《転生先は現人神の神様》49 ギルドの移転と神霊樹

まあ、正確に言うと20センチ程のの子の頭の上に雑草が生えてるじだ。

「森の妖、ドライアドか」

「どうしましょう?」

「そっとしておきましょう。下手なことはしないでしょう」

「分かりました」

あー、こいつら土からの栄養とマナと長か。

となると……。

スポッ。

「びえええええええええ」

泣いてるドライアドをぷらぷらしながら移して、進止の結界の地面に置いたら泣き止み、こちらを見上げてくる。

「………………」

「………………」

ししたらキョロキョロして、てってってっと走って行き、モゾモゾと潛り始めた。

「うむ」

「ルナ様……めてるようにしか見えなかったのですが?」

「えー? マナも栄養として取り込むようだから、マナ濃度が濃い方にれただけよ? 流石に泣かせて喜ぶ趣味は持ち合わせていないわ」

「そうですか……」

「と言うか何で泣くんだ。実はマンドラゴラの一種か?」

「えっ」

「んなわけ無いか。好を食べてる時の子供を邪魔したようなもんか。はっは、許せ」

種は普通に男あったはずだな。ステータス見る限りあの子はの子か。

って、ただの雑草ぽかったのが綺麗な草になっている……。長はえーな。この地だからこそか?

まあ、き出すの待つか。

『おーい、俺だ俺ー』

オレオレ詐欺が來た。

いやまあ、冒険者ギルド本部のマスターだが。

『準備できたの?』

『ああ、できたぞ。そっちは大丈夫か?』

『昨日には準備できてるわね』

『そうか。じゃあ早速頼めるか?』

『じゃあそっち行くわ』

『おう、訓練場の方で待ってる』

さてお迎え行きますかねぇ……第一住人達を。

1人で指定された場所に"ジャンプ"をする。

を持ったそれなりの人數が訓練場に集まっていた。

機嫌よう?」

「ああ、來たか。いやいや、すまんな」

「うちの法律守るなら別に構わないわ。とりあえずさっさと移しましょうか」

「そうだな。暗くなってきたし、頼む」

城壁の外に巨大な"ゲート"を繋ぐ。"ゲート"のデザインはいつも通り白がベースの霊達が枠に描かれた両開きの門。

"ゲート"を抜けた先には東門がある。

「よし、良いわよ。"ゲート"を潛ったら奧の門を通りなさい。その際土地での法が頭に直接來るから、同意すると思いながら通過」

「え、これからここに住むのか? 予想と全然違うというか、俺生きてるよな?」

「私が全力で整えたからな。幻想的だろう? 生きてるから安心しなさい」

「俺の目がおかしくなってなければ、霊様が見える気がするんだが?」

「忘れたの? ここ元聖域よ? 四季の森と言われる聖域を整地したのが私の土地。霊達がいて、見えるのも當然でしょう?」

「あ、ああそうか。見えるからわざわざ手出すなって決まりがある訳な?」

「そうよ。まあ、手出す馬鹿はいないと思うけれど一応ね」

「理解した。とりあえず、行くか」

行くぞーとギルドマスターがんでぞろぞろと"ゲート"を潛り、そのまま門を潛って行った。

キョロキョロしている奴らを連れて、冒険者ギルド本部の場所へと連れて行く。

「これ、ギルド本部として使っていいわよ」

「……え、これ!?」

「そう、これ」

と指を指したのは、厳かな雰囲気を纏う神殿。創造神殿だ。

「見た目はこれだけど、中はでかい屋敷だけどね」

「そ、そうなのか?」

とことこと歩いていき、両開きの正面玄関を開ける。これ普段は開けっ放しかな?

