訳で。霊皇であるうちの子達は當然コストがヤバい。

あれだけはっきりした人形だ、力は察せるだろう。いや、察したからこそこの行だったのか。

霊使いが戦闘前に霊を離してどうするんだ!」

「…………フッ」

「なっ! き、貴様鼻で笑いおったな!」

「さあ、時間よ。無能は放っておいて始めましょう」

「む、むの!?」

真っ赤になりながらプルプルしている。だが、そんなことはどうでもいいんだ。重要なことじゃない。

太ったおっさん見てても楽しくなんか無いわ。

しかし、思ったより教會組ゴミだったな。これならわざわざ霊達を止める必要は無かったか。

神々や霊達の名を使って悪事を働く者達が、霊達に見逃されるとでも?

前世は知らんが、この世界は実際に存在するんだぞ? 霊達は害意とか悪事には敏だしな。

……後で王様と話してみようか。霊達が暴れたら調査しないとなぁ?

さて、時間だ。

「そろそろ始めるぞお前達! 武に防、消耗品の最終確認は済んだか!」

ビシっと綺麗に並んでいる騎士達と、若干まばらな冒険者達。

格が出ているというか、職業柄こんなもんだろう。騎士は軍、冒険者はPTだしな。

騎士達はビシっとしてないと國の恥となってしまう。それに比べ、冒険者はこんなもんだろう。

作戦容の最終確認を終え、私の番がやってくる。折角なので、3人でやろうか。

「じゃあ、もう始めるんだが……」

「なら強化するわ」

「ああ、頼む」

トコトコと前に出ていき、ギルマスと変わる。

「全員メイン武を掲げなさい」

すると、騎士達は一斉に剣を掲げる。剣を抜き、の前で掲げるかっこいいポーズ。

冒険者達はクエッション狀態だ。

「リュミエール、"ライトウェポン"を彼らに」

「どのぐらいにしますか?」

「丁度いいから、全力でやってみて」

「分かりました」

右側に実化して出てきたリュミエールに《魔法》の中級である"ライトウェポン"を使わせる。

ゲームでよくある武に屬を付けるあれだ。アンデッド戦だし、あった方が良いだろう。

「彼らに闇を退けるを "エクステントライトウェポン"」

リュミエールが手を掲げ、呟くと巨大なの玉が出現する。

魔法名を言うと、の玉から小さい玉が1人1人の掲げている武に當たる。

これで屬付與は終了だ。後は魔力が霧散するまで効果が続く。

を仕舞わせ、次だ。

「オスクリタ、"ダークシールド"」

「……分かった」

続いてオスクリタが左側に実化し、魔法を使用する。

今度は《闇魔法》の中級である"ダークシールド"だ。防を闇へと変更する。

「闇は常に我らと共に "エクステントダークシールド"」

リュミエールと同じように小さい玉が飛んで行き、の周囲を回るように消えていく。

これで防もよし。では、最後は私だ。

「狀態異常対策も重要よ "エクステントオールレジスト"」

《強化魔法》の上級、免疫強化魔法だ。全ての狀態異常に耐を得る魔法。

中級にもあるのだが、それは1個1個。上級のは全てを1度に。

毒、気絶、麻痺、沈黙、睡眠、混、凍結、石化、呪い、衰弱、威圧、恐怖、魅了、狂気。

と、結構あるこれらを"オールレジスト"はカバーする。

流石に欠損とか出、大量出とかは狀態異常と言うより、狀態そのだから無理っぽいが。

「以上! いってらっしゃい」

「不死者の森殲滅作戦開始だ! 配置につけ! 30分後各パーティー、小隊で行開始!」

「はっ!」x騎士s

「おうっ!」x冒険者s

ゾロゾロと移していく者達を見送る。

剣を持った者、槍を持った者、更にワンドなど、様々な武を持った者達が一斉に移していく。

も様々だ。張した者もいれば、普段通りだろう者もいる。これは、経験の差だろう。

新人は張し、ベテランは普段通り。ベテランが新人達に聲をかけて勵ましていたり、活をれたり。

だが、空気は當然ピリピリしている。これから命懸けの戦闘だ。それも當然だろう。

「私はお留守番かしら」

「ふむ、まだ行かんか」

「ブリュンヒルデに『分、立場に相応しい態度を心がけて下さい』とか怒られるのよね。『目上の人にかれてしまっては、我々の立場がありません』とか」

「あー、そうな。仕事を與える側だからな」

「ただの冒険者のはずなのに、おかしいわねぇ」

「ただの冒険者が1人でドラゴン倒したり、城壁作ったりはしないぞ」

「……國からしたり良いことじゃない」

「良いことだからこそ、待遇を良くして留まらせてるんだろう?」

「……もっと我儘言ってやろうかしら」

「はっは! 程々にな」

魔眼で全の様子を見つつ、臨時拠點前にテーブルと椅子を置き、メロンのぬいぐるみを抱えて待機。

ジェシカやエブリンも、怪我人が來ない限りはやること無いので、後ろで待機。

リュミエールとオスクリタは私の肩に座って、グノームは私の足に座っている。わざわざ実化して。

「たっだいまー!」

「帰った!」

「おかえり。ウンディーネは?」

「ごみ処理」

「ウンディーネが戻っていいって」

「そう」

