《職業魔王にジョブチェンジ~それでも俺は天使です~》人に信じて貰うのは難しく、また、人を信じるのも難しい

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綺麗な笛の音と、聖屬霊の輝きのなかソフィアの顔は優れなかった。

――わからない……。

にはどちらが本當のクレアシオンかわからなくなっていた。エレノアたちといるときの顔、死んでも彼が生きている限り復活できる自分に武を與えてくれたり、休ませてくれる優しさ、魔を顔変えずに殺していく殘さ、見ず知らずの他人の死を悲しみ、弔う姿。そのあと見せた敵に容赦けない冷酷な笑み――――ソフィアにはクレアシオンはとても歪に見えた。どれが本當の姿なのか、わからなくなった。

『わ~』

『きれ~』

『あはは』

『きれい』

霊がクレアシオンの周りに霊が集まっていた。霊は心の綺麗な者や、清浄な場所にしかいないと言われている。

「あの、しいいかしら?」

ソフィアは自分を橫切ろうとしていた霊に話しかけた。話しかけられた霊は彼の前をし漂い、小さな手のひらサイズの子供の姿になった。

『なぁ~に?』

霊は自分達に似ている雰囲気を持つが大きさが違うソフィアに興味を不思議そうに眺めてから聞き返してきた。

「あなた達が綺麗っていってるものはなにかしら?」

霊はし考えるような仕草をすると

『あの子、きれ~』

霊はクレアシオンを指差しながら綺麗と言う。ソフィアに興味を持ったらしい霊も集まってきて口々に綺麗だと言う。

「何が綺麗なの?」

いまいち要領を得ない返答にソフィアは再び聞き直すと、

『う~ん』

『きらきら?もええてる』

『あお』

『あか』

『われそうできれい』

象的な答えしか返ってこなかった。霊は純粋な子供みたいなものだ。まともな答えが返ってこないのも仕方がない。いや、會話がり立っていることすら珍しい。霊に話しかけても無視して消えてしまうか、いたずらをされるだけ、ということの方が多いのだ。

「……燃えてる、赤、……青。……霊眼……ですか」

霊眼とは霊種――稀に人でも――が持つ、魂を見ることができる眼だ。魂を直接見ることによって、その魂の持ち主の格を知ることができる魔眼の一種のことだ。ソフィアが【実化】や他のスキルを取得するために手放したユニークスキル……。もし、自分が霊眼を手放していなければ、クレアシオンのことをもうしわかったかも知れない、と考えてしまう。

霊達はクレアシオンのいる方向に行ってしまった。霊の答えはソフィアを余計にわからなくさせてしまった。

◆◇◆◇◆

焚きの炎がクレアシオンとソフィアの顔を照らす。パチパチと火のが舞う中、クレアシオンは焚き火の燈りを頼りにオークを捌いて料理をしていた。オーク等の弱くとも食材として扱われるような魔は暴食のアギトで食べるよりも直接食べた方が得られるステータスは変わらないが、エネルギーは多くるのだ。

「食べるか?」

「……いえ、私は……」

クレアシオンがオークの香草焼きを差し出してくる。確かにいい匂いがして食を刺激されるような料理だが、ソフィアはそれを斷った。

「……たしかに、あれを見たあとじゃ、食べたくないよな」

「……すみません」

「いや、いいよ。オークは食べない人も多いし」

オークに殺されたの死をみたばかりだ。食べたくないのが普通だろう。オークは他種族の雌を連れ去り苗床にする。それは多くの場合は野生のや他の魔だ。だが、先程のオークの集落のように稀に人をさらって苗床にすることがある。そのことから人形をしていることも合わさり、食べることを拒絶する者も多い。

「これでも食べとけ」

そう言ってクレアシオンは果をソフィアに投げ渡した。彼はそれをけとり、その果を手に取り、それをし眺めたあと、

「――ご主人様……、しいいですか?」

意を決して、直接聞くことに決めた。

「私には……ご主人様がわかりません」

今までの違和を取り除くために、だが、

「?俺は天使と魔王の二足のわらじで生きてる天使だけど?」

クレアシオンはそう言った。その答えにからかわれてると思ったのか

「そう言うことじゃありません!!私には……私はご主人様の考えてる事がわからないんです!!」

んでしまった。先程までの狩の時に見せた殺気はエレノアに向けていた優しさも家族との會話の様子からとても想像できるようなものじゃ無かった。彼には合間見えない二つの顔を持っているように寫ったのだ。

