《絶対守護者の學園生活記》始まりと終わり
魔王にトドメを刺され、倒れていた俺は目を覚ました。にが空いているのが空気の通過によりわかる。だからと言って慌てはしない。生きている、それだけで充分だ。
「つまらぬ前座だったわ」
俺の目覚めに魔王は気付かず、背を向けて離れていく。本番はこれからだと教えてやろうじゃないか。
起き上がろうと力をれるがピクリともかない。だが大丈夫だ。きっとすぐに――――
「レオン! 起きろレオン!!」
ほら來た。聲が聞こえてくる。だから立ち向かえる。
「起きろこの馬鹿息子! それでも俺の自慢の息子か!」
聲がでかくてうるさいぞ俺の自慢の父親よ。それにそのセリフだと変な意味に聞こえてくるぞ。
「……起きて自慢の馬鹿息子。それでも私の自慢の息子か」
親父と同じセリフをの乗らない聲で言う母さん。だけど心に響くのはそのおっとりした格故か。
「まだ殺り合う約束を果たしてもらってないぞ! さっさと帰ってくるのじゃ!」
死にかけの人に何言ってるんだこの學園長戦闘狂は。
「おらさっさと終わらせてこい! そしたらその……俺の伴に……」
ハンナの馬鹿でかい元気な聲で心が引き締まる。だけど最後の方は小さすぎて聞こえなかった。
「姉を頼んだぞ……レオン……」
分かってるよクラリリス。帰ったら三人でお茶でもしよう。だから泣くな。
「でて」
帰ったら好きなだけでてやるよルゥ。
……え?それだけ?短くない?
「レオンが死んだら俺が嫁さん達を幸せにしてやる。だから安心して死んいてててててて!!!」
馬鹿マルクの言葉は痛みによって途中で遮られたようだ。ざまぁみろ。
「ごめんなさいレオンさん……マーくんにはたっぷりお仕置きしておくので頑張ってください」
おう、そっちも頑張ってくれ。
しずつだが力が湧いてくる。だけどまだ足りない。でもきっと……
「レオン君。まだ私は貴方と過ごした時間が短いです。もっと一緒にいたい。だから絶対に無事に戻ってきてください」
了解ですリーゼさん。こんなのカレンに毆られる痛みに比べたらささいなもんですよ。
「レオン君。……何を言おうとしてたのか忘れてしまいました。とりあえず頑張ってください」
シャルさんそれはないんじゃないかい?まぁでもシャルらしくっていいな。むしろほっとする。
「パパ……ふにゅ……」
あらら、クーは夢の世界か。きっと可らしい寢顔なんだろうな。後で思う存分頬をぷにぷにさせてもらおう。
「私の生きる意味でいてくれるのだろう? それに妻と子を殘していくような男でないのは分かっている。だから私からは何も無い」
何も無いと言いつつも凄いプレッシャーかけてるぞソフィ。でもその通りだ。
「か、帰ってきたら好きなだけもふもふしていいから……ね?」
まじ?やっぱり無しとかは駄目だぞ?俄然やる気が湧いてきた。ミーナは可いなぁ。
「私との約束は忘れてはいないよな?ちゃんと守ってくれるのなら、でその、してやるから……ひっ!」
三大求のうちの一つを攻めてくるとはやるなアリス。照れながらも言ったのだと思うと、おしさが湧く。最後の悲鳴は無し族カレンに睨まれたのだろう。
「……ファイト、レオ兄」
する妹の聲援は兄にとっては絶大な効果を発揮する。お兄ちゃん頑張る。
俺が世話になってきた人達の聲が力となる。俺の足はしっかりと地を踏みしめていた。
「な、なぜ生きている!」
俺の立ち上がる気配をじたのか、こちらを向いて驚く魔王。しスカッとした。
はくが聲が上手く出ない。無言でゆっくりと魔王の元へと向かう。
「來るな!來るんじゃない!」
俺からただならぬものをじたのか、焦りながらも攻撃してくる。魔力を固めた黒の弾丸が、俺のを次々と貫通していく。
痛いしのあちこちからが流れ出るのをじる。視界も霞んできた。だけど歩みを止めることは無い。もう生きてるのか死んでるのかすら分からない。
「か、がかん!」
まるで何者かによって羽い締めされたかのように、その場に固まってしまっている魔王。目覚める前に聞いた聲が頭に微かに響いた気がした。
確実に一歩ずつ詰めた距離が、ほぼ無くなる。
ほとんど言うことを聞かない右腕を、気合で上げる。
手のひらを、魔王のに添える。
後は一つの作を行えば、全てが終わる。
終わらせる時には、俺がこんな道を歩むことになったきっかけとなった慘劇の時と同じ言葉で締めるのがいいだろう。あの時が始まりで、これが終わりとなる。
たった一言だ。聲を捻り出すように腹に力をれて、宣言する。
「消えろ」
瞬間、の力が抜けたのかリーフェさんのがこちらに倒れてくる。抑える力も無かったので巻き込まれてそのまま一緒に倒れてしまう。
もう限界だ。薄れゆく意識の中で、聲が聞こえた。
「お疲れ様、レオン。帰ってきたら毆らせてね?」
無意識に異議を唱えていた。
「理不盡すぎる……」
こうして、魔王との戦いは終わりを迎えた。
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