「えぇ……」

目が覚めるとなぜか俺の顔に自分の顔を近づけていたリーフェさんをやんわりと離し、現狀の説明を求めた。そして聞いた容に思わず呆れたような聲を出してしまった。どんな容だったかというと

「起きたらいつの間にかこの一面真っ白の空間にいたの。隣には可い寢顔をしたレオン君がいたからこっそりいたずらしようかなって思った時に、聲が聞こえて『ボロボロになったの修復が終わるまではここにいて』って。なるべく早く終わらせるからそれまでのんびりしててだってさ」

俺もリーフェさんのも既に死んでいてもおかしくはないほどのダメージだった、あのままでは皆の迎えが來る前に息絶えていただろう。治してもらうのは正直ありがたいし、神様ならさっさと終わらせてくれるだろう。

「あ、魔王の攻撃でけた傷は普通の回復魔法では治せないんだって。一週間ぐらいかかるらしいよ」

この言葉を聞いて俺は呆れてしまったわけだ。

今いるのは神様に呼ばれたときに來れる例の白空間。周りを見渡してみても暇を潰せるようなものは何もな……なぜかベッドだけ置いてある。まあ地べたに寢るのは嫌だったからいいんだけど、なぜベッドだけ？

「やることないし寢るか……リーフェさんはどうします？」

「私も寢よっかな」

「それなら俺は床で」

「レオン君も一緒に寢よ！」

「え、ちょっ」

腕を引かれてなされるがままにベッドに寢かされてしまう。そして俺の腹の上にリーフェさんが馬乗りになる。

「室で男が二人きり。これはもうヤるしかないでしょう！」 

「なにを！？」

「それはもちろん……ナニだよ！」

言っちゃった、と頬に手を當て、いやんいやんと顔を振るリーフェさん。々と待ってもらいたい。

「そんなこと出來るわけないでしょう！」

「しっかり言質はあるんだよ？　私が行き遅れたらレオン君が責任を持って貰ってくれるって」

確かに言った。ミーナと一緒に冒険者ギルドに言った時にそんな會話をした覚えがある。

「まだ行き遅れたわけではないですよね？」

「そうかもだけど、レオン君はもう一つ負わなきゃいけない責任があるんだよ？」

「え……？」

「私のを傷だらけにした責任！」

驚きのあまり目を見開く俺。

傷だらけって俺と魔王との戦闘の時に出來た傷だよな？それは治されるはずだし、あの狀況では仕方ないと思うんだけど.....

「それに、私を助けようとしてくれるレオン君が格好よかったから。本當にぼんやりとだけど、魔王にを乗っ取られた私を救う為に戦ってくれてるレオン君の姿が見えてたんだ」

急に真剣な顔になって、突然の告白。

「私が囚われのお姫様で、レオン君が助けに來てくれた王子様。そう考えてみると素敵だなって。私、本気でレオン君のこと好きみたい」

に手を當て、頬を染め微笑むリーフェさんはとても魅力的だった。こんな人に好かれて嬉しくない男なんていない。

それでも俺は好意はともかく行為には納得していない。

「リーフェさんの気持ちは嬉しいです。他の皆がどう反応するかは分かりませんけど、おれはけれたいと思います。でも、ヤるのは流石に……」

こんな何も無い空間でいつまでいるのか分からない、そんな狀況。もしリーフェさんとの事に溺れてしまったら々とアウトだ。なんというか、俺の帰りを待ってくれている人に申し訳ない。

「ふふふ、そう言われると思ってある作戦を考えておいたのだ。お願いします！」

(……ごゆっくり)

リーフェさんの聲に反応して神様の聲が聞こえた、その瞬間だった。

ドクンとが沸騰するように熱くなってくるのをじた。気付けばの位置を変え、リーフェさんを押し倒していた。

※※※

起きてすぐに現狀を確認した。互いにの男。れたシーツからはあのの臭いと量のが付いている。の方のには所々吸い付いた跡があった。

……深く考えるのはやめよう。

それからリーフェさんは俺にべったりとくっつくことが多くなった。男の関係になったから當たり前なのかもしれないが、今までの反からか半端じゃない甘えっぷりだったりする。

一方俺はしでも時間を潰すためにひたすら寢たり、適當に走ってをかしたり、を重ねたりした。

なんか墮落的な生活でまたしても申し訳ない気持ちになってきてる。でも他にすることがないんだよなぁ。

そんなこんなで一週間が経った時、神様から帰れるとの連絡が來た。

(.....本當にありがとう)

「いいって。また何かあったら呼んでくれ」

変に長ったらしい挨拶なんていらないだろう。短く言葉をわすと、俺とリーフェさんのが薄れていく。……なぜリーフェさんは俺の腕に抱き著いているのだろうか。

そしていつの間にか俺達は屋敷の前に立っていた。何年ぶりじゃないかと思うほどに懐かしくじる。きっとこの中に彼達が……

インターホンを鳴らそうとするが、いまだにリーフェさんがくっついていて鳴らせない。こんなとこ見られたら彼達(主にカレン)に何をされるか分かったものではない。

「えいっ」

「あっ」

俺が躊躇っているとリーフェさんが代わりに鳴らしてしまった。やばい、どうしよう。

そして無慈悲にも扉は開く。

「えーっと……久しぶり？」

「んは～」

苦し紛れに出した言葉に、しの彼たちの顔を怒りに染まっていく。一番前にいたカレンが握り拳を作っていた。

「歯、食いしばりなさい？」

そして俺は吹き飛んだ。

「理不盡……でもないのかも……」

うん、今回は俺がどう考えても悪い。

ただいま、皆。