《老舗MMO(人生)が終わって俺の人生がはじまった件》33話 念願の天風呂
宴ではすでに撃沈したものも現れベッドで大いびきをかいて寢ている者も出てきた。
しかし、レンとユキムラにとってメインイベントが殘っている。
「とうとう作れましたね師匠!」
「ああ、念願の天風呂だ!」
宿泊設備の裏口から崖に続く階段を登っていく、そこに作られた小屋。
天風呂だ。
殘念ながら天然の溫泉ではない。
魔道によって張られたただのお湯だ。
しかし小高い丘に作られて村とジュネーの街を通る街道を見下ろすことが出來る。
村へと続く街道に設置された照明設備の明かりが真っ暗な空間にしく煌めき、そして何より全方向に広がる星空だ、空が目の前に降ってくる、そんな星空が一できる。
「す、すごいな……」
「ええ、すごいです……」
石造りの浴場へとると目の前の景に圧倒されそれしか口に出來なかった。
軽く今日一日の汗を流し湯船に浸かる。
暖かな湯がから疲れを吸い取ってくれるようだ……
浴槽も石材を用いて重厚な雰囲気と大きめの浴槽を確保した。
照明も足元に設置して夜間の雰囲気を大事にしたが大功だった。
「二人で何を作っているかと思ったら、こんなものを作っていたんですね」
「ああ、しかし、後悔はない……って、え?」
思わず振り向くとそこにはソーカがいた。
薄い著をに著けているがその肢は顕になっている。
「そ、ソーカ!?」
「なんだ、ソーカねーちゃんだったのかつけてきたの」
「知ってたの?」
「ええ、だいぶ離れてたし、まぁいいかと思って……」
申し訳なさそうにレンは答えるが、大事なのはレンがユキムラでも気が付かなかった気配に気がついていたことだ。そして、ユキムラがソーカの存在に気がつけなかったことだ。
いや、もっと大事なことはこんなところに年頃のがいることだ。
「ちょ、ちょっとソーカさん!? ココハオトコユデスヨ?」
「え、やだなーユキムラさんレンとはよく一緒にオフロにっていますし、男湯なんて書いてませんでした。ちゃんとこれ著てますから」
どうやらそのどう考えても逆にエロさを増している著をつけていると気にしないらしい、
「れ、レンはそうかもしれないけど俺はもう一応16で人しているし!」
「うーん、まぁうちの母はユキムラさん襲って旦那にしちゃえとか言ってるくらいですから、私も嫌ではありませんしー、問題ないですね」
ニッコリと可らしい笑みを浮かべながら湯船に足をれてくる。
ユキムラはザザッと距離を取る。
「そんなに、嫌ですか……?」
あ、ずるい方法キタコレ。し潤んだ絶対噓泣きの目で見つめられる、
男は一発ですよ。
「そ、そうじゃない。は、恥ずかしいんだよ」
「師匠はウブだなぁ……」
がーん。
「うふふ、可いですよユキムラさん」
最近急にきれいになってきているソーカは、自分の魅力の上手な使い方を心得ています。ってじの笑みをユキムラに向ける。
「はぁ……わかったよ。でもいいだろ、作りたかったんだ天風呂」
ユキムラは深呼吸をして落ち著きを取り戻そうとする。
不思議とすぐに、落ち著きを取り戻せた。
ココらへんはまだどこかでこの世界がゲームだって割り切っている自分がいるんだろうな、ユキムラはそう考えている。
ソーカはおちょくっていたユキムラが冷靜さを取り戻してしまったことにしつまらなそうに、それでもそこから映される景に見惚れてしまう。
「ほんとに、綺麗……」
「師匠が來なかったら僕らはこんな景もこんな生活も想像もできなかった、やはり、師匠は凄いです」
レンの言葉には羨、尊敬、いろいろなが混じっているようにじた。
そして、ユキムラにとってその言葉は心のそこから嬉しかった。
「さて、ユキムラさんお背中でも流しましょうか?」
「へ?」
ざーっと湯から上がりにピタッと張り付き、のラインを素よりもしく表している著を見せつけるようにソーカが呼ぶ、
「い、いや自分のは自分で……」
「さぁ、早く……」
ユキムラの腕を取り強引に湯船から上げられ座らされる。
満なとまでは行かないが形の良い雙丘がユキムラの腕に當たる、先程とりもどした冷靜さが吹っ飛んでしまいそうになる。
「ソーカ、師匠に無禮するなよ! それでは師匠お先に失禮します」
呼び止める間もなくレンが退室していってしまう。
まて、待ってくれ。
「失禮します」
ソーカが耳元で囁いてくる、もう小のように洗われるしか無い。
背中から腕、石鹸で泡立てられた布で丁寧に、絶妙なタッチで洗われていく、時折変な聲が出てしまいそうになる指の間まで丁寧に洗うソーカ、首筋、腰、足、前面は死守しているが、流石にもうある部分ははちきれんばかりだ。時折れ合うの覚に燃え上がる、冷靜と熱の間を行ったり來たりしてしまう、それにしても妙にがれ合う、時折かくも心地よいらかさのものが當たる。
「あててんのよ……」
脳天から電撃が走ってしまう、耳元で囁くソーカ。この人……怖い……
「あ、ありがとうソーカもう十分だ、先に上る、ゆっくりしてくれ」
思わず逃げるように浴室から逃亡する。いきり立った一部分を必死に隠しながら。
「いくじなしー……」
ひとり浴室に殘されたソーカのつぶやきが満天の空に吸い込まれていった。
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