《俺の転生は異世界の最兇魔剣だった!?》22 口調は大事
外に出ると、キリカが駆け寄って來た。
「け、ケイト様、お怪我はありませんか?」
どうやら飲み込まれた俺を心配してくれたらしい。本當にいい子だ…………心配されるだけでも癒される………
「ああ、問題ないよ。心配させちゃったかな?」
俺はキリカの頭をでながら言った。そこで咳払いが聞こえた。その聲の主を見ると、聲の主はアルガンスだった。
「さて、じっくりと訊かせて貰おうか」
「アハハハハ……ごめん、言い忘れてた」
「(そうですよ。本當にあのは誰ですか…………」
小聲だったけどキリカがヤキモチを焼くところも可い……後でそのことも一緒に話すか。
「それと面白いもヤツので拾ったからそれも一緒に見せるよ」
「そうなのか。ま、それより先にお前の説明からだけどな」
「分かってるって……って何だ⁉︎」
急に腰回りがキツくなって驚いてしまった。俺は腰に目をやると、キリカが俺の腰に両腕を回していた。毎分で徐々に力が強まって、早く止めないと実化した脊髄が折れる……あ…骨がミシミシ鳴いてきた…………
「あ、あの……キリカ、キリカさん?妬いた事が恥ずかしいのは分かるけどっ‼︎」
言っている途中で更にキツくなった。しかもキリカの頭から湯気が上がり、耳も赤くなっている。これは言うのが失敗だった様だ。
「仕方がない。サナ、代わりに説明を頼む」
俺はそう言った後、脊髄が折れて消滅した。そしてサナはキリカの背後に実化すると、背後から人形を抱く様に抱き付いた。
「な、何ですかこの可い娘は‼︎ケイトめ…貴方とは気が合いそうです……」
――おーいサナさん、全部筒抜けだからなー――
本當に魔剣と聖剣の考える事が分からないし、格も分からん。
「まずは我のことだな。我の名は《魔剣:メラン=サナトス》だ。気軽にサナと呼んでくれても構わん」
――サナさんやい、無理に偉そうな口調にしなくてもいいよ?寧ろ、聲と口調が合ってないよ――
「(う、煩いわよ……私の勝手でしょ」
「魔剣ですか?ケイト様ではなくて?」
「おいおい、まず彼奴は人間ですらなかったのか?」
いや、アルガンス君。そもそも俺が消えた時點で人間じゃないことくらいわかるでしょ。
「そうだ。まずケイトの事だが、簡単に言えば奴は我であり、我は奴だ」
いきなり意味のわからないことを言い始めたよこの娘……頭大丈夫かな?
キリカを背後から抱いたままサナは話続ける。
「元々この剣には我一人の魂が宿っておったのだ。だが最近になってこの剣には二つめの魂が宿った。それが奴だ」
何か、『奴』って言われると悪役にされているじがしてイラつく……あ、でも正義の味方とかの役は良いですから。どうせ偽善者扱いされるし、そもそも向いていないし、面倒臭いし。
「と言うことは、に二つの魂が宿っているのですか?」
「ああ、そうだ。不可能と思えることだが実際は可能だ。現にその存在がこれなのだからな」
サナはそう言いながら腰にある魔剣を揺らす。
これはサナに説明さするのは失敗だったか……キリカとアルガンスの頭にはまだクエスチョンマークがまだ浮いている。
――サナさん、サナさん。その口調を止めないと強制代ね。あ、拒否権とかは存在しないから――
「いや、しかし……」
――よし、えーっと〈実化〉の説明は……うん、やっぱり代は可能だね――
「わ、分かった。分かったからせめて験できなかった外の世界をしの間だけ自分で歩く事を許してくれ!お願いします!」
「あー、何となくケイトが脅している事がわかった」
酷いなアルガンス君。これは脅しとは言わないのに……脅しは、相手に害悪を及ぼす意思でやるじの事だよ。俺はただ、お願いみたいなことをしただけなのに。
「コホンッ、では改めて本題に移りましょう。では、まず私とケイトの関係ですが、ただの同じに居た魂です。それまでは〈実化〉のスキルが使えませんでしたが、ケイトの魂が私のに宿って追加されました。しかし、に魂が宿らなくなると何が起こるか分からないので、私が実化する時だけケイトがに戻ります。まぁ、私はあまり実化しませんので、通常はケイトです」
うん、口調がその方がスラスラと言えている。それにキリカ達も話に追いついている様だ。
