馬車にたどり著くとすぐに中へる。

何度も実験はしたけど転送は張する。

奧の仕掛けを起すると転移門が開く。

「よし、いくぞ」

気合をれて飛び込む。

ぐわんと目眩のような覚を覚えるが、気がつくと村の自室だ。

あっさりと功である。

すぐに外に出る。

村人は街へ行っているはずのユキムラにし驚いたが、この程度ではそこまでうろたえない。

「ユキムラさん忘れっすか？」

村人が聲をかけてくる。

「ちょっとダンジョンまで人助けしてくる」

「そうですか、いってらっしゃい」

もう村人も慣れたものである。

キックボードみたいな移用の道を作ってあるのでダンジョンり口までもあっという間だ。

すでにダンジョンり口までの整備も終わっており、整備された道を飛ばしていく。

ほんの20分ほどで跡地帯へと到著だ。

すでにマッピングも終了しており、さすがに採取は自重して最深部へと走る。

ダンジョンの中だろうがキックボードで走する。

普通の人なら突然のエンカウントから危険もあるが、俯瞰視點を持つユキムラなら最高速で最深部まで到著する。最深部はどこでそのイベントが有るか不明なので、（ユキムラの知るVOのダンジョンと部構造が異なるために）怪しいところへと向かう。

ギィン！　ドゴォ！

金屬がぶつかりあう音、鈍い打撃音が窟に響いている。

（戦闘音がする、最初からビンゴだ！）

行き止まりで部屋狀の構造があって階段から遠目な場所、その候補で３箇所に絞った最初で當たったようだ。

部屋につながるところで魔どうしで小競り合いが起きている、アホだなこいつら。

「無事か！！」

ユキムラが敵の意識を自分に向かわせるためにも奧で戦っているであろう冒険者へと大聲を出す。

當然小競り合いをしていた魔たちもユキムラに意識を向ける。

取り敢えずあんまり使わないけどさっさと敵を殲滅して救助したいので魔法を使う。

魔法はあまりPSプレイヤースキルを使う場がなめと言われているがそんなことはない、詠唱などがあるから位置取りや移、敵の導など出來ることは數限りない。

「まぁ、このレベルの敵は凍結が最強にして最適なんだよなぁ」

水魔法のアイスストーム、設置型で前方に吹雪を起こして敵を攻撃して凍結される。

敵は詰まっているので移による回避も出來ないし、ダメージよりも凍結狙いだ。

VOではカーソル作があるがこの世界は頭でターゲッティングするだけ、なるべく多くの敵を巻き込むように魔法を発させる。

丁度発と同時に魔法の範囲を抜けて向かってきた敵の攻撃を防ぎ、カウンター。

ここらへんの距離のとり方とかはPSが重要になる。

數十が氷結、もしくは部分氷結狀態になる。

向かってきた魔はすでに始末してある、行を封じられた敵に攻撃する前にもう一段奧へ魔法を発していく。そして氷結狀態の敵を始末していく。

一方的な戦闘だ。

実際レベル差はほとんど無いんだが、戦略、戦、個人の技能がユキムラと魔では圧倒的な差がある。伊達に人生をVOにはかけていないのである。

冒険者の姿を確認できた、盾役の２名がしっかりと敵を食い止めて魔法使いがバフとデバフに徹している。正しい籠城の仕方だ。

「いいぞ！　し我慢していろ！」

相手側のパーティもユキムラの姿を確認する。

５人構、重裝剣士、剣士、魔法使い、僧、弓。普段はそれにあのシーフのカシン。

バランスはいいパーティだが、流石にこの數はな、部屋の角をうまく使っているからあまり數が多いことが有利になっていない點に助けられている。

そのパーティから離れたところで魔同士で小競り合いを始めてしまうくらいだ、組織的にかれたらあっという間に突破されてしまうだろう。

クエスト発生からあまりにも早く到著してきているからまだパーティのメンバーも余裕がある。

あの奧にもう一つ小部屋があるから、ほんとにあそこを抜かれそうになったら通路に魔法障壁でもって、最後の部屋で籠城になったんだろう。

いい作戦だ。

しかし、すでにユキムラが助けに來た。

部屋に溢れている魔が次々へと凍らされ、切り落とされ、また凍らされ。

足元に大量の魔石やらアイテムが転がっていく。

（いいねー鬼湧き。効率がいい）

どこまでもゲーム脳で踴るように敵陣を走り回り魔を魔石へと変えていく。

「す、凄い……」

パーティの聲もよく聞こえるようになるほど魔の數が減ってきている。

「カシンの依頼により助けに來た。皆無事か？」

ようやくパーティのもとへと到著し、皆の前に立つ。

「ああ！　謝する！　カシンの奴間に合ったか！」

「カシンは無事だ、帰ってきたらレイってやつはぶん毆られるから覚悟するように、な！」

襲いかかる魔をまた切り捨てる。

盾役に徹していた奴らも魔法使いもユキムラの登場で攻勢に出られる。

「回復剤とかはまだ持ってるか？　必要なら渡すぞ」

「まだ平気です。最後のために溫存していましたから」

ローブを羽織った優しそうなが答える。クレリック系の職業だろう。

「それでは、攻勢に出ようか、手伝い頼むぞ」

「ああ！」「ええ！」

そこからは一方的だ、すでに敵の優位はほとんどなくなっており、普通なら撤退をするような場面だが所詮は魔、無謀に突撃してきてユキムラやその他のメンバーに斬り伏せられる。

「これで終わりか！？」

重裝剣士が最後の魔に剣を突き立てフラグを立てる。

それが合図かのようにドーンと振が起きる。

「ばかな、また大発生が起きるのか！？」

もう一人の剣士がうろたえる。

「どうやら大発生ではないみたいだが、大のお出ましなようだ」

ユキムラが突してきた通路からドスンドスンと足音が近づいてくる。

ガーンと壁を打ち鳴らし現れたのはオーガだ。

巨大な棒を苛つかせるように振り回すジャイアントオーガ。

３ｍはありそうな筋の塊、濁って暗い瞳に大きな口、口からは大きな牙が出ている。

角は額から一本薄汚れた全から比べるとしさすらじる白い角がびている。

ボロを著たような末な鎧だが得は巨大な石斧だ、八つ當たりされたダンジョンの壁が、発泡スチロールかのように削られている、直撃をけたら即死は間違いない。

ボスのお出ましだ。

「さて、こいつは俺に任せてもらおう」

言ってみたいセリフ上位に來そうなことを言い、ユキムラはオーガへと向き合う。

他のメンバーは恐怖から部屋の隅で固まってしまっている。

他のメンバーに気を回しながらくのは大変なので逆に好都合。

「こいよ、デカブツ」

剣の切っ先を向けて挑発する。

ノリノリだ。レンがいたら大騒ぎだろう。

【ゴアァァァァァァ！！！】

チンケな人間の舐めた態度に苛ついたようにオーガがぶ。

第二ラウンドの開始だ！