《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》三日目~十五日目(第九回) 俺の目覚め
俺は意外なことにより、魔の槍に腹を貫通され、意識を失った――――――。
――――――――――――――――――――――――――――☆
気づいたら、何だか真っ白なところにいた。そこには白いレースで顔を隠したがいた。
「だれ?」
彼が人間じゃないということはなくとも俺にはわかった。何故か彼は話しかけてはいけないような気がした。
けど、俺は話しかけた。今のチャンスを逃したら、なにか重大なものを聞きそびれるような覚がしたのだ。
「わたくしは高貴なる族……つまりあなた達「人間・・」のいう、吸鬼だ。……貴様は、準人。だな?」
目の前の人は自分の存在を知っている。それに俺は恐怖を覚えた。そしてなんとも、彼が「吸鬼」だということに驚いた。
を震わせながら、俺は一歩下がる。俺の足の下に何かあったのだろう、それに躓いて、俺は転んでしまった。それにはなにも反応せず、
「ここはわたくしたち族が住まう場所、空中庭園だ。此処に連れてきた理由は、お前に重大なことを教えたいからだ。わたくしたちは、専屬というものを作り、かに異世界人たちを監視、守護している。」
彼の顔はよくわからなかった。だが、恐らく笑っているのだろうと俺は思った。
それは勘でもなんでもなく、伝わってくる気持ちからだった。
「だが、今回の件は異例だ。お前に力がなかったということだ。突如なことに世界の平衡がずれてしまった。サテ……リオンの決斷については、わたくしも……」
「サテラ……だな?」
俺は、斷の言葉だと思っていたサテラのなまえを口に出した。
本當はずっと黙っていようと思った。けど、この人には隠し事ができない気がする。
俺がサテラの名前を出したことに対し、は驚きの表を隠しきれなかった。
「……その名前については、後日、説明させてもらう。だが言わせてもらいたいことがある。今のこの國はセル帝國だ。そこの中心都市に、お前らはいる。中心と言ったらいわば核心……そして我ら帝國を狙って敵國テアール皇國が攻めてくる。そして奴らの狙いは恐らくお前も含めるだろう。」
「は?」
俺は異世界に來たばかりだ。そんな俺を知っているとは思えない。
俺は座った姿勢のまま、呆気に彼を見つめた。
「王國たちは、自分たちの國にってきた異世界人の報をわけあって早く、正確に、詳しく摂取することができる。恐らくその報が外部にれたのだろう。そしてその原因は恐らく、お前たちの中で言う「スパイ」だ。」
「あんだって?」
予想外の返答に俺はますます間抜けた表になる。その表を見て、彼はまたクスッと笑った。今度は聲が聞こえる。
俺ははっとし、その場から立って、に付いた砂利を払った。
そして日本ではあまり聞きなれない、恐らくアニメの中でしか見ない「スパイ」というセリフ。そしてその矢先が自分に向けられていること。
俺は、し絶した。昏睡狀態だと、ログインボーナスも開けられないだろうし……。
「だから我々コントロールタワーも……」
「待て、待て待て。こんとろー……ろーるけーき?」
「くっ……ハハハ……」
恐らく俺の言葉がけたのだろう、彼は大笑いを始めた。
俺も顔を赤らめて口を押えた。
「あぁ、コントロールタワーというのは族、賢者、國王……等が組み合わさったいわゆる組織のようなやつだ。全世界をまとめる一番上のボスが必要な範囲だけ管理しているが、今回のテアール皇國については計畫外、いや予想外だった。まぁ全世界のリーダーなどを集めているんだ、反も起きるだろう。うちのボスはそういうことにはあまり手を出さない。自分の好きなものだけに手を盡くすタイプだからな。その反にわたくしたちも反発はしているのだが、彼らは予想以上に強い。だから年。我々はお前を守るが、恐らく世界の平和はお前にかかっているだろう。」
「え、嫌だ。」
即答だった。
先ほどなんだか即死しそうなことと言われたのに、もっとやばいことを言われた。
男としては嬉しいかもしれないが、事実的に俺には無理そうだ。
「話をし戻してしまうが、専屬についてだ。そんなにいきなり空きが出ないため、族ボスのわたくしに擔當させてもらおう。」
「ボスなのかよ、騒だな。」
「……當然だろう、と言いたいところだが、し傷ついたぞ?」
だって騒なんだもん。
ボスに守られるのは悪いことではない。だがそれのおかげでさらに面倒なことに巻き込まれる可能もないわけではないのだ。
「あと、サテラがわたくしのことを聞いてきても何も答えるな。決して」
「わ、分かりました……?」
今までとまとっている雰囲気が違う。背後からの黒いオーラが俺を圧迫した。
「戻れ。皆もお前のことを待っている。それと、わたくしの名前はレキラーだ。」
「あ、あぁ、わかった」
レキラ―が手を上げると、俺の意識はまた失せた。
「……っつ!!!」
「リーゼルト……くん?」
目が覚めると、知らない病室。俺の隣には、シアノンとサテラが居た。辺りを見回すと、しらない緑髪の男がいた。
「はじめまして。リーゼルト君、っだっけな?」
「あぁ、、、そうだ。」
ニヤッと笑った彼に、俺は悪を覚えた。彼のまとう雰囲気は、最初のサテラの威圧的な雰囲気と似ていたからだ。
「オレはレスナ。よろしく」
「……よろしく」
俺はベッドから起きようとしたが、シアノンに制され、そのまま座った。
「シアノン。彼らとちょっと話したいことがあるから…。」
「うん、終わったら、しっかりあたしともお話ししようね」
シアノンは泣いていたようで、顔には涙の跡があった。
この間ずっと誰かと話していたって言ったら、シアノン、また泣くだろうな……。
「君は空気が読めるね。……しお話をしようか。」
「あぁ」
レスナは壁に寄り添い、威厳のある口調で話した。
「……まず、君は異世界人だね?」
「……は?」
「オレはわけあって知っているんだ。驚かせてごめんよ」
俺の背中には冷汗が流れていた。
サテラに言われていたからだ。地球人だってことを知られたら殺される可能があるからと。
「実は、オレ異世界人に會ったの初めてじゃないのさ。」
「あ?」
普通に話を聞くつもりだったが、こんなことになるとは。
俺はしだけ警戒を解いて、レスナの話を聞いた。
だが、流れたのは沈黙。じゃあ俺が斷ち切ってやろうじゃないか。
「誰に會ったんだよ。」
「それはね―――――――――――」
それを見たサテラも淺く笑っている。俺は話を聞きながら淺く笑い返した―――――――――――。
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