神は我が子信者を利用している。

故に子信者は、神の心のままにく。

キリカには悪い事をしてしまった。しかし、しい罪悪が全く湧いてこなかった。

「ハァ……昔からそうだ。何かと罪悪というものが湧かない…………」

今日の授業が終了し、放課後。図書館に向かうべく、長い廊下で獨り言をこぼす。

「それは神への信仰が足りないのでは？」

背後・・から聲がした。しかし、會話は自然と続く。

「信仰……ねぇ………一応信じていたらしい神はいたけど今はもういないんだよなぁ……………」

彼以外の神を、俺は信じる気はなかった。だからティーナって言う武の神とかも知らない。お供え？ナニソレオイシイノ？

それに、神は信用出來ない。神を持っているアトラが教會の前を通った時に怯えていた。故に、現段階でこの國で信仰される神々（一柱除く）はグレー。まぁ、その一柱は……ね？そのお供えをする約束したやt（ゲフンゲフン　神様だから白だ。

「なら、私たちの神イーナク様を―――」

「宗教勧はお斷りだ！ってイツノマニ⁉︎」

宗教勧されてやっと気が付いた。聖がいた。しかも真橫・・に。さらに聖は俺の前に周り出た。

「え？今気が付いたのですか？私はてっきり気付いていたのかと……」

いや、本気で気が付きませんでした……はい。てか何で俺は普通に會話していたんだ？普通なら違和をじて直ぐに気が付くのに……やはり、キリカのことがまだ消化不良を起こしているのだろうか？

「………………」

「えっと……本當に気が付かなかったのですか？」

「………………」

「沈黙ですか……」

聞いていて何故かウザったく思えてきた……

「か…し…（ぼそり）」

イラついて思わず口に出た。その言葉を発した時、聖に反応があった。多分聞かれた。ま、わざと聞こえるように言ったのだけど。あ、顔を赤くして震えている。これは黃金の右ストレート確定だ……よし、覚悟を決めて蛇足しながら白狀しよう。

「今……何と？」

「能小説『◯されても諦めない聖と聖のを弄ぶ魔族達』グフッ」

無言の右ストレートがちょうど腰辺りの骨にヒットした。その振が、酸素を補給するために肺に送られた空気中の気がし吐き出させられる。せめて狙うのは鳩尾だろ？何故に骨なんだ……あ、長差か。

「イテテテテ………」

「きゃっ、何⁉︎何この白いのは‼︎」

おそらく素の口調なのだろう。落ち著きのない聲が廊下に響く。彼の顔面には白い大きなワタのようなものがひっついており、今にも彼に噛み付きそうだ。

俺はそのワタをすぐに取り上げ、大切に抱える。

「アトラ、俺は大丈夫だよ。だからその牙を仕舞おうか」

怒りを小刻みにを揺らしながら表現するアトラを優しくでる。それだけでアトラは大人しくなってくれるので、こちらとしても可がり甲斐がある。

「そう、従順な子は好きだよ……で、何で貴はそんなにお預けをくらって寂しそうな雌豚の様な顔をしているんだ？」

「ハッ……そ、そんな訳で無いじゃないですか………そ、それは、私が、い、いい痛ぶられて嬉しいと思ってしまう人みたいじゃないですか！」

そこまでは言ってないのだが……

すると鐘が鳴り響く。すっかりが傾きかけている時間だった。何故だろう。さっきまで歩いていたはずなのだが、歩き始めたところからそれほど距離が離れていない。それに、歩みをこまめに止めたわけでもないのに、疲れが無い。違和が無いほど疲れが無い。

「もうこんな時間でしたか……仕方がありません、私はこれで失禮します。また明日……ですね」

「あ、ああ……」

聖は違和をじず、さらに違和無くその場から去って行ってしまった。

「………………さて、俺たちもそろそろ部屋に帰ろっか」

俺はアトラを抱えながら、與えられた寮の個室に向かった。

寮は寮でも、俺が與えられた部屋は平民の生徒と同じような部屋だった。ただ、學園にいる間はその部屋が固定で使われることはないらしい。その為、落ちて來た貴族の生徒もちらほらと見える。だが、俺には関係ない。鼻から真面目に績を上げる為に勉強するのはつまらないし、學園公認の裏技の様なものを使って部屋のランクをあげようと思う。まぁ、その方法は後程。

部屋にると、寮母さんが掃除をしてくださったらしく、部屋は綺麗なままだった。朝から日暮れまで部屋を放置すればしは埃が溜まるはずだがそれが見えないのが証拠だ。

「さて、もう遅いし寢るか……」

夕食にアキーの果実を食べ終え、暫くしてから床に就く。窓を閉め、部屋に鍵を側から閉め、安眠できる勢になるように仰向けでベッドに潛る。アトラは近くのカゴに蜘蛛の糸で作られたクッションの簡易ベッドにった。蜘蛛もちゃんと睡眠をとるのか分からないが、一応作っておいて正解だった。