ちなみに、玄関は1人でも開けられる程度の軽さだ。結構でかく、金屬製に見えるのにな。

「ほー……こりゃ凄い。貴族でも上の方だなこりゃ」

「と言うか城じゃね?」

「城でも通じそうだな」

とりあえず全員エントランスにれる。

またもキョロキョロしているが、全員ったのを確認したところで玄関を閉め、説明だ。

「さて、ここをギルド本部とするわけだけど……そこにある大階段、2階と3階に繋がっているの。2階と3階は住居スペースになってるわ。1階は大食堂と大浴場、會議室などがあるわ」

「となると、2階と3階に住んで良いのか?」

「2階か3階どちらかをギルド職員用にしてしまいなさい。大階段を登っていくと踴り場に出るから、右は2階で左が3階に繋がっているわ」

「ふむ、じゃあギルド職員は2階にするか?」

「じゃあギルド職員じゃない冒険者達は宿として3階の部屋を使いなさい。大浴場も大食堂もあるからね」

「「「「おぉー!」」」」

「ギルド職員以外は宿屋形式の予定よ。お金を払って部屋の鍵をけ取る。まあ、落ち著くまではただでいいわ。とりあえず全員部屋を決めたら扉に書いてある番號を私に言いなさい。そこの鍵を渡します。職員も同様にね」

「あー、家族達はどうする?」

「見ての通りのサイズだから部屋は大量にあるからね……この建は今後冒険者ギルドに管理してもらうから、好きにしてちょうだい。1家族で1階にある會議室の1つ使ってもいいし」

「むむむ……ここまで待遇が良いと逆に不安になるんだが?」

他の者達もうんうんと頷いていた。

「私としても冒険者ギルドには頑張ってしいからねぇ……。大階段の左にあるあの通路、あの先がダンジョンへと繋がっているわ。冒険者達には是非とも潛って貰って々持ち帰ってきてしいのよね」

「ダンジョンがこの中にあるのか!?」

「ああ、溢れてくることは無いから安心していいわよ? ダンジョンは転移形式だからね。まあ気になるなら後で見てきなさい。とりあえず部屋決めて職員會議でもしたら? 鍵渡したら私はこの土地の中央にでもいるから、何かあったら呼んで」

「お、おう。分かった」

これでとりあえずよし、と。

ギルド職員は2階! 冒険者達は3階を使え! と言うギルマスの言葉の後バタバタと散って行く奴らを一先ず見送り、戻ってくるのを待つ。

そしてまたバタバタと帰ってきた奴らにカード型の魔道を渡していく。カード型の鍵を渡し終えたら撤退だ。後はギルマスに任せる。

話し合いは落ち著いてからだな。神殿の探索とかするだろう。自分達が住むのだから。

大食堂で出す料理などはギルド職員がやるなり、付いてきた家族達にやって貰うなりすればいい。食料はダンジョンから冒険者達が採ってくればいいし。

野菜はファーサイスから買ってきてやるか……そのうち商人達が出りするだろう。

◇◇◇◇

「ここは……こうして……ここは……こうか?」

「今度は何をお作りで?」

「《使役魔法》の中にった《人形魔法》で自人形オートマタを作ってみようかと思ってね」

「オートマタ……ですか?」

「簡単に言えばく人形……ゴーレムの一種かしらね」

「なるほど……」

個人的に人形使いやドールマスターと言うあれが結構好きなんだ。

しかし、VRゲームでは召喚獣とかで戦う召喚師はよくあったが、自分で丹込めて作った人形で戦う人形使いは無いんだよねぇ。実に惜しい。

という事で今、その夢を葉えようと思ってな。

「えーっと……コアはルナクォーツを使用して、エネルギー源は魔晶石を使用する……。は骨組にルミナイトを使用し、マナタイトクォーツを外側に、皮として聖魔布を重ねてにしてくっつけると……」

オートマタはコアのルナクォーツが本で、他は使い捨て。

コアが脳となり、魔晶石が心臓となる様だな。という魔力を骨組みを通して行き渡らせく。

魔晶石そのが持つエネルギーを使用する訳ではなく、魔力を溜め込むとして使用する様だ。よって、魔晶石が無くなることはないと。

ふむふむ……。

一般的に作るなら何かしらの寶石をコアとし、心臓に魔石や魔導石を使用する事になりそうだな。そういう意味ではルナクォーツと魔晶石のこの子はかなりのか。

人形の仕様上、もマナ適正の高い素材を使用するしか無さそうだ。杖として使用される木材や金屬ならミスリルだろうか。ミスリルの値段を考えると、木材が一般的になりそうだな……。

「んあー、この"オートマタ"も効率が悪いな……し書き換えるか」

オートマタを作る魔法名が"オートマタ"なのだ。紛らわしいな。

うーん? この魔晶石は心臓なんだよな……。魔力を溜めて、魔力を流す……という事は?

空気中のマナを拾って魔力に変換し、心臓に送るだけの変換を別で用意するか? サブタンクにもなるわけだし。

これにより効率が落ちたら本末転倒なので、ここの魔導回路をこっちに繋いで……ここの処理をこう……こっちをこうして……っと。

脳のルナクォーツ。

心臓の魔晶石。

肺の魔晶石。

これでいいな? 空気中のマナを拾って魔力に変換するコンバーターは肺と言えるな。

このコンバーターに"メディテーション"を使用させ、れたのを魔力に変換する。このコンバータはジェネレーターの心臓に繋げると。

これで力源はいいだろう。

関節や耳や聲帯は魔法が用意してくれるようなので不要。

用意する必要があるのは目か……。これも寶石だ。となるとルナクォーツだな。

組み込む式はどうするかな……?

この目が結構曲者というか、やばい。魔眼にできてしまう。まあ、定著が相當大変だが。

普通の人類の持つ目なら簡単。だが、何かしらの能力を持った魔眼にする場合、能と比例して魔法陣が細かく、複雑になり定著が難しい。かなりの集中力と魔力作能力が必要になる。

1番需要がありそうなのが、《鑑定の魔眼》や《分析の魔眼》じゃないだろうか? この魔眼を持ったオートマタを連れておけば、毒殺などのリスクを下げられる。

あ、流石に私の持っている《森羅の魔眼》とか言うふざけた魔眼はありませんでした。これ、全部の魔眼の効果を使用できるので私専用です。

こんな魔眼持ってるオートマタとかヤバすぎるからね。確実に戦爭である。

ああ、《真実の魔眼》も無いよ。これは神様専用。《月の魔眼》は月神用だ。

さえあれば、複數の魔眼にすることは可能だ。者次第だな。

《竜眼》

    竜の眼。上位竜が持つ魔眼の一種。魔力の流れを見ることができる。千里眼、恐怖。

《解析の魔眼》

    《鑑定》《分析》の両方の効果を持つ魔眼。

《麻痺の魔眼》

    対象を麻痺狀態にする魔眼。

視の魔眼》

    無機を無視し、見ることができる。

しいのはこのぐらいか?

