《転生先は現人神の神様》51 アクロポリスの発展と不穏な気配
と、その前にちょっとお城行くかね。
「おや、ルナフェリア陛下」
「この馬車王族に渡してくれる?」
「こちらをですか?」
「妾がベリアドース行くのに作ったが、使うこと無さそうでね……。という事で差しれ。中は綺麗にしてあるから好きにしてちょうだい」
「分かりました。伝えておきます」
「よろしくー」
という事で、例の馬車をプレゼント。
転移した方が早いし、飛んだほうが楽しい。よって、不要……。有効活用してもらいましょう。
さて、船で帰るか。
「あそこに停めて」
「は、はい」
アクロポリス南東にある湖の一部へと船を停めさせ、降りる。
まあ、途中でふっ飛ばしてきたんだけどね。だって、流石に數日はかかる距離だし……。
それでも船はだいぶ早い方だな。
「いやぁ、快適でしたね……。ここがアトランティス帝國の帝都、アクロポリス……と言いましたか。素晴らしいですね」
船の想を言いつつ降りて、キョロキョロと當たりを見渡すバルツァー商會の長、デニス。
その後ろを同じようにキョロキョロと降りてきた船の擔當者。
「妾の庭へようこそ。アトランティス魔導帝國でも霊帝國でも呼び方は好きに。都の方は個人的に神都アクロポリスと言っている」
「ふむ、神都ですか……」
「まあ、妾にとっては庭でしか無いからなんでもいいのだが……店はこっちよ」
ちなみに、店に行く前に水の妖ニクシーを見せておいた。2人共ファーサイスの人間だ。そのうち向こうでも見かける時が來るかもしれないからな。
「店はこれを使いなさい」
「「おぉ……!」」
「妾の家はあれ、冒険者ギルド本部はあれよ」
「え……あれ……ギルド本部ですか?」
「そう、あれ。中にダンジョンへのり口があるのよ。中は屋敷だから職員の部屋と冒険者達の宿も兼ねてるわね」
「ふむ……では、香辛料はあちらで?」
「ええ、店の部を軽く見せたらギルドに行くわよ」
「了解しました」
基本的にお店はファーサイスにある本店と同じ仕様だ。多サイズが変わっており、私のを置いておくスペースが1階に用意されており、倉庫スペースがあるぐらいだ。
『ルナ印』と言う文字の書かれた、例の神と霊の看板がぶら下げられており、魔導技できっちり防犯仕様になっている。
後は倉庫スペースを教えておいて、案は終わりだ。
「ふむ? このスペース何か変では……?」
「フフフフ」
「……?」
「魔導倉庫と言えるわね。空間拡張魔法を使用した特別仕様。その違和は外見と部の広さが一致していないからでしょう。外見に比べ広くなっているのよ」
「で、ではまさかあの船も……」
「ええ、ばっちり大きいわよ。案する時妙に歩いたでしょう」
「はー……確かに……」
「さあ、ギルド行くわよ」
店舗の案を終え、冒険者ギルド本部へと向かう。
すっかり開け放たれた両開きの扉を潛り、ギルドへとる。
ギルドの付の中でも、ダンジョン関係の付の方へと向かい、そこでギルド職員と商會長を引き合わせる。後はもう、勝手にやるだろう。
「ルナ様ー」
「どうしたの、シルヴェストル」
「ピクシー生まれたよ?」
「ほう、ほうほう。行くわよ」
「ほいー」
職員と商會長に一言言ってから花の妖、ピクシーに會いに行く。
ピクシーが生まれないかと花を植えまくった花畑へとやってくると、30センチ程でトンボの羽を持ち、花飾りを付けた子と、花冠を付けた子が飛んでいた。
花冠は1人だけ、花飾りが複數いることから、花冠は王かなんかだろう。
早速渉だ!
