《絶対守護者の學園生活記》今を大事に
朝早くから私――――リーフェの一日は始まる。
日がまだ昇りきらない頃に目を覚ますと、隣で生まれたままの姿で寢ているしの旦那様のにキス――――ではなく朝一番を頂戴ししぼりとり、ぱぱぱっと仕事へ行く準備を済ませて屋敷を出る。出る際に旦那様に行ってらっしゃいって言ってもらっちゃった。
前までは獨の一人暮らしだったから朝起きても傍には誰もいないし、家を出ても見送りの聲は無かったからすっごく今が幸せ。旦那様には他にも奧様がいるけど仲は良好だし不満なんて一切ない。
「おっはようございまーす!」
冒険者ギルドにって元気よく挨拶。朝早くから働く他の職員さんや冒険者さんからの快い挨拶が返って來た。うん、やっぱりこの仕事続けててよかったなあ。
「リーフェおはよう」
「ルルちゃんおっはよー」
付の席に著くと隣にいたルルちゃんに聲をかけられた。私と同じ時期にって來た彼は職場において一番仲がいい。食事とかも大は一緒にするし暇な時間はよく話している。
「今日は相當暇になると思うよ」
「え、どうして?」
「騎士団の公開訓練があるみたいだからね」
「ああ、今日だったっけ。そういえばレオン君が愚癡ってたなぁ。恒例の行事とはいえやりたくないって」
公開訓練とは騎士団が普段はどんな訓練をしているかというのを皆に見てもらおうという、騎士団では恒例になった行事。小さい子どもなんかがその姿を見て、格好いい! 僕も騎士団にりたい! って風に騎士に憧れるのはお決まり。それに國の皆を守る為に頑張ってます! というのをアピールするためでもあるって聞いた。
その後には模擬戦が控えている。見學に來た人たちから立候補を募って実際に騎士と手合わせしてみようというもの。子供達が元気よく立候補して、もちろん騎士の人達が手加減しながらも勝つんだけど、これから頑張って長して將來は一緒に國を守ろうなって締めるのがこれまたお決まり。
だけどここで大の大人たちまで參加し始めてくる。というよりかは力自慢の荒くれ冒険者の人達。それがいつしか見世みたいになって大の人達は歓楽気分で見に行ってしまうから今日は付嬢の仕事がなくなるのかな。
多分レオン君が面倒臭がっていたのはその相手をすることになるからだと思う。私にはどうすることもできないから心の中で応援しておこうっと。
「それにほら、王様にソフィ様もいるじゃない? 人目當てで行く男たちも多そう」
「確かに」
アリスちゃんもソフィちゃんも綺麗だからなあ。スタイルも抜群だし完されたってじ。
「どんどん綺麗になっていくよねぇ、あの二人」
「うらやましいよねぇ……」
「いやいやいや、リーフェも會う度に綺麗になってるからね?」
「え、そう?」
レオン君の周りは綺麗で可い子ばっかりだからいまいち自信が持てないんだよね。私だって一応は綺麗でいようと々と努力はしてるけど。
……あ。
「でも昨晩にレオン君に綺麗だって言われたなぁ」
「よかったねリーフェ」
「うん! 嬉しすぎて聲出すのが我慢できなくなっちゃった」
「……うん?」
「いつもは私から攻めてたからたまには任せてくれって言われてね、されるがままになっちゃったけど凄かったなぁ。やっぱりレオン君も男の子なんだよね」
「急に惚気始めましたよこの子。しかも夜の生活について」
どうにか意識を保つので一杯だったし、またされたら耐えられなさそう。でもそれはそれで幸せだろうな。
「今朝だって生理現象? で大きくなってたから収まるように手伝ってあげたの。朝からいいことあったなぁ」
「ねぇ? なんで私は夫婦の事の話を聞かなきゃいけないの? ねぇ?」
「この前のデートでは私に似合う服を選んでくれたの! 素材がいいから選び甲斐があるってさりげなく褒めてくれて、もうがキュンキュンだったよ!」
「リーフェが行き遅れを気にしてたからやっと相手が出來て嬉しいのも分かった。三年目でも夫婦仲がいいのも分かった。だけど私に惚気るのはやめて?」
「お禮に私も服を選んであげたんだけど本人は遠慮しちゃって、でも――――ん? ルルちゃん何か言った?」
「なんでもないです………」
なんでうなだれてるんだろう。寢不足なのかな?
不思議に思っていると付に人が來たので対応する。話に夢中になってたけど今は仕事中だもんね。気合れて頑張ろう!
※※※
「リーフェ、お晝の時間だ」
「あれ?レオン君?」
そろそろお晝ご飯だなーと思っていたら思いがけない人が訪れてきた。公開訓練で來れないはずじゃ?
「晝休憩にった途端にに囲まれて居辛くてなぁ」
要するにモテモテすぎて困ってたから逃げてきたと。會いに來てくれたのを喜ぶべきか、に囲まれてたことを責めるべきか。
「というわけで一緒に飯でも行こうか」
「うん!」
許してあげよう、うん。チョロいなぁ私。
その後レオン君と一緒に食事を取ると、別れてそれぞれの仕事に戻った。
「リーフェおかえり。外食?」
「うん。レオン君と行ってきたんだぁ」
「へぇ、わざわざ來てくれたんだね」
「そうなんだよ! しかも私の好みを覚えてて店を選んでくれたんだ!」
「そうですか……」
味しかったなあのお店。今度もう一度連れて行ってもらおうかな。
「それにしてもリーフェの話を聞いてると、旦那さんは気遣いが上手いんだね」
「俺は恵まれすぎてるからしでも返せるように、だったかな? そんなこと言ってたよ」
「はー、私も良い相手見つからないかなぁ」
「頑張れルルちゃん!」
私は応援するからね!
終業時間を迎えて私は帰路についていた。賑やかな街並みを歩いていると見慣れた後ろ姿を発見した。
「レオン君! お疲れ様!」
「リーフェか、お疲れ様」
隣に並んで腕に抱き著く。レオン君は澄まし顔をしてるけどちょっとだけ頬が赤いのが微笑ましい。
こうやって誰かと話しながら、しかもそれが求め続けてた旦那様なんて、改めて今の環境に謝をしなきゃね。
屋敷へと辿り著くと一足先にレオン君が中にり、こっちを向いてきた。
「おかえりなさい、リーフェ」
私はエルフだからレオン君よりも長生きするだろう。看取ることになるだろうし、それは考えるだけでも辛いこと。
だからこそ、今の幸せを噛み締め続けよう。おかえりって迎えてくれる大事な存在がいてくれる時間を。
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