《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第62話 策略

===リリ視點========================

「もうこうなったら強行突破よ」

青筋を浮かべ、怒っているのを隠さず、ティフィラさんは私達に提案とは言えない、任せの発言に、普段なら異議を唱えますが、アイを除くみんながシャルティ様が嫌になってきたのでそれで良いと思えてしまいます。

「強行突破でこの街から離れるんですか?」

「そうよ、あんなとユウキを會わせる筋合いは無いわ!」

あ、そういった意味でも嫌いだったんですか…………。

「早速、ここから離れて………っ!!」

「どうしたんですか!?」

霊を出して、荷の整理をしようとしたティフィラさんは、何かに気づき、霊と向かいあったまま、きません。

何事かとティフィラさんに駆け寄ったら、ティフィラさんはあり得ないとでも言いたそうなくらい驚愕しており、そして、ゆっくりと呟きました。

「……………魔法が使えない……」

「えっ!?」

ティフィラさんが言った事が信じられず、私は確かめるために"強化"を使おうとしましたが、発しません。まるで、魔力が無くなったようなじです。でも、私達は魔力が無くなった訳ではなく、ティフィラさんの魔力も私はじられますし、私の魔力もじられます。

「ルル!『魔導』を使ってみてっ!!」

「…………分かった」

私のただならぬ表急事態だと分かったルルは魔導書を開いて『魔導』を発させます。すると、

(バチッ!)「くっ!」

私達の時とは違い、魔導書から雷のようなものが発生して、ルルは思わず魔導書を落としてしまいます。

「ルル!」

「………大丈夫、そんなに強くなかった」

ルルに駆け寄り、魔導書を持っていた手を見てみると、確かに何ともありませんでした。

「一何が………?」

「そんなの決まってるわよ!あのが何かしたんだわ!!とにかく、ここから出しないと…………!リリ!お願い!!」

「……あっ!はい!!」

「くっ!何で開かないの!?」

「私は窓辺りをぶっ壊します!!」

私は腰を落として、正拳突きの構えをします。それを見て、扉をバンバン叩いていたティフィラさんや他の皆は部屋の隅に固まります。

こんな事態になった原因は分からないけど、ここにいても良い事は起こるはずはありません。

「"衝波「やらせぬ!」えっ!?」

予選で使った『殲滅武』を窓に向かって撃とうした時、突如、部屋の扉から男が飛び込んで來て、私にレイピアを突き刺そうとしてきましたが、を逸らして間一髪で避けれました。私ののすぐ隣にはレイピアが窓辺りにあった壁を貫通しています。

「これを躱すとはなっ!!」

「えっ!?ちょっ!待っーー」

私がレイピアを躱した事に驚いた男もすぐに気を取り直し、今度は連続でんなところに突き刺そうとしてきて、それを部屋を駆け巡るようにして躱しますが、これではジリ貧です。

いずれ、力の限界がきますし、相手はレイピアという軽くて貫通力がある武なので、そんなに疲れないと思うので、こっちが力面では不利。

は師匠から貰ったポーチが機能せず、武を取り出す事も出來ません。そして、何故か『ソウルウェポン』も出ません。

魔法は當然使えず、ルル達に手伝ってもらおうにも、このレベルの相手だと私ぐらいしか戦えません。

「何故だ!?こっちは"強化"も『ソウルウェポン』の能力、"自や武の加速"を使っているのに!何故當たらん!!」

男は案外、我慢弱い相手だったようで、攻撃のスピードは速まりましたが、雑になり、隙が出來てきました。そこをまるで針に糸を通すかのように、レイピアの刺突の雨をかいくぐり、相手の腹に、

「ただの正拳突き!!」

「ぐはっ!!」

普通の正拳突きをして、窓辺りの壁にぶつけ、気絶させました。

「……………流石ですね、"強化"も使わず、うちのNo.2を倒すとは………。その才能と力量はあらゆる人を超えますよ、リリさん」

「…………やはり、あなたですか。シャルティ様」

皆が予想していた通り、ぶち破られた部屋の扉から特に焦った様子もないシャルティ様がって來ました。

「これも見えたんですか?」

「ええ、こうなる事は知っていたので、この宿にはあらかじめ、仕掛けを施しておきました」

サラッとこの部屋とは言わず、宿と言った事から、窓から出ようとしたのは正解だったみたいです。

「魔法を封じる仕掛けなんて聞いた事も無いわ!」

「ティフィラさん、魔法だけではなく、魔導も『ソウルウェポン』も使えません」

「え!?…………私の霊が魔法を出せない!?」

「僕も変出來ないな」

「私も『昇華』が使えません!!」

各々が自分のほとんどの能力が使えない事に驚いている中、オリナが何も言っていない事に不安を覚え、オリナを探すと、オリナは元の褐をもつ魔神の姿になっていました。

「ふふっ、まさか魔神もアンデットもいるなんて………」

「それも見えていたんでしょう?」

「………はてはて、何の事やら」

自分達の正がバレて脂汗をかくオリナとアイ、それを見てクスクスと笑うシャルティ様。やっぱり、目は閉じていて、シャルティ様の真意が分からない。

人の目は真意を示すとお父さんがよく言っていて、私もその通りだと思って、初めて會う人の目をよく見ようとしていた。

師匠達やティフィラさん、ルルは優しそうな目をしているし、実際優しい。

エルガさんは初めて會った時は読めなくて、不気味だったけど、ティフィラさんが絡むとする人の目になる。

オリナはまるで迷子のような目をしていたけど、今は師匠達と同じように優しい目になっている。

アイは純粋に親を求める子供のような、危なげな目だったけど、最近は友達想いの子供のような目になってきている。

このように、人は思った以上に目は真実を表すけど、シャルティ様はずっと目を閉じているから真意を見定める事が出來ない。もしかしたら、シャルティ様はこの事を知っているかもしれない。私達の親に會った事があるみたいだし、お父さんがこの話をしていたとしたら、警戒するために目を閉じているのかな?

「………………私はそういう訳ではありませんよ?」

「………っ!?………私の考えている事が分かるんですか?」

「ええ。その力があったからこそという訳では無いんですが、助けられた事は何度もありますよ」

シャルティ様は未來や過去を見る力と相手の思考を読み取る力の二重で、自分の思い通りにしてきたって事になりますね………。

「ええ、思い通りにならない場合もありましたけど……」

その思い通りにならない時はいつも近くにいる護衛の騎士団長の力でどうにかしていたという事ですか?

「正解です♪リリさんは本當に聡明な人ですね~。だったら、分かるんじゃありませんか?」

「……………はぁ、私達は降參しますよ」

私が降參の宣言をし、両手を上げた事にティフィラさんは納得がいかないようで、

「え!?リリ!どうして………!?」

「今度はあの男より強い男が來ます。今の私では勝てません」

「ふふっ、安心してください。危害を加える事はありませんから………」

シャルティ様がそう言うと、扉から続々と騎士がって來て、私達を簡単に縄で拘束していきます。その縄にも何かしてあるようで、力が一気に抜けていきます。

「さて………、これからどうなるんでしょうね」

シャルティ様の呟きはやけに耳に殘りました………。

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シャルティに捕まったリリ達!これからどうなるでしょうか!?

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