《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第61話 シャルティが見たもの

===ルル視點========================

「「「「「…………………………」」」」」

「だんまりですか………」

姉さんは勿論、ティフィラさんもエルガさんもオリナも私も何も言えない。

だって、お師匠様が決める事に私達が勝手に決めたら怒られるに決まってる。

「………表彰式で返事を聞かせてください」

「…私達が何て答えるかはその杖で分かるんじゃないの?」

「………私が見れるのは現在の狀況からの未來。そして、私が見る未來は絶対。故に、現在の狀況を変えないと、世界は滅亡する」

「「「「「「!?」」」」」」

今…………、シャルティ様は世界が滅亡するって言った。シャルティ様が見れるのは一年後。つまり、一年の間に世界が滅亡するって事になる。

「『全能の大英雄』様が戦った『神の強ゴットグリード』の手によって…………」

「…………っ!」

聞いた事の無い言葉だったけど、オリナは脂汗をかいている。……恐らく、どんな連中なのか知っているんだろう。

「………私はここらで失禮します。では、機嫌よう」

シャルティ様は普通に扉を開けて、部屋から出て行った。部屋には突然の事で、頭が追いつかない私と同じように困している姉さんとティフィラさん、エルガさん、アイと何かを知ってそうなオリナが殘された………。

===シャルティ視點========================

「おかえりなさいませ、シャルティ様」

「それはいいから、早く出してください」

「はっ」

私は馬車に乗り込み、者に指示を出してから、ゆっくりと馬車に備え付けられた質の良いフカフカなソファーに座る。

平気そうな顔に見えるけど、これでの結構疲れています。何せ、あの『全能の大英雄』様に指導をけたリリさんとルルさんですよ?一歩間違えればきっと、私は死んでいたでしょう。

「…………破滅の未來………」

それは、私が毎年、年の初めに見る未來視で見えた未來。私の能力は未來視であって、未來予知ではない。私はこのままだとこの未來になるという事で、これからその未來を回避するような行を起こせれば、また見た時には変わった未來が見える。つまり、未來を変える事は可能。

私は今日も未來を見る。

「…………まだ変わってない」

けど、相も変わらず、この目に映るのは崩壊していく世界のみ。その崩壊の中心にいかれた様子の男とその付近で倒れているリリさんとルルさんと『全能の大英雄』様。この未來は、年の初めからまるで変わっていない。つまり、まだまだ修正しないといけないって事だ。

「…………絶対にこの世界は守る」

私は小さく揺れる馬車の中で決意した。私の使命を忘れないように…………

===ルル視點========================

「取り敢えず、ユウキに連絡しましょ」

ティフィラさんは自霊に"アイテムボックス"を使わせ、お師匠様との通信石を取り出す。イアさんが見つかるまで使わないようにしていたけど、今回はお師匠様に聞かないといけないから仕方ない。

「早速連絡を取るわよ」

全員が固唾を飲んでピカピカる通信石を凝視する。ピカピカっているのは、通信を試みている証拠らしい。

「…………まだなの?」

「もうし待ちましょうよ」

待つ事、10分。

「…………………ねぇ、まだ?」

「………師匠も忙しいんですよ」

待つ事、30分。

「…………………………おかしくない?」

「…………きっと手が離せないんですよ」

待つ事、1時間。

「………………………………なんで出ないのよっ!!」

「………………通信が屆かないところに行っているんじゃ………」

「ユウキがそんな単純な問題を抱えたものを渡すとは思えないわ」

確かに、お師匠様の魔導はどれもずば抜けて凄いものばかり。距離で連絡が取れなくなる通信石を遠く離れる事になる私達に渡すはずがない。

「……………………………………どうします?」

「はぁ、仕方ないわ。明日の試合は棄権して別の場所に行ってイアを探しましょう」

「そうですね、そうしましょう」

ティフィラさんの案を採用し、私達はし狹くなった部屋で寢た。

「おはようございます」

「「………………」」

私と姉さんが顔を洗い、ちょっと街の離れで修行をしようと扉を開けた時、目の前にはシャルティ様がいた。

(バタン)

「ねぇ!どうする!?」

「……取り敢えず、みんなを起こそう」

扉を閉めた後、私達はティフィラさん達を起こしにかかる。睡眠の邪魔をするのは気がひけるけど、急事態発生中なので、仕方ない。

「何よ~~!あのが朝早くいる訳「おはようございます」…………」

(バタン)

「いたわ………」

「いるでしょう!?」

ちょっとキレ気味に扉を開けたティフィラさんだけど、本當にいる事にもはや冷めたように反応している。

「で、どうするんですか?」

「"転移"で逃げましょう」

「あっ!その手がありましたね!!」

ティフィラさんの案を採用し、私とティフィラさん、オリナが"転移"の準備にる。けど………

「おはようございます!!」

勢いよく扉を蹴るように(実際蹴った)開けたシャルティ様によって、集中力が切れて"転移"出來なかった………。

「ムカつく!あのクソめ!!」

「はぁ、どうします?」

現在、私達は闘技場で本選に行ったエルガさんを待ちながら、今後の事について話し合おうとしていた。

「あのー、本選の為のトレーニングとかは………」

「そんなのは要らないわよ。そんな事より表彰式での返事よ」

とても本選出場者とは思えない口ぶり。

「まあ、斷りますよね?」

「勿論だけど、斷り方をどうしようかなって」

「……………これも知られていた場合は?」

「恐らく、知っていると思いますし、私達の対策もしてあるかと」

姉さんの言った通り、知られている可能は十分ある。

「…………対策されていても私達に対抗出來る筈はないわ」

ティフィラさんの言う事は最もだけど、不安が殘ったままだった…………。

そして、私と姉さんは戦闘する事もなく、相手が棄権するというつまらないまま、試合が進み、ティフィラさんとエルガさんは試合は出來たけど、楽しくなさそうにしながらも、嫌がらせとしてゆっくりとした試合をしながら進み、アイも問題なく進んだ。今日の試合が時間的に終わり、いよいよ明日が私達で戦う事になった。組み合わせは分からないけど、私達の誰かに當たるのは変わらない。一人だけ知らない奴と戦う人がいるけど。

「ここにはイアはいないんだし、別のところに行きたいよ~~」

「やめんか、いい年した大人が」

宿に帰った途端、ティフィラさんは子供が駄々をこねるように部屋の中をゴロゴロと転がる。それを見て、呆れているオリナ。けど、ティフィラさんの気持ちは分かる。

私はお師匠様と離れて悲しかったけど、自由で楽しかった。辛い事もあったけど、それを含めて旅だと思ってる。けど、今の私達は偉い人に従っている大人みたいだ。そんなの、嫌だ。きっとお師匠様に笑われてしまう。

一刻も早くシャルティ様の呪縛から抜け出さないと………!

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ちょっと投稿が遅れてしまい、申し訳ございません!!

シャルティの能力は凄まじいですね!

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