「さて………おや…すみ…………」

―カチャリ

窓が開いた音がした。その音で目が醒める。しかし不自然だ。寢る前にちゃんと窓の鍵は掛けたはずだ。それに、俺の部屋は五階だ。

を起こさず、瞼を薄く開き窓に目をやる。

すると、窓には人影があった。月によって影になってしまっているが、外には弱い風が吹いており、月を反する波打った髪は白。そして以前見た彼の寢間著のネグリジェが煽られている。影にある二つの碧の瞳。薄っすらと浮かべる彼の笑みには、俺に彼の神彼を思い起こさせた。華奢な白いの影は、俺が起きていることにはまだ気が付かないで、部屋に侵してきた。

「嗚呼……圭人さんの匂いがする部屋……それに圭人さんの寢息が聞こえる…………ふふっ♡」

彼と彼の神彼らしかぬ臺詞が部屋に小さく響く。影は足音を殺して俺が眠るベッドまで歩み寄った。そして、起きている俺を起こさないように、俺のお腹辺りの上にる。そして、俺の板に両手を添え、俺の心臓の音を聞こうとするように、を預けてきた。

「やっと逢えましたね……圭人さん。このから貴方の匂いがしてから私………嬉しかったですよ。でも、私の意識がはっきりとし始めたのは今夜。それまでは私は貴方にことを知らない、ただ貴方の名前の響きに聞き覚えのある愚かなでした……」

彼はやはり彼の神彼だった。その聲のトーン、その口調。全てが彼の神彼と一致した。

「知っていました？貴方と初めて出會った時、この転生の心のが埋まったのですよ？昇華してそのまま消えるはずだった私が、この世界でこの子に転生した時から私は貴方をしていたのです。あ、でも、貴方の匂いだけが私の意識を呼び覚ましたわけでは無いのですよ？授業中に窓から見た時、私、シャヌアちゃんと話している貴方を見て嫉妬してしまったのです」

どうやら彼の神彼は、あのまま昇華して消えたくはなかったらしい。原因は不明だが、転生してしまった彼の神彼は喪失と共に育った。そして俺がトリガーとなって意識がやっと戻った………そして今、その喪失を埋めようとして俺の部屋に侵してきたというわけか。

「嗚呼、なんでしょうか？このは……貴方がおしくて…とてもおしくてたまりません………誰にも渡したくはない………貴方と話している他のがいた時を想像すると、そのを殺したくてたまらなくなってしまいます。貴方が何処かに行こうとしてしまった時、私はその前に鎖で繋いでおきたくなってしまいます………ですが、それと同時に私は貴方に束縛されたい。されたいのです。私が貴方を束縛してし、貴方が私を束縛してす。そんなの永久機関な関係がしい…………‼︎」

を起こし、俺の顔を覗くように彼の神彼は言った。

「私……狂おしいほど貴方がおしいのです………」

この時思った。これが俗に言う『病んデレ屬』なのかと。メンヘラとはちょっと違う、によって病んでしまった存在。好きな相手が自分以外の異との會話をしていた時、その異を相手から遠ざけるようにしたり、する相手のために自分の手を汚す事を躊躇わなかったり、必要以上にする相手に執著し、自分がその相手を傷つけてしまった時にネガティブな思考になってしまう。あの屬。まだ々と挙げられるが、兎に角メンヘラ屬の次に面倒臭いその屬に違いない。

委員長には、病んデレに用心しておけとは言われたが、俺が原因で彼の神彼はこうなってしまったようだ。だから回避できない。それに、俺はこんなの形でも悪くはないと思った。

「嗚呼……圭人さん…圭人さん圭人さん圭人さん！………んっ」

彼の神彼は寢ているふりをしている俺のに、自分のを當てて、軽めのキスをした。一回……もう一回……さらにもう一回。繰り返す様に彼の神彼は俺の名前を呟いてはとを合わせ俺を求める。

「ふふっ♡……まだ深いのは勇気が出ませんが、念願のキスが出來ました♡」

悪戯が功した子供ような喜びの笑みを彼の神彼は浮かべる。そして再び、とを合わせようとを倒してくる。

俺はそこで一つ、悪戯を思いついた。彼の神彼のが俺のにれそうになった時、俺は彼の神彼を抱くように寢返りを打つ。勿論彼は慌てる。

「んっ、ん……」

「えっ⁉︎あ、ちょ、ちょっと……」

寢返りを打つ時の、息を整える所も再現を忘れない。そして案の定、彼の神彼の心拍數が跳ね上がった。何故分かったかって？そりゃあねぇ、彼の華奢な腕越しに部と部が著しているからねぇ。

「け、圭人さんのか、かか顔が、ここここんなち近くに………！」

俺の寢返りに驚いた様子を俺は薄く開いた瞼から見ていたが、突然襲いかかって來た睡魔に自然と意識が手放された。

［稱號〈異を病んデレ化させる男〉を贈呈されました］

すまねぇ……本當にすまねえ(⌒-⌒; )

このヤンデレ娘で勘弁してくだせぇ……_:(´ཀ`」 ∠):