戻ってきたヴルカンとシルヴェストルは、んでぬいぐるみの上に乗る。

しばらくして帰ってきたウンディーネが椅子の肘置きに座る。

霊様6人と契約ですか……」

オスカー隊長とアルフレート隊長が驚愕している。ギルマスは苦笑、ヨハン隊長はいつも通り。

霊王……の中でも格上か……?」

霊王の上、霊皇よ」

「へぇ……」

呟いたヨハン隊長に答えてあげると興味深そうに見ている。

霊皇なんてあるのか……霊王が1番上だと思ってたが……」

霊王の子達と契約して、名をあげたのよ。恐らく自然発生は霊王が1番上ね」

「まじか」

それに頷いて返す。

まあ、恐らくではなく、確定なのだが。自然発生は霊王が1番上である。

まで行ったのは私との契約が原因だろうな。

『ルナー ルナー?』

『なんですか、創造神様』

『忘れてたことがあったのよ』

『忘れてたこと?』

『貴、【武闘】関連のスキルはLv5が限界なの』

『なん……だと……』

『見直したら戦と勝利の神が【武闘】だから、貴はLv5で止まっちゃうのよねー』

なんということでしょう。

戦と勝利の神が【武闘】で、月の神である私は【魔法】と分かれてるってことか……。

向こうは【魔法】がLv5で止まるんだろうな……。そもそも私以外地上にいないけど。

『制限かかるのは【武闘】だけですか?』

『うん、【武闘】だけ。【生産】とか【】は問題ないわ』

『さらば……メイン武予定だった魔導弓……』

項垂れて抱えているメロンのぬいぐるみに突っ込み、「うにゃ」「むぎゃ」という聲と共に、ヴルカンとシルヴェストルが潰れた。

『ああ、うん。ごめんね? その代わりと言うか、新しい魔法とか増やすから』

『追加とかできるんですね』

『世界の法則に追加するだけだからね。その辺りは楽なの』

『なるほど。とか、と言う事は魔法以外も増えるんですか』

『月に関連した鉱石とかも増やそうかなーと。大數百年前から考えてたやつなんだけど』

『私前世ですら生まれてねぇ……』

『今ある1番強度のある鉱石はアダマンタイト。魔法適の1番はミスリル』

『らしいですね』

『今回追加するのは、ミスリルを超える魔法適で、流した魔力、濃度によってはアダマンタイトを超える強度になるルミナイト鉱石!』

『おおー!』

『寶石には魔法増幅効果のあるルナクォーツを追加予定』

『追加したらすぐに生されるんですか?』

『んー、條件さえ満たしていればすぐに生が始まる……だろうけど、なんとも言えないわね』

『ああ、なるほど。ゲームみたいににょきにょき出てきたりはしないか……』

『ルミナイトとルナクォーツって言う名前が分かったのだから、貴なら《質創造》ですぐ作れちゃうけどね』

『ああ、そうですね。……でも自然生の方が能良い気がするんですが』

霊の加護の差でしょうね。貴の周りどうせ沢山いるんでしょう? 鉱石なら土の霊にでも吹き込んでもらえばいいのよ』

『……あ、そうか』

『追加する魔法は楽しみにしといて。Indexに追加されるから、貴ならすぐ分かるでしょう』

『分かりました』

『近いうちに追加するから。と言うか、もうしようかな……ああ、そうだ。後闘気を追加します!』

『闘気……【武闘】用ですかね』

『それによって、《闘気作》や《闘気強化》と言ったスキルが増えます! 闘気は武や防に乗せ、切れ味や耐久を上昇させます』

『ふむ……私にはあまり関係ないな……』

『後貴の【固有】を変更します』

『えっ』

『《理無効》などを統合し《神力》というスキルに変更します。更に《真実の魔眼》を《森羅の魔眼》に変更します』

『《神力》はいいとして、《森羅の魔眼》ですか?』

『全ての魔眼の効果を持つから、すぐに目を閉じて、必要ない効果は切るように』

『なるほど、分かりました』

『伝えたのは1部だけれど、追加されたら貴にはすぐ分かるはずだから、じゃあねー』

『分かりました。でわ』

何か、々変わるらしいよ。世界にパッチが來るらしいよ。ほんと、妙な所がゲームみたい。

追加されたらすぐに分かるらしいけど、いつするんだろうか。

とりあえずを起こす。

「どうかしましたか?」

「……し悲しい事実が発覚しただけよ」

「なになにー?」

「【武闘】系統の全てのスキルはLv5で止まるらしいわ……。デメリットは存在した……」

「でもまあ、ルナ様は魔法がありますし」

「まあ、そうなのだけどね。弓が遊びようで止まったな……と」

「……杖でも作るとか」

「杖は高いやつを速攻で々にしてるのよねぇ……」

とか霊達と話していると、ぴくっとしてきょろきょろしだした。

ルナフェリアは覚えのある、創造神様の神力だ。

すると、突如が波のように押し寄せ、全てのを通過していく。

や植はもちろん、建や地面にすら貫通して行った。

世界に変化の時がやってきた。

    人が読んでいる<転生先は現人神の女神様>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください