《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第44話 オリナの頑張り
===ユウキ視點========================
地下室で迎えた朝。が差していないから分からないけど、多分朝!
取り敢えず起きようと思ったけど、右腕には守姫が寢ている。そういや、昨日は膝枕をしてもらったお禮として腕枕をしてあげる流れになったんだ。それにしても………守姫の寢顔を間近で見たのはいつ以來か……。いつも守姫は早起きだったから見る機會がなかったな。
それより、起こさないためにここはゆっくりと腕を抜かなくては………。ゆっくりとゆっくりと腕を抜いていく。幸いな事に守姫はほとんど寢相が無いから順調に抜いていく。だが、このままだと抜いた時に頭をぶつけてしまうだろうから、"アイテムボックス"から俺が用している紺のタオルを取り出し、タイミングを計って腕とタオルを守姫の頭が1mmもかないくらい、速くれ替える。『全能の大英雄』の名は伊達じゃないぞ!
そんな事もあったが、取り敢えず起き上がると、リリとルルが手を繋ぎながら寢袋にっており、技姫は地下室の出り口の扉にもたれかかって寢ている。ティフィラはいない。"転移"とか使って外に出たのだろう。エルガは部屋の隅にあるあのロープでぐるぐる巻きになっているものだろう。ロープとロープの間から灰の髪やら黒の髪が出ているからな。攻武は………まだ俺の中に帰ってきてない。ということはオリナの近くにいるはずだな。ま、取り敢えず外に出るか。
「"転移"」
一瞬で視界が朝日が照らす森や家の瓦礫になる。ぐるっと見渡してもティフィラも攻武もオリナもいない。仕方ない、"探知"を使うか。
「"探知"」
俺のを中心とした半徑5kmの円が展開され、その中に反応が3つ。一つはここから斜め左方向で1kmくらいにある湖の近くに一人。二つはここから真っ直ぐ2.5kmあたりに二人。そこら辺は破壊痕が殘っているからオリナと攻武だな。
「取り敢えず、一番近い方から行くか」
まあ、確定でティフィラだが、何で湖の近くにいるんだ?そう思いつつも湖に小走りで向かう。1kmくらいなら3分もあれば著くな。
3分近く経って、森の木々の間から湖が見えてきた。この湖は森唯一の湖で、中には水生の魔がしいる。湖の大きさは大周囲400mあたりだったはず。
どうでもいい湖の話よりティフィラだ。反応によるとこっちから見た湖の右側にティフィラがいるはず。木々の間から出て、ティフィラがいるところへ向かう。だが、朝日が湖で反して眩しくて、人がいるくらいしか分からず、そのまま右手で朝日を申し訳程度に遮りながら進む。
「おーい?ティフィラだよな?こんなところで何やってんだ?」
俺は左手で手を振りながら近づくが、ティフィラは俺から離れていく。目では分からないが、反応ではそうなっているから追いかける。
「おいっ!何で逃げるんだよ!」
ティフィラは森の中にり、"強化"を使ったのか、凄いスピードでどんどん俺から離れていく。
「そっちがその気なら、こっちだって考えがあるんだからな!"転移"」
ティフィラの目の前に俺は転移する。これでティフィラは否が応でも止まらなくては………
「むぐっ!」「きゃっ!」
どうやら突然の事で止まれなかったらしく、俺とティフィラはそのままぶつかる。俺はティフィラにのしかかれる形となっている。
「いてて、ティフィラお前、咄嗟に反応ぐらい……出來…ないと……ん?何だ?このらかいは………」
俺の視界は真っ暗で、甘い匂いと冷たい水滴がじられる。取り敢えず、俺の視界を遮るをどかそうとして、腕をばそうとしたら、らかいに當たった。それは弾力がありつつも、手に吸い付くかのような質もあって………。まるで、守姫や技姫ののような………。
「ユっ!ユウキっ!そっ!そこはっ!だっ駄目ーー!!」