《解析の魔眼》シロニャンや生産ギルドのサブマスが持ってる。あるに越したことはない。

《麻痺の魔眼》は主に捕まえる時用だ。

視の魔眼》は主に監視用。

《竜眼》は魔力の流れ、千里眼、恐怖と3個の混合なので、3個れるよりは効率がいい。

魔力の流れを追えれば々便利だし、千里眼と視能力があれば監視なども楽だ。恐怖は完全におまけだが。

ルナクォーツを持ち、4つの魔眼をれようとすると、1つの魔法陣に統合されかなり細かで複雑な魔法陣へと変化した。

まあ、私的には問題ないので、その統合された魔法陣をルナクォーツへ定著させる。目なのでこれを2個用意する。

一応定著できない場合、片目に2個、もう片目に2個で4つの魔眼ということもできる。その場合片目が潰されたら、當然そちら側の魔眼は使えなくなるが。

髪のは、聖魔糸使おうか。

その場合は単か……赤、青、黃、緑、白、黒か。黒安定か? 黒でいいか。

オスクリタ、よろしく。

大量の黒い聖魔糸を肩ぐらいのセミロングにして完だ。

それでは……。

「"オートマタ"」

魔法を使用すると手のひらに球の立魔法陣が出現した。この魔方陣の出現が魔法の効果だ。

この魔方陣をオートマタ予定の人形のコアにれさせる。

すると魔法陣がコアに移り、変化が起きる。

コアに移った魔法陣からが発生し、人形のを包み込む。

その後、多量の球魔法陣が出現し、左右対稱でに広がっていく。この球魔法陣がそのまま人形の関節の可部分となる。その為、両肩や両肘、手首や足首、手足の指の関節などに定著した。

人形のを包んだは人形の型やサイズを見て、関節となる球の位置を決めたのだ。

部分にも魔法陣が行き、これは聲帯となる。

が消え、コアとジェネレーターとコンバーターに魔力回路がび、コアから中に回路が広がる。

これですべての準備が終わった。

後は製作者にもよるが、コアのっていたの部分を閉じて、完だ。

後は設定したキーワードを言って起するだけ!

「"アクティベート"」

橫にしていた人形がムクッと上半を起こした。

作に問題は?」

「問題ありません。マイスター」

確認するためかした人形がそう答えた。

肩ぐらいの黒い髪に青白い瞳で、パット見12歳ぐらいのだ。

青白い人形の瞳には魔眼である魔法陣が浮かんでいた。ちゃんと瞬きもする。

夜と魔を司る月神の傑作は、よく見ても人にしか見えない。だが、《鑑定》してみると人形だと分かるだろう。

人類の魔眼は魔法陣など無い為、瞳を見ればすぐに分かるのだが。

魔眼持ちじゃなく普通に作った場合、それこそ《鑑定》しないと分からなくなるだろう。

作られた人形は主人の為にき、主人の命令に従う。主人の設定は製作者が可能で、譲渡が可能。

主人の設定をしない限り、製作者が主人とされる。

主人の呼び方などは人形に言えばその呼び方をする。

人形の初期知識は製作者が指定できる。これは"オートマタ"選択時に指定する必要があり、どの知識を持たせるか選択式となっている。

當然起している間の知識は蓄えていく。コアが破損しない限り見たものを忘れる事はない。

よって、子供と同じぐらいの知識にして、子供と一緒に長していくと言うコンセプトでの作製も可能だ。

さて、この子の知識は一番最初だけあって、とりあえず詰め込んでおいたが……作ったは良いが何させようかな?

んー……そうだ、侍にしてしまおう。ベアテにメイド服作ってもらうか。侍にするならもうし大きくするべきだったな。お試しもあって小さいの作ってしまった。ま、いいか。

後問題は名前だ……名前どうしようかな……。

「貴は私の侍とします。名前をあげたいけど、まだ保留ね」

「了解しました」

◇◇◇◇

冒険者ギルド本部で職員會議に混ざる。

「とりあえず、中央4大國にある各ギルドには冒険者ギルド本部の移転を連絡しました。それ以外にはこれから広まっていくと思います」

「ちょいちょい様子見に來てるのがいたわね」

「ああ、そう言えば既に數人の商人が買い取りに來てるがどうする?」

「ダンジョンの特産はまだ放出しないで。今まで通り香辛料は大食堂で使う分はギルドが、それ以外は私が買い取ります。香辛料は貿易に使用するつもりだから、それなりの値で安定して買い取るわ。貿易の話が落ち著いたら商人達に卸してもいいわね」