とは言っても、他の妖達と條件は同じだが。
花の妖にはこの土地で咲く花の管理をして貰う。
「ここの花畑は好きにしていいから、果樹をお願いね?」
「任せてー!」
「貴方達も食べていいけど、霊と他の妖達と取り合わない事」
「んー……取り合いにはならないと思う。すぐ実をつけるだろうから」
「ふむ、それは安心ね。じゃあよろしく。何かあったら言いなさい」
「はーい」
早速花冠の子の指示により散っていったピクシーを見送る。
フフフフ、楽しみですねぇ……。
見送った後ギルド本部へと帰ると、職員と商會長が白熱していた。
『いやいや! そっちがそれならこっちはこのぐらいにしてくれませんと!』
『ではこれはどうです? こっちよりは使い勝手がいいですよ!』
『むむむ……』
ギルド職員、なかなかやるな? ファーサイスの1,2を爭う大商會長相手に頑張るな。
そう言えば香辛料だが、冒険者達が採ってきたそれを加工する必要がある。それに関してはギルド職員や主婦達と試行錯誤し、やり方が分かった後私が魔法裝置を作り、解決している。
會議室の1部屋が加工場と化したが。保存の容も私が作り、酸化や風味が飛ぶのを防いでいる。
公認商人には同じ保存用の容を渡しているが、売る時はそこから移し替える事になっている。
しっかり『ルナ印』のシンボルがれられた容だ。
『ルナ印』は翼を広げ手を差しべる神と、その周囲を漂う霊達の奴だな。一番最初に作っただ。國璽やら貿易のマークが違うのになったからな。
白熱していた取引が一段落したようで、何故か握手していた。なんか芽生えちゃったようだな。
「息子の修行にここは使えそうですな、はっはっは」
まあ、確かに上限は一応決っているからな。下手しても傷は淺いだろう。
その後、早速仕れた香辛料を持ち、船でファーサイスへと帰っていった。すぐに品と人を乗せてまた來るそうだ。好きに商売してくれたまえ。
さて、次は何をしようか?
人が増えてきたし、生産ギルドでも呼ぶか? 最初そのうち勝手に來るだろとか思ってたけど、割と最初の方から無いと建建てたりとかで、割りと困ることに気づいた。
職人達の斡旋所だしな、生産ギルドって。
セザール君に話持ってこうかねぇ? 建は既に用意してあるわけだし。
まあ、ギルド員だろうが同意できない者はれないけどな。
やれやれ、忙しいですねぇ……。
◇◇ファーサイス王城・執務室◇◇
部屋の中には2人の男がおり、1人は機に向かい、もう1人は手持ちの紙を見ている。
ファーサイス國王と宰相だ。
そこへトントントントンと正面の扉からではなく、上から聞こえた。
「れ」
國王がそう言うと、上から1人の細の男が降りてきて綺麗に著地し、綺麗な禮を。
ファーサイスの暗部……主に報を扱う者達の纏め役だ。
その男は非常に微妙な表をしていた。
「至急お耳にれたいことがございます」
「どうした?」
とても嫌な予がしても國王は聞かねばならない。宰相もいるのである意味丁度いい。
そして、聞いたことはやはり碌でもなかった。
「むぅ……」
「國の特定はできましたか?」
「目をつけてはいますが、確信がまだ」
「どこだ?」
「法國……の東にある屬國です」
「と言うと……あそこか」
「まあ、納得ですね」
アエストをそのまま西に向かうと別の國が存在する。そこが法國の屬國となっている國だ。
それまでの道は周囲を山と森に囲まれ、一本道狀態となっている。
「法國は……野心家だが、屬國の方はどうだったか?」
「あそこも野心家です。しかも見下すタイプの」
「「……はぁ」」
暗部……報部の報告では、アエストで近いうちに一悶著ありそうだということ。
そして、その一悶著に他國の介が考えられるとのこと。
それが西側にある法國の屬國が怪しいと。
何が問題かというと、アエストには學園があり、そこには複數の他國民がいることだ。
ファーサイスの3番目の子、ハンネス第2王子もいるため非常に面倒だ。
「アエストはここ數年バタバタしてたな?」
「してましたね。それが他國のちょっかいだとすると……」
「ああ、面倒だ……」
國王、宰相2人して頭を抱えていた。
その時、再び上からノックの音がした。
まず下に降りていた暗部の者が上に戻り、話を聞いて下に戻ってくるのだが……。
「だ……ひ…………き…………っ!」
などと、上から微かに聞こえてくる。
普段絶対に聲がれて聞こえるなんて失態を曬さない者達が、である。
それを聞いた國王と宰相は更に嫌な顔をしていた。
失態に怒っている訳では無い。それだけの何かを仕れたのだ。碌な事じゃない。
再び先程の男が降りてきて、國王と宰相に伝える。
「ダンサウェストの騎士達が怪しいきをしているとの事です」
「「…………」」
聞いた2人はすぐに思考にる。
ファーサイスに攻めてくる? なんてことはないだろう……となると考えられる事は……。
「屬國の方はどうなっている?」
「3日前は特にきはなかったかと。とりあえず既に再調査に行かせましたが……」
と言う途中でピクッと片眉がき、懐に手をれ紙をチャックし始めた。
何枚かペラペラと見た後、口を開く。
「やはりこれは……」
「何か分かったか?」
「屬國の方ですが、半年以上前からしずつ増えているのですよ。騎士やら食糧が。それと同時に屬國とダンサウェストへの商人の行き來も増えている様な気がするという報告がありましたね」
「大國を屬國にしようとでも? 確かにアエストは武力が低いが……」
「最近は部も安定してませんからねぇ……」
「それすらも仕込まれている可能があると。もしくは貴族に裏切り者か」
「恐らく後者かと思われます」
「……はぁ。とりあえずやれるだけの対策はとる。引き続き頼む」
「はっ」
男が再び上に消えた。
その後、総隊長を呼び作戦會議である。
「とりあえず、ハンネスの迎えに鋭を。それと西の領地の防をこっそり固めておけ」
「畏まりました。できればブリュンヒルデかディートリンデ、どちらかお借りしたく」
「ふむ……確かにな……」
「逃げる事を考えると……ディートリンデですか」
「いえ、最悪の場合を考えるとブリュンヒルデですね……。抱えて走る可能も……」
「戦かつ馬ですか……」
「戦闘が予想されるとなると、侍も戦えた方がいいでしょうからね。そこは向こうに任せて……近衛も上の方で固めましょうか……々ダンサウェストの方が心配ではありますが……」
「行く時にアトランティス経由ではなく、ダンサウェスト経由で行きますか? 今までのルートですし、迎えを襲うなんて事は無いでしょう。通る際にある程度報収集できれば……」
「そうですね、それはありかと思われます。この國に喧嘩売ることは無いでしょう」
「そう……だな。ハンネスも乗っていない迎えを襲う事は無いだろう」
「微妙に隔離狀態の學園をわざわざ襲うことは無いでしょう……。敵が多くなりすぎる」
「帰りはアトランティスでも通ってこさせろ。々安心だし早いからな」
「畏まりました。最悪アトランティスに逃げ込ませますが、宜しいですか?」
「……構わん。そうなったら我が頭でも下げるさ」
「……では、すぐに行にります」
「ああ、頼んだぞ」
総隊長が部屋から出ていった。
「さて、どうなることやら……」
◇◇◇◇
ふぅむ……これはこれは、素晴らしいですね。
これがまあ、普通の、産地で出回っているパイナップル。
アナナスの実 レア
品質:一般 狀態:通常
アナナスになる大きな実。
食べ過ぎると人によって口が荒れる。
そしてこれが、アトランティスで最初の方に採れたパイナップル。
霊の雫 ファントム
品質:高級 狀態:新鮮
聖域になるアナナスの実。
口にした者に至福のひと時を與える果実。
そしてこっちが、アトランティスで今採れるパイナップル。
神の雫 レジェンド
品質:最高級 狀態:新鮮
神域になる大きなアナナスの実。
口にした者を天上へとう甘な果実。
予想通りアイテム名が変わったんですよ。
果実はどれもレアに該當。聖域で採れる果実はファントム。神域はレジェンドのようだ。
聖域と神域の果実は名前やレア度が一緒の様で、説明文の一番最初がによって違う。
という訳で、採れる果実は全て神の雫になりました。
そんで説明文を見る限り、神域になっているようだ。神都アクロポリスが噓じゃなくなったな。
「うんめー。シルヴェストル、メロン1個持ってきて」
「えー」
果実をパクパクしてるから行きたくないんだろうが……。
