《ただの世界最強の村人と雙子の弟子》第95話 選定
===リル?視點========================
「さあ、俺を殺せ!」
お師匠が両手を広げ、無防備な狀態になっている。
それを見た私は、躊躇いもなく剣を上段に構える。
「さあ、殺せ!」
「殺して!私達の幸せな世界を守る為に!!」
左右から急かす聲が聞こえる。
『…………………………』
「どうした?さっさと自分のみ通りに!」
「リリ!ルル!お前達は俺達と永遠に続く世界を創りたくないのか!?」
「あなたは家族の事はどうでも良いの!?」
『……………………』
前からも左右からも急かされ、正直、どうしたら良いのか分からない。
あれほど膨らんでいた殺意もいつの間にか消え去り、私は…………
「………っ!!?何者ーー」
「それはこっちの臺詞だぁぁ~~!!」
いきなり白黒のお師匠が振り返ったかと思いきや、さっきまで急かしていたお師匠は私のすぐ隣を風を切りながら橫切り、目の前にはがある…………
『お師匠!!?』
===ユウキ視點========================
「はぁ?一どうなって……」
"強化"で強化した目から見える景が信じられずにいる。
守姫が黙り込んでからあまり時間もかからずに街の外壁に著き、リルがどこらへんにいるのかを"強化"で強化した目で探そうとしたら、見つけてしまったのだ。
この街の周囲には確かに草原が広がっていた。といっても、大した大きさではなかったが、実際見た《オウガ》の周囲の草原と大きさはほぼ同じだったから違和は無かったが、問題はその草原の周囲だ。
リルの深層意識の舞臺は《オウガ》。なら、草原の外側は森になっているはずだ。何故なら、実際の《オウガ》がそうだったから。僅かにしか行けなくても、森が囲むように広がっているのが普通なのに、草原の周囲は黒く濁ったのようなが囲み、徐々に迫っていた。
(あれは一………)
…………分からないけど、良くないものであるのは覚で分かる。
今の自分は仮のがあっても、所詮は魔力によって自由度が増した神に過ぎない。……なのに、……いや、だからこそ分かる。あれは俺には手に負えない。
「………急いで探すか」
悩んでいても意味が無い狀態なので、今はリルを探す事が最善だと思い、草原に目を向けた…………。
「…………どういう事だ?」
あれから數分ぐらいでリルを見つけたのだが、リルのすぐそばに左右1人ずつ誰かが立っていて、リルの目の前には白黒の俺が居た。
(………どういうつもりなんでしょうね?)
(ご主人様が深層意識に居るのは、あり得ない話では無いのですが………)
気分でもれ替えたのか、守姫も話に混ざって來てのは取り敢えず置いといて、今はリルだ。
「……明らかにあの俺を殺そうとしているよな?」
(ええ)(そういう風に見えますね)
リルは自の『ソウルウェポン』の剣を振り上げ、白黒の俺に狙いを定めている。
「……………………俺、そんなに嫌われて居たのか…………」
リル以外に人が居るのは驚いたが、リルが白黒とはいえ、俺を殺そうとしているところを見て、正直へこんだ。
「……………まあ、確かに、修行と言ってあの森に2人を投げ込んだり、勝てなさそうな魔に敢えて戦わせたりしたけど…………それはリリとルルを思ってだな……………」
『そんな事をしていたんですか……』
上から呆れるような聲が聞こえた。……正が分からないあのの聲で。
「……うるせぇ、俺の教育方針に口出しするな。それより、何の用だ?」
『…………口が悪いのは気になりますが………、それよりあなたはここがどこなのか分かりますか?』
「は?決まってんだろ。リルの深層意識だ」
何を今更分かりきった事を?
『……まあ、確かにここはリルの深層意識でもありますが、それよりは、こちらの方が正しいでしょう』
「??」
『ここは『破壊神の選域』。破壊神を創り出す所です』
「………………は?」
ちょっと待てよ、俺は確かに"深層侵"を使ってリルの深層意識にり込んだ。
けど、本當はここは破壊神を創り出す場所?
「………………?」
『分からなくても構いませんが、いち早くここからリルを助け出してください。今から3分間、リルを正気に戻しますから』
「ちょっと待て!お前は一ーー」
の正を聞こうとした時、俺の視界に薄く秒まで表された3分間のカウントダウンが表示された。
「………はぁ、仕方ない。さっさと終わらせるか!!」
今、よく分からない奴を考えるより、リルの事を最優先にする。
そう言い聞かせ、中に"強化"をかけて、リルのもとに駆け出した…………。
===リル視點========================
『お師匠!!?』
華麗に著地したお師匠は、私が呼びかける聲を無視して私に詰め寄り、拳を振るい、その拳は私の両耳を通り過ぎた。
「ぎゃっ!!」「ぐうぅっ!!」
すぐにく聲が聞こえ、後ろを振り返ると、顔を押さえてのたうちまわる騎士の格好をした男と魔師特有のローブを著たが居た。顔は見えないけど、他人のようには見え………
「走るぞ!」
『えっ!?ちょっーー』
お師匠はいきなり私の右手を取ったかと思いきや、間髪れずに走り出した。し遅れたけど、私も橫に並ぶように走る。
『一どうしたんですか!?ここはどこなんですか!?なんでお師匠が………!!』
「ここはお前の心の中で!俺はお前の心の中にり込む『魔導』を使った!そして、今はいち早く現実世界に戻らなくちゃいけねぇ!!」
早口ながらもお師匠は現狀を教えてくれた。
ここはどうやら私の心の中みたいで、何かがあったのか、いち早く私は心の中から現実に意識を戻さないといけないらしく、それを手伝う為にお師匠が來たと…。
『それで、今はどこにむかってるんですか?』
「あの外壁だ!あそこが一番高い!!」
お師匠はかなり焦っていて、珍しく汗を流しながら、私の手を引く。
そのまま、お師匠にを任せ、あっという間に外壁の側に來た。お師匠は私から手を離し、外壁に指を突っ込み、登って行く。
私も同じようにして登り、あまり時間がかからずに外壁を登り切った。これからどうするのか分からず、空を見上げているお師匠を見つめていると…………
「ユ~ウ~キ~!!貴様ッ!!選定を邪魔しおって!!!」
獣の唸り聲のようなび聲が下から聞こえ、下を覗くと、お師匠に吹っ飛ばされていた白黒のお師匠が外壁を狼が駆けるかのようなきで登って來ていた。
「………………あまり時間も無い。いいか、リル」
お師匠は、下から迫る白黒のお師匠の事なんか気にもせずに、私の両肩を持って真正面から話しかける。
「あの黒い海をひたすら上がれ。上がり続ければ意識が薄れて現実世界へと戻される。それまで決して諦めるな」
お師匠は言い終わった後、私を肩に擔いだ。
『……分かったけど、お師匠は……』
「………弟子が一丁前に師匠の心配なんかーー」
お師匠は喋りながら、私を持ち上げ、まるで棒を投げるかのような勢になる。
『え?お師匠一何をーー』
途端に不安になり、お師匠に問いかけようとしたけど、遅かった。
「するんじゃねぇ!!」
『えぇぇぇぇぇぇっ!!?』
私は初めて投擲用の槍のように投げ飛ばされました………。
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今回は待たせたこともありますので、早めに投稿しました。
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