《絶対守護者の學園生活記》授業初日 実技

俺達は先輩達の実技の授業の見學のため、第一訓練場へ來ていた。

見學のみの予定なので制服姿のままだ。別にこれでもけるが。

「今回は一學年全員合同での見學だ。見學させてもらうのは2-Aだ。學園最強と第二位と噂されてる生徒がいるクラスだ。よく見て學んどけ」

ほう、それはそれは。楽しみにしておこう。

そして、一學年全員が観客席へと移し、見學をする。俺の右側にはマルクとミーナ、左側にはいつの間にか來てたカレンが座っている。そして俺の膝の上にはリリィがいる。幸せだ……。

「……ツッコんだ方がいいのか? それ」

「ツッコまなくていいわよ。レオンは大のシスコンだから、幸せだ……とか思ってるに決まってるわよ」

「俺の心の中を読むんじゃない、カレンよ」

「あはは……」

ミーナに呆れられてしまったではないか。

リリィは傍から見れば相変わらずの無表だが、リリィマイスターの俺なら分かる。これは嬉しがっているはずだ。例え四年會っていなくとも、俺ぐらいのシスコンレベルになれば分かる。

「それにしても、地力が違うというか、レベルが高いよなぁ」

「そうだね、一年違うだけでこんなにも凄いんだね」

先輩達の模擬戦を見てそう述べるマルクとミーナ。

ぶっちゃけ、ダルクさんとユフィさん、それに學園長の戦いぐらいしか見たことがないため基準が分からん。

これを機に基準というものを覚えておこう。

今見ていた模擬戦が終わり、次の人達が出てくる。見覚えのある人達だった。

「次はアリスみたいね」

「……アリスは強い」

「相手の人も相當強いぞ」

現れたのアリスとソフィ先輩だった。

そして大きな歓聲が上がる。

「きゃー! アリス様ー!」

「アリス様は今日も麗しい!」

「ソフィさん、俺と結婚してくれー!」

「ソフィ様! 私を思いっきり踏んでください!」

…………。

「なんだ、あれ?」

「僕も驚いたよ……」

なんか凄い人気なんだな、あの二人。

「あの二人が人気な理由を特別に教えてさしあげよう。レオン君、ミーナ君」

マルクがやたらうざったい話し方をしてくる。

「その話し方やめてさっさと教えろ」

「………あの二人は容姿のしさから、各學年二大の二年の部に選ばれてる二人だからだ」

「へぇ」

前世でも似たようなことがあったが、この學園でもあるのな。

「綺麗な容姿なうえに、その學年の最強トップツーの二人だ。あまりの人気にファンクラブもあるらしい」

「そこまでか……。三年生にもいるんだろ?」

「あぁ、第一王様に公爵家のご令嬢だな。こっちも學年トップツーの強さだ。一年はまだ學したばっかりで決まってないが、おおよそ誰になるかは予想がついてる」

そう言ってマルクはカレンとリリィの方を向く。おいおい。

「リリィは誰にも渡さん! リリィは俺のもんだ!」

「違ぇよ! ともかく、なんであの二人が人気か分かっただろ?」

「まあな」

ありゃ、リリィさんし熱くない? 顔も赤いし大丈夫か?

俺の手をリリィのおでこと俺のおでこにつけ熱を測る。うん、大丈夫そうだ。

「てかマルクはなんでそんなこと知ってんだ?」

「小遣い稼ぎのために、ちょっくら報屋でもしようかなってな」

親しみやすい格のマルクなら向いてるだろうな。

俺達が話してる間にも、アリスとソフィ先輩の模擬戦は進む。

他の二年生とは格が違う高レベルな戦いだった。

アリスは、火屬魔法の圧倒的高火力を用いて迫り、剣で重い一撃を打ち込んでいく。一方ソフィさんは風魔法を用いて火を逸らしたり、消し飛ばしたりしつつ、時には自分自に風を送ることで加速などをしている。そして雙剣による手數を使った攻め方を披している。お互いに凄い迫力だ。アリスはパワー、ソフィ先輩はテクニックで戦うといったじか。