「お供えにするから」
「へーい」
速攻でいなくなって、メロンを掲げで帰ってきた。
例の創造神様がこたつでだらけてる奴を取り出し、こたつの上に置くと転送されていった。
『おお? メロン……だ? へぇ、こんなんなるんだ』
『霊達と水、土、森、花の妖が揃ったんですよ。そうなりました』
『おお、味しい。これはいいわー。恐らく自然神が育てたやつの1個下ね』
『自然を司る神ですか』
『そっちにはいないし、これが最高でしょうね。うま』
『これから送るのはそれになるんで』
『よろしくー』
さて、これを売ることになるわけだが……わけだが……いくらになるやら。
とりあえずバルツァー商會の商會長に食わせてくるか。ペルシアでいいな。
えーっと……ああ、こっちの店にいるようだな。
「ああ、陛下。商會長ですか?」
「ええ、呼んでくれる?」
「分かりました」
店員に商會長を呼んでもらい、出てきた商會長に早速神の雫・ペルシアを食べてもらう。
おっと? フリーズしたぞ。大丈夫か? 渡らないでーその橋はー。
「ハッ!」
お、帰ってきたか。ってもう一口食べてまた旅立ったわ。
今のうちに魔道でも作っておくか。あると便利だろうし。
板狀で上に載せたに《解析》をする魔道。うちの果実は名前がもう違うからすぐ分かるだろう。これをそうだな……複數用意しておくか。ギルドに預けてもいいかもしれんな。
真ん中にデカデカとルナ印をれておこう。
マナタイトクォーツでできた魔道と、各種果実數個を復活した商會長に渡す。
果実は狀態保存の魔道……"ストレージ"の応用品に1個ずつれてあり、展示品の様になっている。これもポップアップで鑑定結果が表示されている。
「おお、これは便利ですぞ……」
「魔眼持ちの人がいたけど、全員に見えた方がいい場合もあるでしょう。そんな時に使ってちょうだい」
後はギルドに回そうかね。生産ギルドにまず渡して、そこから各ギルドがいいかな? ギルドの數と予備で數個用意しておくかね。
うちにあるギルドには直接渡せばいいので……冒険者ギルド用はこっちでやるか。商業ギルドと生産ギルドの分は生産ギルドの方に任せるとしよう。
ついでに生産ギルド勧してくるかな。手土産にこの魔道を渡してやろう。
「じゃあ、生産ギルド本部の方にこの魔道提供してくるから、後は任せたわ」
「お任せを」
魔道の作製はすぐできるとしても、生産ギルドの勧か。うちに來る者もじわじわ増えてるし、しばらくは忙しそうだな……。
冒険者ギルド本部とダンジョン目當てに冒険者達がぞろぞろ來ているのだが、治安の問題もあるな……。今のところは初期メンバーが抑えているようだが……対策が必要か。まあ、各地に配置された召喚騎士(ハリセン裝備)にしばき倒されているのもいるようだが。いい音するんだあれ。
それ程痛くはないが、『スパーン!』と言ういい音がなり、なんとも言えない気持ちにされる。挙句に持っているのがSランク召喚騎士な為、ハリセン相手に手も足も出ずしばき倒される。
それを周りの同業者にばっちり見られるんだ、さぞかし咽び泣く事だろう。
我が土地……まあ、アクロポリスだな。現狀冒険者8割の商人2割と言ったところだろうか。
間者は數にれていない。微妙にいる住人も冒険者関係だ。ギルド本部の職員のだな。
現狀人々は東側に集中している。ギルド関係が北東、商人達が南東だ。
妖種をれるならこいつらが1番多いか。妖達は好きにしている。ニクシーは南東の湖に集まっているが。
冒険者ギルド本部が結構な容量あるので、冒険者達のけれは十分そうだ。冒険者ギルドと宿を分けた方が良さそうだろうか? 現狀ギルド職員が擔當しているが、辛そうではある。
生産ギルドを呼んだら家なり店なりが立つだろうが……。
うむ、やはり圧倒的に人手が足りんな。私が今何人に分裂してると思ってるんだか。やれやれ。
信用できそうな者を探さねばならんか? いや、手間がかからなそうな奴と言った方が良いか。不正しているかどうかは魔眼で分かるしな。手間がかからず普通に、極普通に仕事をこなしてくれるだけでいいんだが。
◇◇◇◇
さて、そろそろ後回しにしていた事を済ませようかね?