「先に他國に売り込むんだな? まあ、香辛料は高級品だからダンジョンから安定して採れるのは破格だ」

先に他國、特に中央4大國に売り込む。それだけで小國が羨む大國の後ろ盾の完だ。

『うちではこんな達が特産品です。うちが無くなるとこれらが手にらなくなるよ。取引しよう?』と言うことだな。

心配する所は『殺してでも奪い取る』と言う選択肢だろうが、それはないと言い切れる。

まず一番最初に売り込むのはファーサイスだからだ。あの國にとって香辛料は是非ともしいだろう。そして、この土地のトップである私という存在をよく知っている。

絶対に、確実に『殺してでも奪い取る』という選択肢はファーサイスには無い。國王や宰相、騎士団総隊長などの重鎮、隊長格が猛反対するだろう。きっと小の意見は握り潰すはず。

騎士達は私の事をよく知っているぞ。見た目に反して好戦的だという事をな!

よって、ファーサイスは取引を、貿易をむ。この取引により食の充実に繋がるんだ、喜んでするだろう。こっちの要求は野菜だしな。

そして、その取引によりファーサイスにうちの香辛料が広まれば、立派な後ろ盾の完だ。

うちが戦爭狀態にったら商人の出りが途絶える。わざわざ巻き込まれに行く商人はいまい。

それはつまりファーサイスに香辛料が屆かなくなる。となると出來ない料理が増える。

食べの恨みは恐ろしいと言うよな。

うちに喧嘩売ったらファーサイスも黙っていない訳だ。香辛料が途絶えたら困るし、今まで通りの快適な取引と行かない場合が出てくるのだから。

トップが変われば、取引條件が変わる。『各種香辛料と野菜の取引』と言うファーサイスからしたら超味しい取引條件。

に攜わる誰もが口を揃えて言うだろう『農國から野菜だけなんてあり得ない』と。どう考えてもそれ以上を要求できるのだから。

トップが変わればこの條件は確実に変わる。よって、それはファーサイスからしたら避けたい。

例えファーサイスが私が負けると思って無くても、周囲が『ファーサイスが後ろ盾になった』と思う事が重要なのだ。

つまり、抑止力。

ファーサイスの騎士達の優秀さは割と有名。それもまた抑止力となる。

まあ、それでも喧嘩売ってくるやつはいるんだろうが、無いよりはマシだ。

香辛料の消費は自國とファーサイスが主だろうから、その後商人に卸す予定だ。

そしてこのファーサイスとの取引にマーストを巻き込む。安定した稼ぎになるんだ、乗るだろう。

とは言え、そもそもこの土地は中央4大國の中心だ。我が國への進軍はこの4國の領土を通る必要がある。

許可無しの領土への騎士団の侵は宣戦布告とされても文句は言えん。つまり中央4大國さえ抑えてしまえば、我が土地、國は基本的に安全である。

しかし、他國に迷をかけるつもりはそんな無いので、申請が來たら通して良いと言うつもりだがね。弱者になるつもりなど頭ないわ。

「香辛料は自分達とファーサイスが主になるだろうから、新人冒険者諸君は是非とも香辛料で金稼ぎしてしいものね」

「香辛料を採ってくれば新人冒険者は安定した収になる。そして國対國の取引で國としての利益を得るか……」

「うむ。ファーサイスとの取引はマーストの公認商人を巻き込むつもり。その者に証となる何かを持たせる予定だから、その者には決まった金額幅で。それ以外の商人達にはギルド側が自由にしていいわ」

「固定金額じゃなくて、固定の金額幅なのか?」

「そういった幅が合った方がいいでしょう? 決まった幅なら渉でいかようにも。それで生まれた差額は儲けとなる」

「ほう……。うちでの買い取りの金額幅とファーサイスでの売り値の金額幅は『國の取引』として決っているから、その幅の中でどれ程の儲けを出すかはその商人の腕次第……と」

