《努力という名の才能を手に異世界を生き抜く〜異世界チート?そんなのは必要ない!〜》ウォンと共に
ウォンさんが來てから6日目の午後
「ほれ!走れ走れ〜」
「ハアハア、は、はい〜」
ウォンさんが來てから6日が経った。
俺はウォンさんが來て2日目からウォンさんと一緒に毎日1時間を走り腕立て、腹筋、スクワットを100回ずつ行なっている。
とても3歳児にやることではない。というか普通の3歳児に出來るはずもないことを俺は今こなしている。
いつ戦爭が始まり殺されるかもわからないのだ、その日までに1秒でも早く強くならなければならない。
あのゲス神にあったらザマぁみろと言ってやるためにな。
「ほら、どうした?いつもよりペースが遅いぞ」
「ハアハア、ウォンさん…毎日こんなに走ってたら筋痛になってペースが遅くなるなんて當たり前じゃないですか」
「それを克服してこそ強くなれるんだ!泣き言言わず走りきれ!」
「はい!すいません!」
ウォンさんの論を走っている最中後ろから永遠と聞かされ日課の走り込みが終わった。
「はー、新しいを一から鍛え直すなって大変だなー」
俺は昔ので行なっていた走り込みを思い出す。
なんで前のの時走り込みしてたんだっけ?ガリ勉って馬鹿にされたからだっけか?
「ん?ギル坊なんか言ったか?」
「なんでもないよ。次は腕立てだよね?」
「そうだが、し休憩するか?」
「大丈夫だよ。ウォンさんとの訓練の時間だってもうししかないからね。早く基礎を抜けて技の1つでも教えてもらいたいからね!」
「ガッハッハ!俺の技はそんな簡単に教えられるもんじゃねえよ。ちゃんと土臺となるがしっかりしてなきゃな」
「一年頑張れば基礎はできるでしょ?」
「まあな、じゃあ一年後教えてやる。ここにその時いるかもわからんがな!ガッハッハ!」
「いいよ!一年後には必ず教えてもらうからね!」
ククク、俺にはちょっと考えがあるんだ。絶対一年後いや數ヶ月後には教えてもらう!
その後腕立て、腹筋、スクワットを終わらし夕飯になった。
「母さん、話したいことがあるんだ」
「どうしたの?ギル、何かしいものでもあるの?」
「いや、そういう話じゃなくて、その…俺、ウォンさんと一緒に明日家を出たいんだ!」
ブフッ!
俺がいうとウォンさん、ついでに親父が口にれてたを吐き出す。
「…?ギルどういうこと?」
母さんも俺の言ってることが理解できずに固まっている。
「俺もっと強くなりたいんだ!だからそのためにウォンさんに々教えてもらいたいんだ!」
「駄目よ」
「え…」
母さんがいつにもなく低いそして暗い気持ちのこもった聲で話す。
「ギル、あなた自分が何を言ってるのかわかってるの?あなたは確かにその歳にしてはとても賢いわ。でもね、それでもあなたは子供なのよ?子供は子供らしく遊んでいなさい。馬鹿なことは言わないで」
「でも!」
「でもじゃありません!ギル、あなたは何も知らないだけなの。男の子は強さに憧れるものだっていうのはよくわかるわ。ここにいるあなたのお父さんもそうだったしね。賢いギルにだからこそ言うわ。強さを手にれてもいいことなんて1つもない。悲しみが増えるだけなの」
「………」
俺は母さんの迫力に負け黙る。
ここで自分が転生者と言えばどんなに楽だろうか。
でもそんなこと言ったら一どんな目で見られるのだろうか?何故今まで黙っていたと蔑むのだろうか。
俺のせいで生まれたこの靜寂を切り裂く一言が意外な人から放たれた。
「別にいいんじゃないか?行っても」
「あなた!?」
「…父さん?」
親父が紅茶を飲みながらなんてこともないような表で話し始める。
「いや、確かに突然のことで驚いたが別に家を出ようがそれは本人の自由だろ?」
「そんな、あなたギルはまだ3歳なのよ?「その3歳にお前はなんで自分の見た慘劇を教え込んでんだ?」…そ、それはそうなってしくなくて…」
「それを決めるのはギルだろ?ギルはまだ何も知らないんだ。それをこの先どう決めるかは本人の自由だ。それに他人の話から知るんじゃなくて自分の見た景を知るべきじゃないのか?」
「で、でも…」
「シエル安心しろよ、出て行くって言ってもウォンがついてんいるんだからな。ウォンと一緒ならまず襲われて死ぬことはないだろ」
「それはもちろんだぞ」
親父にウォンさんが相槌を打つ。
「母さん、俺強くなりたいんだ。どうしても…どうしても強くならなきゃいけないんだ!だからお願いします!どうか許可をください!」
俺は頭を下げる。
「…ハァ、夕飯早く食べなさい。冷めちゃうわ。…荷は今から準備するわね」
「母さん!ありがとう!」
母さんが俺を抱き上げ
「…重くなったわね。ギル、明日、家を出る代わりに今日は親子3人で寢るわよ。いい?」
「はい!」
「フフ、じゃあ食事済ませなさいよ」
母さんはにっこりと微笑んで俺を椅子におろし部屋を出て行く。
母さんがいなくなると親父が
「ギル、しっかり手紙出すんだぞ」
「もちろんです」
「15歳になった貴族は必ず一度パーティーに參加しなくてはいけないからな。その歳になるまでには必ず帰ってこい」
「わかりました」
「それと…」
「おいおい、グラド。心配しすぎだろ」
ウォンさんのその言葉を合図に親父がブワッと泣き出す。
「だってさ!だって!心配だもん!もし食獣が現れて襲われたら?子どもを狙う人さらいに捕まったら?そう思うと心配で心配で!」
親父は俺に泣きついてくる。
「大丈夫ですよ父さん。必ず帰ってきますから」
「絶対だぞ!?絶対帰ってくるんだぞ!?」
「ははは、わかりましたから鼻水拭いてください。みっともないですよ」
「ああ、悪い…絶対帰れよ?」
「はい」
その後ウォンさんは客用の寢室に行き俺たち家族でベットに3人川の字で寢た。
なんか母さんの抱きしめ方がいつもより強くそして溫かくじた。
………翌朝
「じゃあ母さん、父さん行ってきます」
「ええ、行ってらっしゃい」
「無事に帰ってこいよ」
「はい!」
「よし、行くぞ。ギル坊」
「わかった。じゃあ改めて、行ってきます!」
「「行ってらっしゃい」」
俺はカバンを背負おうとするがウォンさんが代わりに持ってくれて2人で家を出た。
目指すはウォンさんの住まいのある獣人、人獣族の里だ。
振り返ることもせず俺はウォンさんと共に前に歩き出した。
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