それは……冒険者ランクの話である。それどころじゃなかったし? とは言え、SSSランクになったところでこちらが冒険者活どころではないのだが。
「やあマスター。悪いわね」
「いやいや、丁度良かったぞ。先延ばしにしてたSSSランクに関して職員會議もしておいたんだ。人手不足で忙しいのは相変わらずだが、一応狀況的には落ち著いたからな」
「ふむ、こっちもそれを聞きに來たから丁度いいわ。人手不足に関しは現狀どうしようもないのよねぇ……」
「普通なら雇えばいいんだが、そもそも人がいないからなぁ。どっからか攫ってくる訳にもいかんし。まあ、職員會議の結果SSSランクにすると言う事になった。……ちなみに、今回のゴタゴタに関しての謝も微妙にっている」
「あら、それは贔屓にはならないの?」
「正確に言うと『今回のゴタゴタに関する処理能力などが評価にった』という事だな。謝している事は事実だが、『ありがとう! お禮にSSSランクにしてやろう』とはならんし、できんよ」
「ふむ……」
「戦闘能力に関しては問題ないと判斷されている。となると後は『人柄やら様々な事に関する処理能力』が必要で、『人々の上に立つ人間であるか』と言う部分もSランク以上は必要だ。SSとSSSのランクアップ條件は細かく決めていない……と言うか、決められないな」
「同ランクを倒すだけの強さは最低限必須。とは言え魔は基本1PTで対処するのが基本だが、Sランクの數がなく、基本的にソロ活をしている。更にSランク指定以上の魔は災厄扱いだし、しょっちゅう來られても困る訳で……。そんな様々な意味でSランク以上になる様な狀況にならないと」
「うむ……。Sランクは先輩Sランクとの模擬戦とギルドからの指定依頼で強さを、それ以外は普段から見ているわけだ。そしてSSSが生まれるというわけだから……」
「妾に試験的な事をしろと?」
「SSとSSSの試験をやってもらえると助かるが、的なラインが無いからなぁ。時間も無いだろう? それに陛下を戦わせるのはどうなんだ……?」
「それは今更でしょう。時間は分自でどうにでもなるから問題は無いし、これでも模擬戦は良くするから心配いらないわね。ただ『討伐推奨ランクの魔を倒せることが前提』よね?」
「戦闘能力的にはそうなってるな」
「魔の推奨ランクって1PT……4から6人で當たるのが基本だったはずだけど、Sランク以上ってどうするの?」
「うん、まだ決めてない」
「……まあ模擬戦するのは構わないし、Sランク數人のPTが相手でも別に良いわ。決まったら言って」
「Sランク數人同時に相手するのか!?」
「逆に相手できないとSSSとしては不足じゃない? SSSと言えば竜種でしょう?」
「……それもそうか。と言うか正直そのルールで言うならSSS超えてるよな? 純正竜ソロ討伐とか」
「EXかなんかでも作ったら? まあ、その辺りはどうでもいいから任せるけれど、これでも忙しいから変な制約付けられると邪魔なんだけれど?」
「そこは心配いらん。帝と言う立場を優先して貰って構わない。Sとかそれ以下でもできるような指名依頼はこっちで不適切として遮斷させてもらうつもりだ。いっそ新しいの作って名譽なんたらにでもするか? ……その方向で會議してみるか」
再びSSSが保留になった。まあ、今まで誰もいなかったんだし、仕方ないと言えば仕方ない。
と言うか、だいたい私の立場……帝というが原因でもありそうだが。
これに関しては別に急ぎでもないし良しとしよう。
◇◇◇◇
「ルナ様ー」
「どうしたの、グラース」
「湖一部凍らせていい?」
「あー……いいわよ」
「わーい」
グラースは氷の霊だからな、水でも問題はないが氷の方がいいか。
水の霊も妖も氷があった所で問題はないし、大丈夫だろう。
「マイスター、お客様です」
……やっぱり対応するの私ですよね。やれやれ……。
私の作った自人形オートマタに連れられて一応正面玄関の方へと向かう。
私が基本いるのは裏庭の花畑や神霊樹のある場所だ。家? ジェシカとエブリンが使ってるよ。
ああ、そう言えば書類仕事をしている分が家に缶詰狀態だから、一応使っているな。部屋から出てないどころか椅子から立ってないけど。
気分転換やらなんやらは本含め他の分がしているからな……。
まあ、それはともかくお客さんだ。
魔眼で來る前から知ってはいたが、やっぱこっち來るよねー。
ここに住むからには私の許可が必要だし。そのうち役所でも作ろうかねぇ? 正直面倒だし。