「そういう事。國としてはその幅で取引してくれるなら問題ない。後は任された商人が好きにしていい」

「そりゃ、商人やる気出そうだな? 國から任されると言う事に加え、その幅なら自由に取引していいとか」

「多の楽しみは與えないとね?」

「はっは、楽しみは必要だな」

そんなこんな話していると。

「ルナ様、々見てほしい者が」

「また何か生まれた?」

「生まれたというか、増えたというか……」

「じゃあ、ちょっと行ってくるわ」

「おう」

グノームに呼ばれて職員會議から撤退し、移する。

やって來た所は神木の近くだった。

「……なるほど、増えた……ね」

「はい」

神木の周囲に沢山の雑草が生えていた。雑草というか森の妖の頭……髪? だが。

神木の本には、頭に花をつけた子が寄りかかり座っていた。

座ってるのは一番最初に生まれた、私が引っこ抜いた子だな。1人生まれたからワラワラ生まれたのか。この子達に発されて他の妖種も生まれれば良いんだが、こればっかりは分からんか。

まあ、森の妖には木の管理を頼みたいんだ。

グノームは土の加護で無理やりやってるだけだからな。

森の妖ドライアドと土の妖ノッカー、花の妖ピクシーの3種に手を貸してもらいたいところだ。これに霊の加護が加われば完璧だ。

土地の中にいることを許し、安全を保証する。代わりに木々をよろしく!

と言うことをドライアドに伝えると、良いけど神木周辺に住みたいとのこと。

まあ、つまり土地の中央、私の家の裏庭だな。……まあ、良いとしようか。森の妖神木の害となることはまず無いしな。

リーダー的な一番最初に生まれた子とそんな話をしている間、グノームはツルハシでコンコン地面を叩いていた。

それにより神木周辺にいた森の妖達がみるみる育ち、モコモコ土から出てきた。

わらわら出てきた奴らをリーダーが集め、私との會話の容を伝えるとぞろぞろと神木を囲い始めた。

何事だ? と眺めていたら、森の妖達が踴りながら神木の周囲を周り始めた。なんの儀式だ?

一応ある男ごちゃ混ぜで踴りながら回っている森の妖達。その間リーダーはと言うと、神木をペタペタしていた。

そのペタペタしていたリーダーが突然「撤退!」と聲を上げたと思ったら、踴ってた奴らが踴りを止め広がり、神木を眺め始めた。

すると、神木が突如はじめ、ったまま急激に長し始めた。目に見えてびていくのだ。

「ちょ」

ぐんぐん天高く、太く巨大化していく神木を眺めつつ。

「中央の結界はマナ関係だから良いとして……城壁の"マナシールド"停止させた方が良いか……」

じゃないと結界に阻まれ真っ直ぐびない。急いで城壁の"マナシールド"を停止し、とりあえず神木を見守る事にする。どこまででかくなるんだ?

加護が途切れないようにグノームだけじゃなく、他の霊達も集まってきたし。

神木はが収まると同時に長が止まった。

結局見上げるどころか、ファーサイスとかからも見えるレベルの巨大樹と化し、ゲームとかアニメで出てくる世界樹の様になっていた。

《鑑定》によると神霊樹と言うものになったようだぞ?

神霊樹の葉は《調合》で魔法薬に。

神霊樹の枝は優れた魔法……杖になりそうだな。

うーん、より幻想的になりましたねぇ……。大きくなった影響で神木から出る魔力が格段に増えたし、範囲も広がった。

デメリットとしては結界どうしようこれ……。ドーム型じゃなくて円柱型にするしか無いか。書き換えるとしますかね……。

神木が大きくなった事により、神木からのマナを散らす必要が無くなったのは良いことだ。

特異點からのマナを調整するだけでいいな。

森の妖達は満足したのかわらわらと散っていき、土地の中に生えている他の木々をペタペタしていた。

結界を書き換えてから張り直した後に聞いた話によると、神木がんでいたらしい。

森の妖は植の聲が聞こえると言うか、みが分かると言うか、そういう能力の様で。

よって、神木に力を貸した結果がああなったとの事。

元の土地では富な加護は無いし、富なマナも無く、土地の栄養もいまいちだった。でも、この場所に移したことにより、富すぎる加護、特異點による大量のマナ、優れた土地の栄養が全て揃った為、今までの分巨大化した様だ。

