《最強転生者の異世界無雙》休養日2
Sランク冒険者『閃』アリーシャ、ねぇ。
「ま、そこそこは強いみたいだな、やっぱり」
「それは當たり前。強くなければSランク冒険者にはなれない」
それはそうか。1人納得していると、ふと頭の中に疑問がよぎった。
「そういえば何でひったくりを自分で倒して取られたものを取り返さなかったんだ?」
アリーシャにそう聞くと、アリーシャは若干バツが悪そうに顔を歪めてから、し考えて話し始めた。
「し前に、あなたの噂を聞いた。そこであなたの実力をその目で見たくなった。そんな時に丁度良くひったくりが來て、その近くにあなたがいたから試してみようと思った」
「ふーん、…で結果は?」
「さっきも言った通り、私では葉わない。あなたは常識では測れない規格外、人外の領域にいる存在」
お、おう。そう言われると、なんか複雑な気分だな。人間扱いされてないけど、それは強いからで、それはつまり今までの努力が実ったということで…まあ、総合的に考えたら嬉しい、かな?
「一応褒め言葉としてけ取っておくよ。それでアリーシャはこれからどうするんだ?」
「…特に決めてない」
「ふーん。…あ、そういえばアリーシャって最近この街に來たの?」
「うん、この街は初めて來た。…この街は結構活気があるから気にった」
「へー、それは同じくこの街を好きな俺としては嬉しいな」
やっぱりこの街は他の街と比べても良い方なのか。じゃあ違う街に行く時とかはこの街を基準にするべきじゃないな。
「…この街を案してやろうか?」
「…良いの?」
「ああ、この街をもっと好きになってしいからな」
この街は前世も含めて1番と言っても良い。面倒なこともあるが人はみんな基本的に良い奴ばかりだし、賑やかだし、それでいて騒がしくはない、そんな過ごしやすさがある。初めての街ということで著もあるしな。…將來的に定住する気になったらこの街に住むかもしれないな。
そんなことを考えつつ俺はアリーシャに話しかけた。
「じゃあ、行くか」
「うん」
そう言って俺たちは歩き出した。
まずどこに行こうか、と考えていたらアリーシャから武の整備できるところに行きたいと言って來たので鍛冶屋に來た。アリーシャも一流の冒険者として遠征とかにも行くから自である程度整備できるらしいが、やはり本職には葉わないらしい。
「さて、ここはこの街で唯一の鍛冶屋だ。この鍛冶屋が優秀過ぎて客が來なくなって他の鍛冶屋は店を閉じたらしいから、腕は確かだ。俺普段はここに頼んでいる」
「そう」
そんな風に素っ気なく返すアリーシャだが、それもしょうがないかもしれない。なぜなら…期待に満ちた眼差しを鍛冶屋に向けていて、他のものが目にっていないからだ。
俺は大きく溜息を吐きながら、店の中に向かって聲を張り上げる。
「すいませーん!」
「ああ⁉︎なんだ⁉︎」
そうすると奧から野太い聲が帰って來た。
その後足音が聞こえて來たと思ったら、目の前にがっしりとしたつきの長の低いおっさんが出て來た。
「ああ⁉︎誰かと思えばお前か、ユーマ。また武の整備でも頼みに來たのか?」
「ああ、久しぶり。武の整備も今度頼むけど、まだ良いよ。それよりも今日は別件だ」
「別件?」
そこでおっさんは初めてアリーシャの存在に気づいたようだ。
「誰だ?」
「彼はア「いい、自己紹介は自分でする」…そうか」
俺が苦笑しながら了承すると、アリーシャは自己紹介を始めた。
「私はアリーシャ。武の整備を頼みに來た」
そう言うや否やアリーシャは自分の武をおっさんに差し出した。…結構いい武だな。
「そうか。まあ、その武に振り回されない実力はあるようだし、仕事は引きけよう。…ああ、自己紹介がまだだったな。俺の名前はガリアス、しがないドワーフの鍛治師だ」
俺の知る中、いや、この國で1番と言ってもいい鍛治師、ガリアスは言葉とは裏腹に覚悟と気迫のこもった表でそう言った。
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