正面玄関には1人のギルド職員と、獣人……狼系統の40代ほどのと男がいた。
「ああ、陛下。こちらの方が用だそうで」
「て、天使!?」
ギルド職員は既に私の姿は見慣れている。
しかし、見慣れていない獣人の男はびっくりしているようだ。天使の翼とは全然違うのだが……天使系はなかなか見ることは無いだろうから、分からんだろう。
「冒険者からここの話を聞いて、引っ越し検証に來たらしいですよ?」
「そう。決まりを守るなら別に爵位持ちの魔だろうが構わないわ」
「だそうですよ?」
ギルド職員とそんな會話をわした後、獣人の方を見ると未だに混中だった。
やはりこの翼はインパクトが強いらしい。だが消さない。
混中の獣人は放っておいて、ギルド職員と會話を進める。
「引っ越し検証って家族? それとも村単位とか?」
「村単位らしいですよ? 西からの難民というかなんというか……」
ギルド職員は言いづらそうにしているが、私には無駄である。
この世界は一応陸続きで、私のいる場所が中央大陸。マーストから東が東大陸で、アエストから西が西大陸と言われている。
東側と言えば東大陸、西側と言えば西大陸、そしてここが中央と言われる。
中央には4大國と言われるテクノス、マースト、アエスト、ファーサイスがあり、それらのど真ん中に我が國、アトランティスが存在する。
東側は冒険者ギルド本部があったベリアドース大國があり、小國が立。小國はしょっちゅうどつきあっている。
西側はアクウェス法國があり、小國が複數存在する。こちらは東側と違い、比較的安定しておりどつきあいはしていないが、法國が中心となっている為人種差別が酷い。人間至上主義だ。他の種族は迫害されたり、奴隷だったり。
比較的平和に暮らすなら中央、大ドンパチしてるのが東だ。西は『人間』にとっては良い所。
村だったり小國だったりを作っている種族も存在するが、人間の國が多いのが現狀である。
この獣人はそんな西から逃げ込んできた訳だな。
獣人の國もあることにはあるが、西側でドンパチ筆頭だからな、あそこ。
んまあ、來た理由がなんであれ普通に住む分には構わないが。
お、復活したようだな。代表で來てるわけだし、いつまでも話をしない訳にもいかんだろうしな。
「この國は人間以外もけれ、人間と同じように暮らせると聞いたのですが……」
「アクロポリスにる時にルールが頭にったでしょう? それを守るのなら種族なんかなんでも良いわ。人間だ、エルフだ、ドワーフだ、そんなの些細なことよ」
「おぉ……! 住む所や食事などもですか?」
「住む場所は種族で分ける場合もあるわね。食事に関しては食べたいものを買うなり作ればいい」
「住む場所分けるのですか……?」
「分ける必要のある種族は分ける。的には亜人と言われる者達ね。貴方達獣人には関係ないでしょう。鼻がいいから分けた方がいい気もするけれど」
「おぉ……亜人もけれるのですか。確かに彼らは特殊ですからね……我々と同じでは不便ですか」
「まあ、そもそも差別する者はれないし、叩き出すけどね。邪魔だし」
「ふむ……」
「る際のあのルールを守るなら私は特に何か言うつもりはない。ただ、見ての通り現狀住むなら家を作る必要がある。まだ冒険者ギルド空いてるわよね?」
私もある程度把握はしているが、ギルド職員がいるわけだし一応確認しておこう。
「まだまだ部屋の空きはありますよ。と言うか現狀職員用の2階がほぼスカスカですからねぇ。移ってくるのは100人とかいませんよね?」
「そんなにいません。60人ちょっとです」
「なら余裕ですね」
うむ、やはり余裕か。
住む所はとりあえずいい。食事は村なら狩りできる者がいるだろうし……狼の獣人なら香辛料ぐらい取りに行けるだろう。食事も問題なし。著るものも切羽詰まっては無いだろうし……そうなると……。
「問題はお金ね。つまり職か……。ふぅむ……」
正直私達の住む場所と、ギルド本部、後はバルツァー商會ぐらいしかマトモながないのよな。
うん、生産ギルド呼んでこよう。そうすれば自然と雇用が生まれるだろう……。
狼の獣人だしかす労働の方がいいだろうしな。違うなら冒険者ギルド本部が拾うだろ。人足りねぇ言ってるし。
まあ、許可するから頑張れ。
人間以外の種族がぞろぞろ來そうだなーとは思ってはいたが、早速來たな。
西から來たって冒険者ギルドのネットワーク割りと侮れんな。と言うか距離的によく來たな?
