「それで何を話したらいいんですか？」

俺は隣に立っているエリザベス王を見てしめんどくさそうにする。

「フフフ…ちょっと待って…あはは！」

エリザベス王は突然笑い出す。

「え…どうしたんですか？エリザベス王」

俺は突然笑い出した王をし不気味に思いながら引き気味にたずねる。

エリザベス王は笑い泣きして流れた涙を指でふき取る。

「あはは…はー、ごめんね。いやーなんか自分で喋ってて馬鹿らしくなっちゃってさ。貴族相手だとなんとも思わないけど同じ転生者ってことは同じクラスの人でしょ？そう思ったら私の喋り方が可笑しくて…プフフ」

「は、はぁ」

エリザベス王はしばらく笑い続け落ち著く。

「そうそう。ここで話すのもいいけどここ寒いから中で話しましょう。合わせたい人たちもいるし」

「合わせたい人たち？」

「さ、行きましょ」

「ちょっ！」

俺はエリザベス王に手を引かれ中に無理やり引きずり込まれる。

中にると貴族達は一斉にこちらを向きコソコソと話し出す。

口のきを見て話してる容は大わかったが何故あのり上がり貴族ごときが王の橫に？さらに手まで

…みたいなことを言っているようだ。

エリザベス王は手を叩く。

すると照明が消えまたエリザベス王向けてライトが照らされる。

「皆さん楽しんでいただけるでしょうか？これからですが前回の私の10歳の誕生日會と同じように私が選んだ年だけを招待する二次會を開催いたします。ですので選ばれなかった方々は申し訳ありませんが本日はここまででお開きとさせていただきます」

エリザベス王は紙を取り出し口を開く。

「まずカシムス・ストルニア」

「はい！」

エリザベス王の聲のすぐに男の返事が響く。

聲のした方を見るとピッチリ七三分けにした赤の混じった茶髪に真面目そうな顔つきの男が真っ直ぐ微だにせず立っていた。

「ふむ。さすが我が息子呼ばれるのも當然だな」

「お褒めいただきありがとうございます父上！」

「うむ良い返事だ」

男は父と呼んだ人に一禮をすると兵に連れられ奧の部屋へと連れていかれた。

る程こんな風に呼ばれていくのか。

エリザベス王は続けて読み上げていく。

「次にランス・アダドーロ」

「はーい」

ランスが呼ばれ俺はし驚いたがランス自は當然と言わんばかりに悠々と會場を出て行った。

「シャルラ・ペンタマリア」

「はい」

今度呼ばれたのはでさが殘った小柄なと呼べる顔つきだ。

好きの紳士にモテそうだな…

「テストロ・サイラス」

「ブフフ…おい行くぞ」

「「「はい」」」

「…はい」

次はギトギトな脂がテカる顔に長より橫幅の方がでかい一言で言うと醜悪な男だ。

その男は鎖に繋いだ奴隷のような男3人に1人を引っ張り會場を出て行った。

「そして最後にエギル・ルーカス」

「…へ？俺？」

俺は自分が呼ばれエリザベス王をみるとエリザベス王はにこりと笑う。

「ええ、さあ行きましょうか」

「はぁ…」

「お待ちくださいませ！」

俺がエリザベス王に連れられ會場を出ようとすると突然聲をかけられ王が止まる。

「なんでしょうか？…リック・フラギール」

リックは片膝を床について頭を下げ跪く。

「お名前を覚えていただき栄です。それで１つ質問なのですが…」

「許可いたします」

「ありがとうございます。では…何故私が呼ばれずこのようなり上がり貴族風が呼ばれるのでしょうか。納得できません」

「それはこのエギル・ルーカスには呼ばれるべき素質があるからですよ」

「それはなんなのでしょうか？」

「それは…」

エリザベス王は助けを求めてチラチラと俺をみる。

「…武」

俺はエリザベス王の耳元に口を近づきボソッと呟く。

エリザベス王は理解して

「彼には武の素質があるのです。私を守る壁という素質が」

まあそれが1番いい理由だよな。気にくわないが

リックはそれを聞くと目をギラつかせ立ち上がる。

「それではなおさらです！私は貴族の中ではトップクラスの武の達人と豪語しております！それでも私ではなくあの者を選ぶとなれば私にも考えがございます！」

「考え？」

エリザベス王は首をかしげる。

「勝負です！私とあの者の一対一の！」

「うーん…」

エリザベス王は俺を見て大丈夫？と言いたげな顔をする。

俺はため息をつく。

「はあ…別に構いませんよ。さっさと終わらせて行きましょうか」

「な！…貴様舐めてるのか！」

「そういうのはいいから…ほらさっさとかかってこいよ」

俺はリックを挑発する。

それにまんまとかかりリックは飛び込んでくる。

「貴様！」

リックは右拳をにぎり俺に毆りかかる。

俺はそれを避けリックに右フックをしようとするがそれをリックは左膝と左肘で拳を挾めけ止める。

このトリッキーな止め方は…武神流か。

ならさっさと終わりそうだな。

「ふん！貴様の実力はこんなものか！」

「いや、まだまだだ」

俺は殘った左手に闘気を込めリックを毆る。

「くっ！」

リックは右手で俺の左手首をけ止める。

「はははは！この程度か！」

「終わりだぞ？」

「は？」

俺は握った左手を広げ指に爪の闘気を込め五本の空爪をリックの顔に突き刺す。

「グア！？な、なんだ？」

俺はよろめいたリックの首を摑み持ち上げる。

「グ…」

「終わりだな？」

「あ…あ、あ」

俺は手を離す。

「ゲホッ！ガハッガハ…」

「じゃあ行きましょうかエリザベス王」

「ええ」

俺は會場を出る直前に振り向きリックを指差す。

「あ、その顔の傷は全部かすり傷だから傷は殘んないと思うぞ…それでももしかしたらがあるから気をつけろよ」

俺はそういうと會場を出て呼ばれたみんなの待つ部屋へとエリザベス王とともに向かった。