ティフィラの恥ずかしそうな聲が聞こえた瞬間、頭に強い衝撃が走り、俺の意識は途絶えた……。
「ん、んん~~ん」
頭が僅かに痛いが、俺は目を覚ます。目を開けると、ちょっと俺から離れた場所にティフィラが育座りで、尚且つ顔を埋めて座っていた。ティフィラは緑を基調としたスカートとこの世界特有のほぼTシャツの緑の服を著ている。上下共に緑なのはエルフ族全般がそうだから、特に違和は無いのだが、ティフィラは服を急いで著たのか、肩や上とスカートの間とかからが見えるくらい適當に著ていた。
「な、なあ、ティフィラ?どうして俺から逃げたり、俺の意識を飛ばすような事をしたんだ?」
俺の言葉を聞いた瞬間、ビクッとを震わせ、頭から蒸気のようなものを発生させ始めた。今すぐ駆け寄ってやりたいが、近づいたら駄目なような気がする。
何分か無言でティフィラを見つめ続けた結果、漸くティフィラが頭を上げた。ティフィラの顔は真っ赤になっていて、うっすらと涙が浮かんでいる。一俺は何をしたんだ?
「………私は水浴びをした後、を拭いていた時にユウキが來た」
「…………………誠に申し訳ありませんでした」
俺は土下座した。分からなかったとはいえ、俺はとんでもない事をしていたようだ………。
「さ、さて、そろそろ戻るか」
空気がし悪かったのもあり、俺は立ち上がる。ティフィラも俺からし遅れて立つ。まだ顔は赤いが、大丈夫だろ。それより…何か……他に用があったような…………
「あ、攻武達の事、忘れてた」
ティフィラとの事件がインパクトが強すぎて攻武達の事は頭からすっぽり抜けてた。
「ティフィラは先に戻っててくれ。俺は攻武達のところに向かう」
「え?ちょっーー」
俺は思いっきり飛び跳ねる。著地點が攻武達のところになるように。なかなか強い風が當たるが、俺にとっては大した事は無い。地面が近づき、破壊痕がところどころあるところに著地する。
(ドゴォーン)
「えっ!なっ、なんじゃっ!!」
「……っ!ーーって何だ」
戸うオリナと呆れているであろう攻武の聲を聞きながら、右腕を振り、砂埃を吹き飛ばす。視界が晴れると、戸いから困になったオリナと呆れて肩をすくめていた攻武が見えた。
「な、何故ご主人が……」
「いや、お前ら昨日帰って來なかったから気になってな」
俺はいたるところにある破壊痕を見ながら答える。どうやら、相當厳しい修行をしていたようで、破壊痕は無數、オリナの傷も無數といった狀態だった。攻武もし傷がある事から、オリナは攻武相手に闘したらしい。
「取り敢えず、"ハイパーヒール"」
緑の癒しのは、瞬く間にオリナを傷を一つ殘らず塞ぐ。攻武は俺の中に戻ったら回復するから要らないだろ。
「ここで一何を?」
「新技の開発じゃ!」
オリナは大きなを張り、自慢げに言った。攻武が橫槍を刺さないところから、本當らしい。それに、この自信からして、完したんだろうな。
「そうか、それは凄いな。けど、あまり無茶がすぎると、を壊すぞ」
「うっ!わっ、わかっておる!」
「まあ、それは置いといて、よく頑張ったな」
「…………………」
俺はオリナを頭をクシャクシャとし雑にでる。し顔が赤くなってるな。
「もしかして、頭をでられるのは初めてか?」
「………っ!?そっ、そんな訳なかろう!!」
一瞬、ギクッと図星を突かれたような顔をしたから、説得力皆無。まあ、それは置いといて、オリナはオリナで自分なりに頑張った。俺も頑張らないとな………。
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し投稿が遅れてしまって申し訳ありません!
最近、寢落ちが多発して書く時間が削られてしまい、結構焦って書いています。
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