それなりに距離あるんだが……。獣人の能力の問題か、はたまたそれだけ切羽詰まっているのか……。んー……両方か? 命に関わる程ではないが……移住先があるならさっさとするレベルか。
大々的には発表してないが、もう十分話は広がったと見るべきだな。
となると……忙しくなるのはこれからか……。
やれやれだ。
- 連載中411 章
貓《キャット》と呼ばれた男 【書籍化】
マート、貓《キャット》という異名を持つ彼は剣の腕はたいしたことがないものの、貓のような目と、身軽な體軀という冒険者として恵まれた特徴を持っていた。 それを生かして、冒険者として楽しく暮らしていた彼は、冒険者ギルドで入手したステータスカードで前世の記憶とそれに伴う驚愕の事実を知る。 これは人間ではない能力を得た男が様々な騒動に巻き込まれていく話。 2021年8月3日 一迅社さんより刊行されました。 お買い上げいただいた皆様、ありがとうございます。 最寄りの書店で見つからなかった方はアマゾンなど複數のサイトでも販売されておりますので、お手數ですがよろしくお願いします。 貓と呼ばれた男で検索していただければ出てくるかと思います。 書評家になろうチャンネル occchi様が本作の書評動畫を作ってくださっています。 https://youtube.com/watch?v=Nm8RsR2DsBE ありがとうございます。 わー照れちゃいますね。
8 54 - 連載中233 章
【書籍化】宮廷魔導師、追放される ~無能だと追い出された最巧の魔導師は、部下を引き連れて冒険者クランを始めるようです~【コミカライズ】
東部天領であるバルクスで魔物の討伐に明け暮れ、防衛任務を粛々とこなしていた宮廷魔導師アルノード。 彼の地味な功績はデザント王國では認められず、最強の魔導師である『七師』としての責務を果たしていないと、國外追放を言い渡されてしまう。 アルノードは同じく不遇を強いられてきた部下を引き連れ、冒険者でも始めようかと隣國リンブルへ向かうことにした。 だがどうやらリンブルでは、アルノードは超がつくほどの有名人だったらしく……? そしてアルノードが抜けた穴は大きく、デザント王國はその空いた穴を埋めるために徐々に疲弊していく……。 4/27日間ハイファンタジー1位、日間総合4位! 4/28日間総合3位! 4/30日間総合2位! 5/1週間ハイファンタジー1位!週間総合3位! 5/2週間総合2位! 5/9月間ハイファンタジー3位!月間総合8位! 5/10月間総合6位! 5/11月間総合5位! 5/14月間ハイファンタジー2位!月間総合4位! 5/15月間ハイファンタジー1位!月間総合3位! 5/17四半期ハイファンタジー3位!月間総合2位! 皆様の応援のおかげで、書籍化&コミカライズが決定しました! 本當にありがとうございます!