流石に私も植は専門外なので、任せようと思う。私は自然を司る神ではない。

種だし悪い事にはならんだろう。自然破壊しようもんなら存在意義を問われるからな。

突如木がりながら巨大化するという、ある意味大事件があったが、害はないのでスルー。

それよりも城壁が発生させている"マナシールド"の再調整が必要になったことの方が重要だった。

ドーム型から円柱型へと変更しただけだが。

その後、神木が神霊樹と言う木になった影響かは知らんが、湖の方に水の妖ニクシーが誕生。

土の妖ノッカーも誕生した。後は花の妖ピクシーを待つばかりだ。

種のサイズはどれも30センチが平均で、個差がある。

森の妖ドライアドは頭に葉っぱと花が咲いていたり、蕾だったり。男比5:5程。

水の妖ニクシーは水そのが人の形を取っている。男比4:6程。

土の妖ノッカーはランタンとツルハシを持った炭鉱夫の様な格好をしている。男比6:4程。

他の妖種はまだ見かけていない。

ドライアドは神木周辺に住み著いた。ニクシーは當然南東にある湖に。ノッカーはそれぞれが気にった所に住み著いた様だ。

ドライアドは木々の管理を。ニクシーは水の質管理を。ノッカーは木々に合わせた土の管理を頼んでおいた。

霊達の加護と妖種の力はちょっとだけ効果が違うのだ。

霊の加護は魔法的な効果を持ち、妖種の力は理的だ。

霊の加護をけた普通の水を飲むと味しくじ、力が満ちる。

種の力は水を水にしたり、水にしたり。天然水だったり泥水だったり、冷たかったりお湯だったりすることが可能だ。

前世で例えると家で飲む水道水が極普通の水。

霊や妖の力をけたのが、天然水などを購したちょっと贅沢な水。

霊と妖両方の力を得たのが、天然水を常に直飲みする様なか。

うん、水で例えると微妙だな。いまいちありがたみがない。

《生活魔法》の飲水を出す"ウォーター"と言う魔法がある。これは冒険者から主婦まで幅広く使用される魔法だ。料理などにも使われ、人々が1番口にする水だと言えるだろう。

しかし、うちの湧き水は天然水だ。それにニクシーが住み著き、ウンディーネ含め水の霊達も良く遊んでいる我が土地の湖。

飲み比べたらもう"ウォーター"には戻れない。それが水道から出るんだから素晴らしい。

ちなみに、ファーサイスの方に流れていく水は、変化無いようだ。流れている途中でニクシーの力が失われるんだろう。こればっかりは水だからしょうがない。

早く花の妖生まれないかなー? 楽しみでならない。

霊達の加護と水、土、花、森の妖が揃った環境での果実食べてみたい……。

という事で、裏庭の一部を花畑にしました。生まれることを祈って。

◇◇◇◇

『あー、私だ聞こえてるか?』

『ええ、聞こえているわ』

『そうか、こちらの準備は整ったぞ。何時頃にする?』

冒険者ギルド本部がだいぶ落ち著いたようだし、ファーサイスに正式な外として行くと連絡をれておいたんだよね。

その際本部のギルマスに渡していたシロニャン人形を渡してきたのだ。

『そうね……では8時頃でいいかしら?』

『ああ、問題ない』

『それじゃあその時間に』

『ああ、分かった』

大人モードで行くか? それとも翼を出しておくかな?

國のトップとなるからには、そこにいるだけでも目を引く、存在や迫力と言うはどうしても必要だよねー。

一応デフォルトはちんまい方だから……翼出して、軽く気配を変えるだけでいいかな?

それが1番楽か。

さて、時間までにやっておくことは―――。

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