「次に今回のあの魔の討伐に取った行ですが、理由はとてもシンプルです。それは外からだとダメージがりにくいから中の方がより大きいダメージを與える事ができるのではと考えたからです。それでお土産もあります」
うん、理解が早い子は好きだよ。手を煩わせないからね。
でもお土産の事は俺が話したい。だから変わってもらおう。
――サナさん代ね。お土産の事は俺が話す。その代わりだが、王都に著いた一日目は自由行にさせてやる――
「分かった。今、代する」
サナはそう言ってすぐに代する。どんだけ外を歩きたかったんだよ…………それに喰いつくとは思わなかった………
「てな訳でお土産については俺から話す。先ずは馬車にってからだけどね」
もうは落ちた。このまま進んでも魔は出ないだろうが、夜の森の道は危険だ。今夜はここで馬車を止めるしかない。
「で、お土産なんだけど、アイツので拾ったなんだが……これかな?」
俺はアレの核心臓を間違えて取り出してしまった。
「ああごめん、目違えた。こっちこっち」
そして俺はヒビがったしフルフルと震えている卵を取り出した。
6/15発売【書籍化】番外編2本完結「わたしと隣の和菓子さま」(舊「和菓子さま 剣士さま」)
「わたしと隣の和菓子さま」は、アルファポリスさま主催、第三回青春小説大賞の読者賞受賞作品「和菓子さま 剣士さま」を改題した作品です。 2022年6月15日(偶然にも6/16の「和菓子の日」の前日)に、KADOKAWA富士見L文庫さまより刊行されました。書籍版は、戀愛風味を足して大幅に加筆修正を行いました。 書籍発行記念で番外編を2本掲載します。 1本目「青い柿、青い心」(3話完結) 2本目「嵐を呼ぶ水無月」(全7話完結) ♢♢♢ 高三でようやく青春することができた慶子さんと和菓子屋の若旦那(?)との未知との遭遇な物語。 物語は三月から始まり、ひと月ごとの読み切りで進んで行きます。 和菓子に魅せられた女の子の目を通して、季節の和菓子(上生菓子)も出てきます。 また、剣道部での様子や、そこでの仲間とのあれこれも展開していきます。 番外編の主人公は、慶子とその周りの人たちです。 ※2021年4月 「前に進む、鈴木學君の三月」(鈴木學) ※2021年5月 「ハザクラ、ハザクラ、桜餅」(柏木伸二郎 慶子父) ※2021年5月 「餡子嫌いの若鮎」(田中那美 學の実母) ※2021年6月 「青い柿 青い心」(呉田充 學と因縁のある剣道部の先輩) ※2021年6月「嵐を呼ぶ水無月」(慶子の大學生編& 學のミニミニ京都レポート)
8 193【書籍化】初戀の人との晴れの日に令嬢は裏切りを知る〜拗らせ公爵は愛を乞う〜
一人目の婚約者から婚約破棄され、もう結婚はできないであろうと思っていた所に幼い頃から憧れていた王國騎士団団長であるレオン=レグルス公爵に求婚されたティツィアーノ(ティツィ)=サルヴィリオ。 しかし、レオン=レグルス公爵との結婚式當日、彼に戀人がいる事を聞いてしまう。 更に、この結婚自體が、「お前のような戦で剣を振り回すような野猿と結婚などしたくない。」と、その他諸々の暴言と言いがかりをつけ、婚約破棄を言い渡して來た元婚約者のアントニオ皇子の工作による物だった事を知る。 この結婚に愛がないことを知ったティツィアーノはある行動に出た。 國境を守るサルヴィリオ辺境伯の娘として、幼い頃からダンスや刺繍などではなく剣を持って育った、令嬢らしからぬ令嬢と、戀をしたことのないハイスペック公爵の勘違いが勘違いを呼び、誤解とすれ違いで空回りする両片思いのドタバタラブコメディです。 ※ティツィアーノと、レオン視點で物語が進んでいきます。 ※ざまぁはおまけ程度ですので、ご了承ください。 ✳︎✳︎✳︎✳︎✳︎ 8/7、8/8 日間ランキング(異世界戀愛)にて5位と表紙入りすることが出來ました。 読んでいただいた皆様に本當に感謝です。 ✳︎✳︎✳︎ 『書籍化』が決まりました。 ひとえに読んでくださった皆様、応援してくださった皆様のおかげです! ありがとうございます! 詳しい情報はまた後日お伝えできるようになったら掲載致します!! 本當にありがとうございました…
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