《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第69話 加護

===リリ視點========================

「ええーと、つまり、墮神しているのに力は変わっていないって事ですか?」

「ええ、その通りです」

「え、それって墮神していると言えるのですか?」

墮神すると力が弱まるのに、弱まっていないって事は墮神していないってことじゃあ………

「ええ、墮神しています。その証拠として、連中は神王の加護をけていません」

あー、また分からない単語が………

「神王っていうのは名前通り、神の王という意味ですか?」

「ええ、私達神の頂點におられる方で、墮神していない神は自の神界を創る権利と神王からの加護を貰えるのです」

「その加護っていうのは?」

「神王の加護は私達のみが使える『神化魔法』を昇華させてくれる、素晴らしいものですよ」

アルナ様はとても嬉しそうに語り、隣にいるアマナさんも誇らしげです。

「因みにアルナ様の『神化魔法』は何ですか?」

「ああ、私のは『ラブ・トゥ・パワー』。私達神は信仰されればされるほど強くなるんだけど、私のはその究極。私の事をしでも人が知っていたらそれだけで強くなるの」

アルナ様に合いすぎていて、凄くぶっ壊れた魔法ですね……。宗教に疎い私達ですらアルナ様の事は知っていたから、連合國を始め、ほとんどの人達が知っているはず。………という事は…………

「あなた達の予想通り、私は神王の次に強いと言われる神の最有力候補よ」

…………かなりヤバイ神に會ってしまいました……。多分この人なら、私達が合して倒した神も普通に倒せるんでしょうね。

「そう!それが気になっていたの!!あなた達はどうして『共神化』出來たの!?」

いきなりこっちの考えを聞いていたかのように喋り始めたアルナ様。

「いや、聞こえてるのよ」

「「え!?」」

「ここは私の神界、ここでは噓をつけないし、考えている事は全て丸見えよ」

ええー、それって何か盜み聞きをしているみたいなーー

「そんな事はどうだっていいわ!それより、どうやって『共神化』をしたの?」

「いやー、そもそも『共神化』を初めて聞いたんですけど………」

「あ、もしかして知らずにやったの?」

「………はい」「姉さんとなら何でも出來る」

それを聞いて考え始めたアルナ様。アマナさんも信じられないといった様子で、どこからか取り出したボロっちくて古そうな本を必死に読んでいます。

「…………………いや、まさか……」

「……ですが、それぐらいしか説明がつきません」

「…………それもそうね」

ちょっと離れたところで小聲で話し合っているアルナ様とアマナさん。でも、私は師匠に様々な"強化"の使い方を習いました!今は耳の聴力を強化して、お二人の會話を聞いています。

そして、お二人はし複雑そうな顔をしながらも戻ってきました。

「………多分だと思うんだけどね、あなた達に加護を渡した神がいるかも知れないの」

アルナ様が仰った事は案外、予想通りの答えでした。

「え?予想通りだったの?」

「ええ、まあ。私達の師匠が予想してたので」

「………はぁ、ほんとあなた達の師匠って何者なの?」

「………名前をユウキ、世間では『全能の大英雄』様って言われてる」

「「!!??」」

ルルが師匠の正を言うと、お二人は私達から凄いスピードで距離を取り、とても恐怖に満ちた顔になっています。余りにも予想外な反応に驚きましたが、同時に師匠の事をなからず知っているからこその反応だと思います。

「あのー、どうされました?」

「え?…………………あ、ごめんなさい。つい」

私から話しかけると意外とすぐに冷靜になり、私達のところに戻って來ます。ただ、アマナさんは未だに距離を取っていますが。

「あのー、どうして師匠の事をそんなに恐れるのですか?」

「え?あなた達聞いてないの?」

「「??」」

「あの人はーー」

々と教えて頂き、有難うございました」

「いいの、私達はあなた達に辛くてしんどい事を一方的に押し付けているだけなんだし。むしろ、こっちがお禮を言いたいわ。『神の強ゴットグリード』の事は本當にありがとう。あなた達にしか頼めない事だから、斷られたらどうしようかと思っていたから」

「斷りませんよ、そんな事をしたら師匠にどやされます」

私が師匠と言った瞬間、アルナ様は表し暗くなりましたが、すぐに笑顔になり、

「あなた達の師匠さんがいたら『神の強ゴットグリード』を壊滅させるのも簡単かもね」

「ええ、勿論ですよ!なんたって、師匠は最強なんですから!!」

「…………お師匠様より強い奴がいるなんて考えられない」

私達の言葉を聞いて、安心したようになるアルナ様。そして、未だにピクピクと痙攣しているアギラさんのもとに行き、

「起きなさい!"ただの蹴りヒール"」

「ぐふっ!!」

一見ただの蹴りを瀕死のアギラさんに打ち込んだように見えましたが、「ヒール」と言っていたので、神達ではあれが回復魔法なんでしょう。苦痛の聲も単なる空耳です。

「うぅぅ、死ぬ、死ぬ、死んじゃう~~」

「うるさいですよ、さっさと門を開けてあげなさい。あなたの魂を燃やしてでも」

「俺はいつか他の優しい神の眷ーー「何か言いました?」いえ、なんでも」

若干、アギラさんが可哀想に見えましたが、気のせいでしょう。悪いのはアギラさんであって、正しいのはアルナ様に決まってます!!絶対これは本心なんですから、怖い笑顔はやめて頂けますか!?

「さて、帰って頂く前に、私から加護を授けようと思います」

「え!?本當ですか!?」

「ええ、さあ、私の前に立ってください」

アルナ様に言われて私達はアルナ様の前に立つ。加護は貰っているらしいけど、意識がある時に貰えるのは初めてです!

「目を閉じてください」

私達は目を閉じる。

(チュッ)

どんな魔法をかけられるとか、なんか飲まされたりするのかとか、魔法陣に立たされるとか、そんな事を思っていた私に前髪を上げられ、おでこをキスされるというや慈の神様と言われる神なだけある加護の與え方でした。

「あなた達に與えたのは『雙生の』。互いに思いあい、困難を助け合って乗り越えられるようになる加護よ」

「…………なんか夫ーー「ありがとうございます!!」………」

意外にもルルはかなり謝しているようで、珍しく大きな聲でお禮を言いました。………勿論、嬉しいですよ?雙子の私達にとっても合っていると思います。……けど、どうせなら師匠と………

「さあ、我儘なガキと素直なお嬢ちゃんももう帰らないといけないわよね?」

見るからに不機嫌になったアルナ様はアギラさんが頑張って開けた手のひらサイズの門に手を突っ込み、無理やりこじ開けて人が通れるサイズにし、私達が帰れるようにしてくれました。

「えーと………、ありがとうございました」

「…………」

「…………ありがとうございました」

「良いのよ!また來てね!!」

明らかに差がある態度に若干イラっとしましたが、私達は門をくぐりました………。

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アマナは言わなくても分かると思いますが、アルナの眷屬です。

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