《努力という名の才能を手に異世界を生き抜く〜異世界チート?そんなのは必要ない!〜》奇襲 2
「さてお主が何者なのか名乗ってもらおうか」
アドラは屋の上に立つと屋の上に座り込んでいた黒裝束の人へとたずねる。
その人は格からして男だろう。
男はアドラを一瞥するとすぐに興味を無くしたように目を背け立ち上がりその場を離れようとする。
「これこれ…會話はしっかりとするべきであろう」
「…お前は俺の捕獲対象ではない。それでも邪魔をするならば…お前を処理しなくてはならない。だがめんどくさいから俺には構わないでくれ」
男はそのまま屋を飛び降りようとするがアドラが目の前に立ち塞がる。
男はため息をついアドラを睨みつける。
「はあ…邪魔するなら覚悟はいいんだな?」
「ふふふ、すまぬが妾はマスターの命にてこの家に侵するものは誰であろうと食い止め最悪殺すことも許可されておる。…妾は無視をされるのが嫌いなのだよ。じゃからお主も妾に殺される覚悟はできておろうな?」
アドラは男のを真っ白な手を銃のようにして撃ち抜くふりをする。
男は小馬鹿にされているとわかり額に薄っすらと青筋が浮かび上がる。
「…いい。わかったお前はここで殺してやるよ。命令は部下がとっくに完了しているだろうしな」
「それはどうかの?」
「どういう意味だ?」
「ふふふ、すぐにわかろう。さあ始めるのか?殺し合いを」
「もちろんだ」
男は懐から小刀を取り出す。
一方アドラは素手で棒立ちをして男が向かって來るのを待ってるように見える。
「チッ…どれだけ小馬鹿にしやがるんだ」
「小馬鹿にされたくなければそれ相応の力を示せ」
「言われなくてもお前のような、瞬殺だ」
「そこまでいうならかかってくれば良いだろう」
男は小刀を構えその場から消え去る。
アドラはどこへ行ったのかと辺りを見渡す。
「ほう…どこへ…」
アドラは突然腹に痛みが走る。
いつの間にか男がアドラの目の前まで間合いを詰めていたのだ。
「ふん。雑魚が」
「こ、これは…」
男の持っていた小刀がアドラの腹へと突き刺さる。
男は勝ち誇った顔をしアドラを睨みつけた。
……
「この家か?」
「ああ、間違いない。隊長も先に向かっているらしい」
「よし俺たちも早く行かなくちゃだな」
「俺たちの仕事がなくなっちまうしな」
「よしいくぞ」
男10人組は皆黒裝束で統一されておりまさに隠部隊と呼ぶにふさわしいきで軽々と塀を飛び越え敷地を足音を立てずにスルスルと走り抜け楽々とルーカス家の壁にまでたどり著く。
皆が口を閉じジェスチャーで誰が中を確認するかを決めていく。
1人が中を確認しようと一歩足を踏み出すと地面から突然手が生えてきて足を摑まれる。
「うわっ!な、なんだ!?」
「大聲を出すんじゃねえよ!気づかれんだろ!」
「お前もだよ!」
黒裝束の男たちはしょうもない喧嘩をし出す。
すると最初に大聲を出した男が震えた聲で
「ま、待って!ひ、ひとが…人が這い出てきたんだよ!」
「は?何言って…まじかよ」
男たちは互いに見あったりしたり目をこすったりする。
それもそのはずだ。
なんせ地面から人間が這い出て來る姿を目撃したら誰だって揺するだろう。
這い出てきたのは計5名、5人はゆっくりと立つ。
「お、お前たちはなんなんだ…」
黒裝束の中の1人がなんとか出てきたようなか細いけない聲を出す。
5人の目はピカッ!と赤くる。
黒裝束の男たちはヒイッ!?と皆が驚く。
「誰が…だって?…ふふふ…はっはっはっは!いいだろう!名乗ってやろうではないか!」
5人は皆が皆それぞれポーズをとる。
「腐りかけでも真っ赤な太!腐蝕SUN!」
