《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第39話 暴走
===リリ視點========================
(ドゴォーーーン!!!)
エルガさんに全速力で戻っている時に、激しく吹き荒れる風の中でも聞こえた轟音。ルルとかに聞いてみたいけど、風が強すぎてずっと振り落とされないようにを低くして必死にエルガさんの何故か熱くないにしがみついていて、そんな余裕はありません。……どうか無事でいてください!師匠!!
===ユウキ視點========================
「はぁ、はぁ、はぁ」
一気に訪れた魔力切れで、気を失いそうになるが、何とかこらえ、黒い炎で大きな空が出來たように無くなった木々の奧を睨む。奴は黒い炎に飲まれ、黒い炎の勢いで遠くに飛ばされた。黒い炎は対象を燃やしきるまで殘るが、あの神はそれも意味が無さそうにみえる。
「………取り敢えず、ここら辺のは消しとくか」
僅かな魔力で木々に燃え移っていた黒い炎を消す。途端に耐え難い睡魔が襲い、気を失いそうになるが、奴がどうなったかぐらいは見ておきたいな……。重いをい立たせ、ゆっくりと森に出來た所々黒くなり、木々の無い所を進む。
(大丈夫ですか?)
いや、全然。
(今、攻武と一緒に魔力を何とか集めているので、もう暫くすればトドメをさす事ぐらいは出來ますので………)
よろしく頼むな………。
(はいっ!)
それにしても、こんなに追い詰められたのは初めてだ。これまでに本気を出した事は何回かあるが、こんなに追い詰められたのは無かった……。これで奴が死んでなかったら、間違いなく俺は殺されるな………。
そういや、技姫やティフィラはどうなったんだ?意識が朦朧としているから察知出來ないからな。エルガはしっかりとあいつらを安全な場所に連れて行ってくれたか?……まあ、奴が生きていたら、俺は殺され、こんな考えも意味はなくなるな。
いよいよ燃えて無くなった木々の範囲が狹まっていき、魔神領側へと近づいていく。幸いな事に、奴が飛んでいった方向は森の左端にある魔神領の軽い崖がある所で、絶壁とは言えないが、そこそこ高い土壁がある。そのおかけで森から出ていく事は無かったみたいだな。
しすると、崖が見えてきた。所々ひびがっているのは気のせいだと信じたい。そして、漸く土壁が見え、その土壁にめり込んでいる赤髪の男が見えた。所々火傷を負い、溜まりが出來ている。……本來なら骨すら殘らないはずだが、流石は神ってところか………。というかどうしよ。生死が判別しにくいな……。無闇やたらに近づくと、生きていたら不意打ち攻撃で俺が死ぬし、死んでいるならそれでいいんだが……。
(もうし待っていただければ、魔力がある程度回復しますので。それから確認すればいいのでは?)
そうだな、そうしよ。
俺は近くの木にもたれかかり、奴を睨む。暫くそのまま奴を見ていると、奴のがピクリと僅かにいた。
守姫、まだか?
(あと、しです!)
最初は一回だけ僅かにいた程度だったが、徐々にく回數、頻度が上がり、しずつ指先から指全、手から腕と、可領域が広がっていく。
守姫!まだか!?
(あと10秒です!)
そして、遂に………!
(バコォォン!)
奴が出てきた!
(溜まりました!使えるのはせいぜい"雷刀"ぐらいですよ!)
分かった!
俺は右手に雷を纏い、刀のようにく固め、奴の首辺りに突き出す!奴はまだ反応出來ないはず!俺の突きは奴の首に當た………らなかった。何故かというと、俺の手を奴がギリギリで摑んだからだ。
「…………!」
「………済まない」
驚いている俺に投げかけられたのは、何故か謝罪の言葉。奴の顔をよく見ると……奴の顔は顔のちょうど中心辺りで表が分かれていた。右半分は通常通りの寡黙な表だが、明らかに悲しげな表になっており、左半分に至っては、口の端を限界まで吊り上げながら、気味の悪い笑顔になっていた……。
===ルル視點========================
凄い破壊音の後、何も聞こえない。不気味なくらい靜けさがある。
今、私たちは最も破壊されているところにいる。そこにお師匠様がいると思ったから。お師匠様の行方は、犬の耳が生えたエルガさんが匂いを嗅いで探している。姉さんは辺りをウロウロ、オリナはまた気絶している。
「あ、やっぱりこの破壊された所の先だ」
エルガさんは元の人間の姿に戻りながら黒くなっている土や周りの木々の先を指す。
「その先に師匠が………!」
姉さんは吸い込まれるように進み出す。その目は不安で染められていて、に覇気も何もない、親を求める子供のようだった。
「姉さん、焦りはだよ」
「…………!」
私の言葉で漸く正気に戻った姉さん。けど、目はまだ変わってない、弱々しい子供のようだった。
「さあ、進もう。何故かは分からないけど、森の魔は全く見當たらない今のうちに」
「はいっ」「………はい」
エルガさんはオリナを背負いながら先導する。その後を追う私と姉さん。……どこか嫌な予がするけど、行かない訳にはいかない。お師匠様と早く合流して、襲いかかってきた奴らを蹴散らし、あの楽しかった日々に戻るんだ………!!
===ユウキ視點========================
「ぐぅっ!あぁぁぁっ!!」
かなくなった右腕をぶらぶらとさせながら、苦しみ出した神から離れる。奴は俺の手を摑んだ後、あの奴が纏っていた赤黒いを俺に纏わせ、まるで大きな手で握りつぶすかのように圧迫して俺の腕を駄目にしやがった。……幸いな事にすぐに腕から手を離して苦しみ始めたから他はやられなかったが……。
(大丈夫ですか!?ご主人様っ!?)
正直とっても痛ぇ……!
(何なんだ?あれは一………)
さあな?恐らく力の暴走だと思うが……
(………っ!來ますっ!!)
分かってるよっ!!
奴のから赤黒いがれ出し、俺に筋が通ったかのようにしっかりとしたが一斉に襲いかかってくる。それを何とかを反らしたり、ジャンプしたりして躱しているが、もう俺のは限界だ……。いずれが俺を貫くだろう……。どうすれば………!
躱しながら奴の顔を見る。すると、右半分が何か呟いている。読で読むと……
『私の力は"暴走"。……あとしで俺の意識が消える。それまでに何とかしろ』
さっきの苦しそうなび聲からして、奴にはそれなりに激痛が走っていると思ったが、意外と流暢だった。という事は、あれは左半分が苦しんでいるということか………。いや、それが分かっても何が出來る?今の俺の魔力じゃ『魔導』は使えないし、技姫もいない。……どうすれば…………
(あれこれ悩みすぎだ!)
攻武?
(そうですよ!ご主人様には私達がついていますし、それに暫くすれば技姫も來ます!今はそれまでどうするかを考えるべきです!!)
守姫………そうだな、その通りだ。取り敢えず、守姫達はまた魔力を確保してくれ。それまでは何とか逃げる。
((了解!!))
俺は迫り來るを躱しながら奴を観察する。奴のから出ているは貫通、圧ができ、形は変幻自在と考えるとして、狙うのは………抵抗のなそうな右側かな。
「つ~かまえた!」
「……!しまったっ!!」
観察に夢中で、いつの間にか左太ももをが貫通していて、そのまま俺を持ち上げると、ここに來るのに通って來た焼卻された後のある地面が続く方向に飛ばされた。激痛が走りながらもどうする事も出來ない俺はそのまま飛ばされた………。
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赤髪の神の正式名稱は出ませんでしたが、何となく分かりましたよね?
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