そして、制限時間のため、二人の模擬戦が終わり、その後も続いていき、実技の時間が終わりになる。

「お前ら、よーく見てたか? 男子はばっか見てないよな? この後は先輩達への質問などの時間だ。それぞれ聞きたいことなどを聞いてこい。それでは解散!」

余計なことを言いつつ解散の宣言をするヤンキー先生。なんて見てませんよ。ソフィ先輩もアリスに負けず劣らずの立派なものをお持ちだなぁと思ったぐらいですよ。

はっ!? カレンとリリィからの視線をじる。無い無いペアからの視線が痛い!

「早く質問に行こうぜ、マルク!」

「お、おう。どうしたんだ急に」

「いいから行くぞ!」

そしてどうにか生き延びた俺は、皆とアリスの元へ向かう。

だが、アリスはソフィ先輩と一緒に既に多くの人に囲まれていた。アリスは困ったような表をしている。助け船でも出してやるか。

「おーい! アリス!」

俺が大聲で呼ぶと、アリスはこっちを向き、助かったというような表をする。人を掻き分けてソフィ先輩と一緒にこちらに向かってくる。

「助かったぞレオン」

「私も困っていたところだ。禮を言う」

「いや、アリスとソフィ先輩が困ってたらいつだって助けるよ」

「そ、そうか……お前には助けてもらいっぱなしだな」

し申し訳なさそうにアリスは言う。

「そういえば、早朝にソフィと會ったんだってな」

「偶然な」

「私もこいつと鍛錬できるようになるとは思ってなかったからな」

それにしても二年生の知り合いがたまたま二大とは驚いたな。別に俺は容姿云々で対応を変えるつもりはないが。

「朝に手合わせしてもらって驚いたぞ。私が勝てる未來が全く見えなかった。こいつの強さは末恐ろしいな」

「私も最初は驚いたな」

俺的には結構キツい戦いだったんだけどな。

それよりもデジャヴというか嫌な予が。

「レオンよ。お前の強さはどこからきたんだ?」

はいきた。何度目だこの質問。ソフィさんも戦いにを置く者として気になるのだろう。かといって、村の事などを話すわけにはいかない。そうだ、アレにしよう。

「男は強くなければいかんっていう言葉のおかげかな」

「!」

「……そうか。なにか他にもありそうだが深くは聞かないことにしよう」

「助かる」

俺の言葉に驚くアリス。ソフィ先輩の対応には謝だ。

「レオン、さっきの言葉……」

「あぁ、しっかりと覚えてるよ。大切な人に言われた、大切な言葉だからな」

「そうか……嬉しいものだな」

そしてアリスはふっと笑みを浮かべる。俺は見惚れてしまった。

普段は目つきなどのおかげか、厳しい印象をけるアリスの表が優しいものとなる。

その笑顔はとても綺麗で、周りもその笑顔を見て、まるで時が止まったかのように靜かになった。

「? どうした、レオン?」

「……はっ!? いや、なんでもないぞ。それより、さっきの戦いは凄かったな」

「ありがとう。今度は私とも手合わせ頼むぞ?」

「分かったよ。俺は強いぞ?」

むところだ」

そう話し、俺とアリスは軽く笑いあう。

「そろそろ時間だ! 各自教室に戻れ!」

ヤンキー先生の聲が響き渡り、各々が教室へと向かう。

「じゃあな、アリス、ソフィ先輩」

「またなレオン」

「また明日の朝會おう」

そして俺達も教室へと向かった。

「アリス先輩にソフィ先輩と知り合いだと……? 俺、あいつ殺してくる!」

「程々にね……?」

「レオンとアリスは特になんとも思ってないでしょうけど、傍から見たら、ねぇ?」

「……無自覚イチャイチャ」

途中でマルクが突っ込んできたが、とりあえず投げといた。

急になんだこいつは……。

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