「腐りかけでも穏やかな海!腐蝕SEA!」
「腐りかけでも包み込む林!腐蝕林!」
「腐りかけでも消えない食!腐食!」
「あら?これはなかなかの素材が揃ってるじゃない…ウフフ…あ、腐蝕LOVE!」
「人が呼ぶ!風が呼ぶ!何を呼ぶ?死を呼ぶ!5人揃って!」
「「「「「腐蝕戦隊 グジュレンジャー!」」」」」
5人は皆が決まったとドヤ顔をする。
一方黒裝束の男たちは
「………は?」×10
この反応である。
5人は集まり小さい聲で急會議を始める。
「おい!どう言うことだよSUN!全然怖気付いてないぞ!」
「うるさいSEA!こんなことになるなんて想像できるか!?あんな大膽な出かたした後にあんなかっこいい決め臺詞言ったのに!」
「やっぱポーズがしょぼかったんじゃないか?」
「うーむ。林もそう思うか…腐食お前はどう思う?」
「俺は…腹が減った…」
「そ、そうか…LOVEは?」
「うふふ…あの子とあの子はなかなか良さそうなカップリングね。いかつい顔つきとおっとりとした顔つき…うふふさいっこう!」
「………仕方ない!ここは実力で圧倒しようではないか!」
「最初からそうすればよかったな…」
「う、うるさい!さあ行くぞ!」
「「「おう!」」」
「ウフフ…はーい」
5人はSUNの掛け聲とともに散開しそれぞれが2人相手するように位置に著く。
「な、なんだ!」
「ふっ!ゆくぞ!SUNの力を見せてやる!腐よ!我が障害を溶かしつくせ!アシッドSUN!」
腐蝕SUNが詠唱を行い詠唱を完了させると腐蝕SUNの頭上に球の緑のが出現する。
「ゆけ!敵を溶かしつくせ!」
SUNの合図とともに緑の球は破裂しSUNの相手である2人のを溶かしていく。
「グアア!!!こ、これは酸!?」
「くそ!風よ!我がに纏え!ウインドアーマー!」
1人は風の鎧を纏い酸を風で弾き飛ばしたがもう片方は酸によりを溶かされうずくまっている。
「ふっ!安心しろ!その酸は痛みは尋常ではないが死なない量で設定し生した!貴様もこれで倒れていればよかったものを!」
「ふざけんな!魔法による攻撃ってことはお前は接近戦に弱いだろ。ハハッ!殘念だったな!俺の得意な戦法は接近戦だ!行くぞ!」
黒裝束の男は素早くきSUNに拳をたたき込もうとする。
「俺がいつ接近戦が不得意といった?」
男の拳はSUNのを捉えSUNのを貫通する。
「ハハハ!なんだ?さっきのは負け惜しみか?」
SUNは自分のを貫いた腕を摑み無理やり引き抜く。
「腐よ…我が拳に宿り敵を打ち砕け アシッドブロー」
SUNの拳から紫のが発生し男の腕を蝕んで行く。
「アガァ!?な、なんだこりゃ!なんでお前生きてんだよ!確かにを貫いたのに…てかお前なんでこんな冷たいんだよ。まるで死んだやつみたいに…」
「正解だ。俺はすでに死んでいる。故にを貫かれようが頭を吹き飛ばされようが腐の魔力を込めてさえもらえれば時間が経てば再生するなのだよ」
それを聞くと男は目を見開き痛みを忘れたかのように立ち盡くす。
「…は…なんだそれ。俺はそんな化け相手にしてんのかよ…そんなの勝てるわけねえだろうが…殺せよ」
「殺しはせん。戦闘不能にさせるだけだ。あとでマスター達も聞きたいこともあるだろうしな」
「…勝手にしてくれ」
男はSUNの言うことに素直に従い最初に倒れた男とともに縛られ魔法を唱えさせないよう猿轡を咬まされその場に放置される。
「ふむ。俺はもう魔力切れか…マスターまた俺に魔力をいれてくれたら嬉しいな」
SUNはそう言うと糸の切れた人形のようにその場に倒れこんだ。
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