8 87 - 連載中581 章
化け物になろうオンライン~暴食吸血姫の食レポ日記~
何でもおいしくいただきましょう! それを信條にしている主人公はVRの世界に突撃する。 その名も化け物になろうオンライン。 文字通りプレイヤーは怪物となり、數多くのデメリットを抱えながらも冒険を楽しむゲーム……のはずが、主人公フィリアはひたすら食い倒れする。 キャラメイクも食事に全振り、何をするにも食事、リアルでもしっかり食べるけどバーチャルではもっと食べる! 時にはNPCもPCも食べる! 食べられないはずの物體も食べてデスペナを受ける! さぁ、食い倒れの始まりだ。
8 189 - 連載中140 章
妹はこの世界でただ一人の味方
小學六年生のとき霧崎 學の父が病気で他界する。その時の再婚相手である女は子供を置いて失蹤した。義理の妹である霧崎 結衣と父が殘した莫大な遺産で生活を送っていたはずだった。 お互いの考えを知った時二人の生活は180度変わる。 文章は下手くそです。長い目で見てくれると助かります(長い目で見てもらったところで何も成長しなかった男) ちゃんと両立出來てる人もいますが學生なので更新頻度は不定期です。ごめんなさい。 コメントを頂ければ基本的に返信します。どんどん送ってください。あ、コメント數見れば分かると思いますがちょっと異常な數字です。見つけるのに時間がかかる場合もあるので人によっては時間がかかってしまうかもしれません。 キャラぶれぶれ・・・。
8 187 - 連載中20 章
クリフエッジシリーズ第四部:「激闘! ラスール軍港」
第1回HJネット小説大賞1次通過、第2回モーニングスター大賞 1次社長賞受賞作品の続編‼️ 宇宙暦四五一八年九月。 自由星系國家連合のヤシマに対して行われたゾンファ共和國の軍事行動は、アルビオン王國により失敗に終わった。クリフォードは砲艦の畫期的な運用方法を提案し、更に自らも戦場で活躍する。 しかし、彼が指揮する砲艦レディバードは會戦の最終盤、敵駆逐艦との激しい戦闘で大きな損傷を受け沈んだ。彼と乗組員たちは喪失感を味わいながらも、大きな達成感を胸にキャメロット星系に帰還する。 レディバードでの奮闘に対し、再び殊勲十字勲章を受勲したクリフォードは中佐に昇進し、新たな指揮艦を與えられた。 それは軽巡航艦デューク・オブ・エジンバラ5號(DOE5)だった。しかし、DOE5はただの軽巡航艦ではなかった。彼女はアルビオン王室専用艦であり、次期國王、エドワード王太子が乗る特別な艦だったのだ。 エドワードは王國軍の慰問のため飛び回る。その行き先は國內に留まらず、自由星系國家連合の國々も含まれていた。 しかし、そこには第三の大國スヴァローグ帝國の手が伸びていた……。 王太子専用艦の艦長になったクリフォードの活躍をお楽しみください。 クリフォード・C・コリングウッド:中佐、DOE5艦長、25歳 ハーバート・リーコック:少佐、同航法長、34歳 クリスティーナ・オハラ:大尉、同情報士、27歳 アルバート・パターソン:宙兵隊大尉、同宙兵隊隊長、26歳 ヒューイ・モリス:兵長、同艦長室従卒、38歳 サミュエル・ラングフォード:大尉、後に少佐、26歳 エドワード:王太子、37歳 レオナルド・マクレーン:元宙兵隊大佐、侍従武官、45歳 セオドール・パレンバーグ:王太子秘書官、37歳 カルロス・リックマン:中佐、強襲揚陸艦ロセスベイ艦長、37歳 シャーリーン・コベット:少佐、駆逐艦シレイピス艦長、36歳 イライザ・ラブレース:少佐、駆逐艦シャーク艦長、34歳 ヘレン・カルペッパー:少佐、駆逐艦スウィフト艦長、34歳 スヴァローグ帝國: アレクサンドル二十二世:スヴァローグ帝國皇帝、45歳 セルゲイ・アルダーノフ:少將、帝國外交団代表、34歳 ニカ・ドゥルノヴォ:大佐、軽巡航艦シポーラ艦長、39歳 シャーリア法國: サイード・スライマーン:少佐、ラスール軍港管制擔當官、35歳 ハキーム・ウスマーン:導師、52歳 アフマド・イルハーム:大將、ハディス要塞司令官、53歳
8 178 - 連載中100 章
人喰い転移者の異世界復讐譚 ~無能はスキル『捕食』で成り上がる~
『捕食』――それは他者を喰らい、能力を奪うスキル。クラス転移に巻き込まれた白詰 岬は、凄慘ないじめで全てを奪われ、異世界召喚の失敗で性別すら奪われ、挙句の果てに何のスキルも與えられず”無能”のレッテルを貼られてしまう。しかし、自らの持つスキル『捕食』の存在に気づいた時、その運命は一変した。力を手に入れ復讐鬼と化した岬は、自分を虐げてきたクラスメイトたちを次々と陥れ、捕食していくのだった―― ※復讐へ至る過程の描寫もあるため、いじめ、グロ、性的暴力、寢取られ、胸糞描寫などが含まれております。苦手な方は注意。 完結済みです。
8 143