《俺にエンジョイもチートも全否定!~仕方ない、最弱で最強の俺が行ってやろう~》第二十七回 賢者の襲撃
「い、命まで助けられたのに、殘っていってくださいよ!」
「あーいや、もう悪いだろ?」
これは次の日の朝の事だった。
アレンが治ったことを確認し、その後サテラも帰ってきた。
彼の結果によると、組織の反隊が國の強い奴らを皆殺しにしようとしているという話だ。
それはさておき、もうさすがに悪いと思って出ていこうとする俺をアレンが引き留めている。
待て待て、レジアス家でも同じことが起きた気がするのだが。
無限ループはさすがに俺も疲れるっ!!!
っていうか、いま家の扉が全開している。風が吹き込んでし寒い。
「あのぉ……もう行きたいので」
「だっ、駄目です!せめてもうし!!!」
アレンが俺の腕をつかんだ瞬間。
地が揺れた。
木が吹き飛び、草は切れて舞う。
押し付けられるような気力に俺は心臓を押さえた。
アレンの後ろに立っていたアスリーンが目で先を追った。
「賢者サテラ!?って隣國のじゃ……」
その言葉に俺もサテラも……いやサテラと言ってもいいのか……。
「リオン」は怯えた顔をしていた。
俺はあまりに驚いて、くことができなかった。
まず賢者が町を襲うことがあるのか、なぜアスリーンが「サテラ」と呼んだのか。
俺が異世界に來た時、無線らしきものの中は確かに「サテラ」とリオンの事を呼んでいたではないか。
『カウントダウンー』
賢者「サテラ」の聲がした。
黒い二つに分かれた板が出てくる。それが傾いて、板が人々を挾んでが噴き出した。
生々しい臭いがする。
そんな臭いを気にせずに「サテラ」は笑っている。楽しそうに。
銀のロングヘアに整った顔立ち。
レスナも「リオン」も俺のもとを離れて激闘をしている。
「先輩!ど、どうして……!?」
「リオン」が手を上に掲げたままそう言った。
「サテラ」が笑う。不敵な笑み、と言っても、汚い笑み、と言っても過言ではないだろう。
「計畫だよ♪自稱リオンちゃん……♪ボクの名前を奪っておいて、生意気なこと言ってるねぇ……?」
「っつ!?」
「リオン!気をすな!」
賢者サテラのその言葉に、リオンが気をすがレスナがそれを止める。
賢者サテラはニタリと笑った。俺が気づいたときにはもう遅かった。
『幻想夢ファンタステイック!』
サテラの手から花が散った。リオンの目からふっとが失せる。
レスナのきも奪われている。
二人の周りに結界が張られていて、俺が駆けつけても中にることはできなかった。
そして賢者はまたく。
(國王は、いないのか!?)
俺はそう思った。
後に知ることになるのだが、國王は隣國に反を抑えに行っていたのだ。
そしてサテラはまたく。
『夢剣ファンタスピック!』
サテラが手を払うと、ピンクの花柄のピックが三つリオンに向かって放たれる。
俺は結界を手で叩き続け、手からが滲むが、結界はびくともしない。
「あっ、くっ!?」
サテラが放ったピックは三つともリオンに命中した。
リオンはそのまま地面に倒れこむ。
相當な出量なようで、そのままリオンは立てていない。先輩なだけでこれほど強いのか、と俺は息をのんだ。
こんな景をみてはさすがのアスラもアレンも出てきて結界まで近づく。
しかしアスリーンは後方応援のようだ。
結界が小さくなり、レスナがそこから抜ける。そして下がり続け、俺を守るように前に立った。
「お、俺は良いから、早く行けよっ!」
「……」
俺はそう必死にぶが、レスナはこうともしない。
俺が犠牲になれば、助けられる!
そう思ったが、レスナは俺を前方に行かせない。
それを見たアスラはついに耐えきれなくなったようだ。
『殺生デス!』
走って前方まで行くと、アスラは手を掲げ、恐らく必殺なのであろう技を放った。
オーガの時にも使われたこの技。
それでもオーガを倒すことができなかった。これでレスナの行を無効化した賢者サテラを止められるわけもないと俺は考えた。
『夢砦ファンタスガード!』
ピンクの渦巻き狀の盾がサテラの掌を中心に広がり、アスラの技を簡単に防いだ。
アスラは信じられないという顔でサテラを見上げた。
アスリーンの額から一筋の汗が流れる。アレンも不安そうだ。
「さて、シメにしようか、カワイ子ちゃん?」
「なっ……?」
サテラがそう言った瞬間、彼の背後から大量の花びらが浮き上がる。
『幻夢桜ファンタスティックフラワー!』
サテラが手を広げると、背後の花びらが凝し一直線にアスラに向かう。
アレンがとっさに何かしようとしたが、間に合うことはない。
花びらが広がり、アスラを囲む。アスラの姿が見えなくなるくらいに花びらが増えた。
サテラが指をパチンと鳴らすと、花びらが散っていく。
「アスラ!!!」
聲を上げたのはアレン。
アスラは所々が小さく、深く切れていて、その場に倒れていた。
俺も駆けつけようとしたが、レスナが苦い顔で行く手を阻んだ。
んだ後にアレンはアスラに駆けつけた。賢者サテラがまたニタリと笑ったのに、誰も気付くことはなかった。
「い、今すぐポーションかけるから……」
茶のポニーテールが広がる。
アレンはポケットからポーションを取り出し、アスラにかけようとした、その時。
誰もが一息ついた、その時。
『夢矢ファンタスティックレア』
サテラがポツリとそうつぶやくと、長く黒い槍がアレンとアスラに向かって放たれた。
俺はあがくが、レスナは一向に行かせてくれない。
アスリーンが、き出した。
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