《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第60話 訪問者

===リリ視點========================

「あ、寢ちゃった」

私の膝で案外早く寢てしまったルル。いつもなら私を凝視したりするけど、よっぽど疲れが溜まっていたみたい。

「まあ、ルルは置いといて。これからどうしましょう?」

「ユウキの命令を守っているならどこかの武闘大會に出ているはずだけど……」

ティフィラさんもエルガさんも悩んでいます。確かに、今回の武闘大會にイアさんが出ていたら、すぐに師匠と連絡を取って再會出來たかもしれません。ティフィラさんは一刻も早く師匠に會いたいのか、し焦り気味に見えます。

「あのーー、どうしてお姉ちゃんに會おうとしているんですか?」

アイが申し訳なさそうに聞いてくる。思い返してみたら、一度もイアさんを捜す理由を言っていませんでした。

「それは勿論、ユウキがイアの力を借りたいと言ったからよ」

「え?すごく強いよ、この2人」

不思議そうに私とルルを指差すアイ。

「いや、私達でも勝てない人はいるからね」

「え!!あ………もしかして、ユウキ?」

「何で呼び捨てなの!?」

「すみませんっ!ユウキさんと言いますから!!」

師匠の事を呼び捨てにしただけで、霊を50もアイの周囲に展開したティフィラさん。………ちょっとやり過ぎなんじゃ………。

「ええ、師匠には敵いません。第一、私の武もルルの魔法も、師匠のを真似しているか似せているだけですし。……その真似や似せる事すら完全に出來ないけど……」

「………ユウキさんって何者?」

「それは教えない~~!!」

「ええ!そんな~~!!」

師匠の正は迂闊にバラしてはいけないぐらい、有名だからね。

「もしかして、『全能の大英雄』様だったりして!………まあ、そんな都合のいい話は無いに決まってるけど…………」

「あはははは~~」

この子、意外と鋭い?

「お主ら、盛り上がっているところ悪いが、外が騒がしくないか?」

「あ、オリナも気がついた?やっぱり、相手にされない者同士、暇だから気づくよね~~」

「お主と一緒にするでないわ!!」

オリナがエルガさんを神的に沈めたけど、気にせず、ゆっくりとルルを膝から降ろして窓から外を見てみると、外は大勢の人でごった返しているけど、何故か道のように開けてある部分もあり、そこを窓の左側から馬車が進んでいました。

「なんか、偉い人でも來たかのようになっていますよ?」

「どれどれ。あ、本當だね。でも、ここら辺に偉い人が來るような店があったかな?」

「あ、ここの宿の前で止まりましたよ」

「ここの宿の前~?目の前は廃墟で、畑と土産屋しか無いから………」

「多分、土産屋で何かここの名産品を買うんですよ!!」

「うん、きっとそうだね。つまり、僕らには関係無いって事だ!」

エルガさんと話し合った結果、私達には関係の無いって事で落ち著きました。だって、私達は偉いさんとの接點はありませんし!なんか嫌な予がするけど、絶対関係ありませんし!!

(コンコン)

突然鳴ったノックに私は嫌な予が當た

ったような気がしました。………師匠はよく、トラブルに巻き込まれていたと言っていましたが、きっとこんな予ばかりしていたんでしょう………。

「はーい、何ですか?」

私の嫌な予を知る由もなく、エルガさんは扉を開ける。扉を開けた先には、戸った顔をしている宿の管理人と…………シャルティ様がいました………。

「えーー、どうして連合國の人族代表様がこんな一般人がいる宿にいらっしゃっているんですか?」

「試合でお疲れのところ、突然お邪魔してしまって申し訳ありません」

薄っすらと青筋を浮かべるティフィラさんとそれを意にも介さず、微笑みを浮かべるシャルティ様。

現在、私達はシャルティ様と機を境界線として、向かい合わせに座っています。シャルティ様一人に対して私達6人。ルルもしっかり起こして、オリナとアイの睨み合いもやめさせ、並んで座っています。因みに、オリナは元の姿にし似ているエルフ族の姿になっています。

「いくら人気があるとはいえ、護衛もつけずに得の知れない人達の部屋にるのは、いささか気が緩んでいらっしゃると思いますが」

「お気になさらず、あなた方はともかく、あの二人なら顔を合わせた事がありますから。覚えていますか?リリ・ギティールさんとルル・ギティールさん?」

「「!!」」

え…………、どうして家名を?それに顔を合わせた事があるって………。

「といっても、あなた達がまだ1歳だった頃の話ですけどね………」

目を閉じたまま、私達の方を見て微笑むシャルティ様。………初めて會った時のエルガさんの得の知れなさのような怖いじの人に思えます。

「まさか、わざわざ今日、予選通過をしたから來たって事はありませんよね?」

「まあ、それもありますが、本題は違います」

「本題?」

「ええ、リリさん、ルルさん。あの《オルガ》の慘劇からどうやって生き延びたんです?」

「「!!!」」

この人は………、《オルガ》で起きた事を知っているの!?それとも、あの慘狀から推測しているの!?

「………あなたは一何者なんですか?」

「それはあなた方も知っているかと思いますが?」

「……普通、あの狀況を見たら、何が起きたの?って聞くはずです。なのに、どうやって………。まるで、何が起きたのか知っているかのような口ぶりですね。それとも、あれはあなたが仕組んだんですか………!?」

勿論、あの慘劇は魔王がやった事は知ってるけど、間違いなく、この人は何かを知ってる!《オルガ》の事か神々の事かは分からないけど、重要な何かを知っているはず!!

シャルティ様は、私の問いかけにため息をつき、手に先端に明な球が浮かんでいる金の杖を持ち、杖を座ったまま、立てました。恐らく、あれは『ソウルウェポン』。なんで、今出したかは分からないけど、警戒はしとかないと………

「私の『ソウルウェポン』の能力は"過去と未來を見る事"。過去なら10年前まで、未來なら1年後まで見る事が出來ます」

シャルティ様の『ソウルウェポン』の能力はとんでもないものです。そんな事は師匠も出來ません。

「私は《オルガ》に直接訪れ、能力を使い、あなた達に何があったのかを見ました。………分かりますよね? 私はあなた達を助けた男を知っています」

「「…………っ!!」

師匠の存在を、國のトップに知られてしまっていた!もしかして、この人は師匠の力を利用する気なんじゃ……!!

「単刀直に言います。あの男、『全能の大英雄』様に會わせなさい」

「…………どうしてですか?」

「そんなの、決まっています。魔神領への侵略の要になってもらいます」

「「「「「!!!」」」」」

連合國は、魔神領を攻め込むつもりだったんだ………。確かに、それに師匠の力が加われば、功はほぼ確実。

「勿論、あなた達も同行してもらいます。戦力は多ければ多いほどいいですからね」

…………どうしよう。師匠は多分、魔神領にいるであろう、神々を倒すつもりだろうし、そこに連合國が加わったら多の戦力になるかもしれない。………どうしたら………!!

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し、遅れてしまって申し訳ありません!

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