《絶対守護者の學園生活記》チート集団
新婚旅行が始まって一週間が経った。こちらの世界の知識を頭に詰め込んだ嫁達は早速街へと買いに繰り出し、服や小を潤沢な資金によって買い集め、日本の生活に馴染み始めている。
食事も近場のレストランや料亭などを中心に、様々なものを楽しんだ。俺にとっては懐かしいなあと思う料理も嫁達にとっては新鮮でかなり味であったこともあり、驚きの連続だったらしい。カレンなんかは味を盜んでやろうとメモまでとっていた。
そして今日。俺達は大型アミューズメントパークに遊びに來ていた。ボーリング場やバッティングセンター、ゲームセンターにカラオケ等々、學生時代にはよくお世話になった場所だ。珍しさに皆はキョロキョロしている。
當然ながら俺が先導して周ることとなる。カラオケは曲を知ってないと無理だから候補から外すとして……ボーリングにするか。
軽くルールを説明し、すぐに始める。ミーナとリーゼさんは見學するようだ。隣り合った二レーンに四人ずつで分かれる。ちなみにこんな分かれ方だ。
・第一レーン 俺、アリス、リリィ、リーフェさん
・第二レーン カレン、シャル、ソフィ、クー
そして折角二つに分かれたのだからと、ある提案をしてみる。
「スコアで勝負だ!」
「むところよ!」
どっちがより高スコアを出せるかの勝負。俺は経験者なので不參加、クーも子供だし不參加だ。それぞれのチームで最も高スコアを出した人のスコアを比べて勝敗を決める。敗北チームは勝者チームの言うことを一つ聞くという罰ゲーム付きだ。
きっとワイワイと楽しいものになるだろう。俺はそんなことを思っていた。
そしてそれは的中した。球を放り、倒れたピンを見て一喜一憂する嫁達はたしかに楽しそうだし輝いていた。
だけどしだけ待ってほしい。
「ふん!」
ドーン!!!
アリスの気合の一聲と共に投げられた球が転がることなく・・・・・・・発音のような豪快な音をたててピンに命中。転がすというか、完全にピッチングになってる。この球であのピンを倒すって説明した俺が悪いのかな?でも普通転がすって考えに至るよね?そもそも重すぎて投げれないと思うんだけど?
「ほっ!」
ソフィが球を投げる。アリスとは違って球はしっかりと転がすが、何かがおかしい。
ヒュッ!
俺の耳に風を切る音が屆いた。ソフィが投げたと思った瞬間には既にピンが倒れていた。わずか瞬き程度の時間。どう考えても風魔法でブーストしている。
そうだ、忘れていた。
こいつらは異世界生まれのチートの集まりだったんだ。
能力もずば抜けており、魔法という超常的な力を使う。こちらの常識で考えちゃいけなかったんだ。
気まず過ぎて早く時間が過ぎることを祈った。神様の力によって認識阻害がかけられ、俺達の存在は認識されるが何をしているかについては認識が曖昧になるという。だからさっきから異次元ボーリングをしてても周りの人たちは反応しないのだ。
それでも気まずいことに変わりはないけど。
ついでにクーは二刀流(二球流?)だった。
遊びに來てあまり時間は経ってないが、俺は既に疲れ切っていた。
はぁ……
※※※
最終的に勝ったのはカレンチームだった。罰ゲームは後回しにするとして、他を周ることになった。
バッティングセンター。
皆は球は目で追えるもののスイングがおぼつかないじだったが、次第にコツ摑み始めガンガン前へ強烈な打球を飛ばしていた。
ダーツ
投げナイフに似た要領だとか言って皆はバシバシと的に當てていた。そんな簡単に出來るもんじゃないと思うんだけど……。
ゲームセンターのガンシューティング。
一面クリアするごとに代でやった。全員反神経が良すぎて敵が出てきた瞬間に攻撃、即撃破でゲームが恐ろしいほどの速さで進んでいった。
他にも々とやったがやはりこいつらチートだなという想しか出なかった。
……平和だなあ。
そして一通り遊び終わり、俺達は帰宅した。皆満足げな表だ。
「こっちの世界は娯楽が多くて楽しいですねぇ」
ミーナの尾をモフっているとシャルがそう言う。
「まあ時間はたくさんあるし他にもんなところに連れてってやるよ」
「それは楽しみです。ねえリーゼ?」
「そうですね。レオン君、お茶をどうぞ」
「ありがとうリーゼさん」
冷たいお茶を一飲みし、次の行き先を考える。そういえば日本に來る前に皆からリクエストを聞いたんだっけな。たしかカレンが料理が味しいところが良いって言ってたような……
……よし、決めた。
次の目的地は食い倒れの街。大阪に旅行だ!
新婚旅行中に旅行とはこれ如何に。
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