クレアシオンはし考えた後、

「……そりゃ、出會って直ぐにはわからないだろ?」

確かにそれはそうだ。出會って直ぐにはその人となりはわからない。だが、彼のクレアシオンへの疑念は募りに募っていた。ステータスに始まり、疑いだしたら切りがない。そして、オークリーダーとの戦闘が止めとなってしまっていた。

「……私には……ご主人様を信じていいのか……わからないのです」

クレアシオンが食べていた手を止めて、ホークと皿を置いた。

「――っ!?すみません。眷屬にあるまじき言を……」

は直ぐに自分の失言を取り繕おうとした。だが、彼はただ、彼を見定める、と思いながら、心のどこかで信じたかったのだ。エレノアと楽しそうに遊んでいるときの優しさ、自分に杖と短剣を渡してくれた時にかけられた言葉を……。死者にかけた弔いの言葉を噓だと思いたく無かったのだ。

「いや、いいよ。……それは、俺をしでも理解しようとしてくれているってことだから……」

そう言ったクレアシオンの表にはりがあった。

「……ご主人様」

ソフィアはし、悩み、言葉を選びながら言った。

「……燃えてますよ」

「……え!?」

燃えてますよ、と。そう、クレアシオンの背中が燃えていたのだ。わりとシリアスな話をしていたと言うのに、彼は真面目な顔をしながら背中を燃やしていたのだ。恐らく、火のが彼の服に引火したのだろう。

「あっつ!?熱!?……いや、そうでも……やっぱり、熱い!!」

火に対する耐が微妙にあったからか気づくのが遅くなったのだろう。彼は火を消そうとゴロゴロと転がり回って火を消そうとしていたが中々消えない。

「焼ける。天使焼きが焼き上がる!!」

消そうとしている間に焚き火に突っ込んでしまい炎上していた。パニックに陥ったのか訳のわからない事をのたまっている。天使焼きってお菓子はなんかありそうだな。

「……はっ!?」

ソフィアはあまりの事に意識をフライアウェイしてしまっていた。気がつくと一方的にオークを殺しまくっていた彼の主が自滅仕掛けていた。

「――――――――――――ウォーター」

「はぁ……、はぁ、助かった……」

のウォーターでクレアシオンを燃やしていた火は消えた。スキルレベルの低い彼の魔法は長めの詠唱を必要としたため、詠唱している間も彼は燃え続けていたが他意はない。……無いはずだ。……多分。彼のはレベルが上がったからか、軽度の火傷をしているだけだった。

「……ヒール。……もう、寢る」

「……それがいいと思います。私は……し考えさせてください」

もう、真剣な話しをする空気じゃ無くなってしまった。ソフィアは実化をとき、どこかにいってしまった。クレアシオンは燃えてだらけの服をどうするか悩みながら、コシュタ・バワーを作り出し背中に乗って帰途につく。その焦げて水に濡れた後ろ姿はまるで敗殘兵の様だった。

◆◇◆◇◆

――ご主人様を信じていいのか……わからないのです。

ソフィアの事を考えながらクレアシオンはコシュタ・バワーに揺られていた。その言葉は深くクレアシオンに突き刺さっていたのだ。

「信じていいのかわからない、……か。まぁ、あれを見せられたらそうなるよな……」

神界でも、クレアシオンは魔王と言うことであること無いこと言われてきた。その言ってる者達はろくに知ろうともせず、彼の悪い噂を信じ、離れていった。それに、そんな奴等に態々、説明してまで理解してもらおうとは彼は思わなかった。だが、

「思い詰めてたよな……」

ソフィアの場合は、クレアシオンを信じようとして、理解しようとして、そして、わからなくなってしまっていた。

「信じてくれ、で信じた、て言うような簡単な話じゃないし……」

の信じていいか?と言う問いに、何を言っていいかわからなかった。自分の考えを一方的に話すのは簡単だ。だが、信じて貰えるかは別の問題だ。むしろ、疑われる可能の方が高い。それに、はい信じました。と言われた方が疑った方がいいだろう。

「信用は積み重ねだし、行で示すしか……いや、その行で疑われてるのか……はぁ」

に信じて貰うには変に説得しようと語るより、信じて貰えるような行をするしか無いだろう。だが、彼の考え方は変えるつもりはない。いや、変えられない。変えてはいけない。

彼は悩みながら帰っていった。服が燃えていた事を完全に忘れるぐらいには真剣に悩んでいた。

次の朝、サラにめちゃくちゃ怒られたのは言うまでも無かった。

ありがとうございました。

見切り発車で十萬文字越えました。

そして、ごめんなさい。シリアスに耐えられませんでした。

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