《ぼくは今日もをむ》#7 生が一番だ
ランジェリーショップにて、自分のブラジャーやパンツを購した後。
ぼくはユズと一緒に家へ帰り、袋から購してきたばかりの下著を全て取り出し、リビングのテーブルの上に並べる。
意図的に、も柄も異なるものを選んでいる。
こうしての下著が並ぶというのは、斯くもしい。
まあ、全部自分のものなんだけども。
「……何してるんですか」
「いや、どれにしようかなって」
「別にどれでもいいじゃないですか」
「そんなに適當でいいのかなぁ。ぼくの記念すべき初ブラジャーになるわけだし、もっと深く考えて第一回目に相応しいものを――」
「あーっ、もう! そんな変なこだわり見せなくていいですから、さっさと決めちゃってくださいよ!」
ユズに急かされてしまったので、ぼくは青の水玉模様が描かれたブラとパンツのセットに決定した。
今からこのブラジャーの窪みに、ぼくのが嵌まるのか。
最初にブラジャーというものを考えた人は天才だ。ぼくは生涯、ブラジャーを発案した人を尊敬し続けることを誓います。
「そ、それじゃあ手伝いますからいでください」
「……えっち」
「んなぁ……っ!? ライムさんにだけは絶対言われたくありませんっ! そんなこと言うなら、手伝わなくてもいいんですね!?」
「ごめんごめん、ちょっとした冗談だから!」
相変わらず冗談が通じない神である。でも、赤面しながら慌てるところも可いからよしとしよう。
ぼくは著ていたワンピースをぎ、あっという間にとなる。とは言っても、靴下だけは履いたままだから逆に嫌らしいじになってしまった。
そういや、自分のをんだりは何回もしていたものの、己のをしっかり見たのは初めてだ。
らしい適度な部の膨らみ、きめ細かな白い、そして綺麗なピンクの突起……なにこれって凄い。
「ちょっと、何赤くなってるんですか。自分のとはいえ、あんまりのを凝視しないでくださいよっ」
「し、仕方ないじゃん。の子のを見たことなんて、今までなかったんだから」
「自分のをんだり、下著を見てあんなにはしゃいでいたくせに。変なところで恥ずかしがったり、照れたりしないでくださいよ……」
「いや、だって、こんな素晴らしいものが自分のについてるなんてやばいじゃん! 凄いじゃん! 凄まじいじゃん!」
「語彙力が崩壊しちゃってますよ!? 自分のにしないでくださいっ!」
無茶なことを仰る。ぼくみたいな変態貞が、一糸纏わぬを目にして興するなというのは不可能だろう。
試しに生のをんでみると、もっちりとしたのが直接手のひらに伝わってくる。
服の上からんだときとは違う。生が一番だ。
自分でも、まさか服をいだだけでここまで興してしまうとは思わなかった。
何もにつけていない生まれたままの姿というのは、実に破壊力が抜群である。
「いい加減に、むのをやめてくださいっ! さっさと下著つけますよ!」
ユズに促され、ぼくは名殘惜しくじながらもむのを中斷する。
するとユズはぼくが選んだ水玉のブラジャーを取り、ぼくの背後に立つ。
「後ろがホックになっているので、ここを留めればいいだけですよ」
「背中にあったら見えないから、自分でやるのは大変じゃない?」
「慣れれば簡単にできるようになりますよ。ほら、やってみてください」
ぼくは両腕を後ろに回し、手探りでホックを留める。
ユズのサポートがあったのにも拘わらず、三十秒近く経ってしまった。これは、慣れるまでに時間がかかりそうだ。
あとは一人でパンツを履き、ワンピースを著る。
見た目から徐々にに染まっていってる気がするが……まあ、仕方ないか。
「異世界って、思ったより普通なんだね」
「そうですか? チキュウをあんまり知らないので何とも言えないですけど」
「ブラジャーとかパンツとかは日本のものと違わないし、魔とかとも遭遇してないから今のところ街並み以外は異世界に來たっていう実がないんだよなぁ」
「〈トランシトリア〉は、他の國と比べて安全ですからね。危険な國に行けば、そんな呑気なことは言えなくなりますよ」
「あ、そうなんだ。よかった、転生してきたのがこの國で」
他の國に行ってみたいという気持ちもあるけど、危険なところはさすがに怖い。
できれば、このままのんびりと異世界ライフを楽しみたいところ。
あ、でも、もしいるなら人外娘とも會ってみたいかも。そういうのって、異世界でしか見かける機會はないだろうし。
「……ねえ、ちょっと気になったんだけどさ。ユズって神なんだよね? だったら、お金を無限に出したりとかできないの?」
「神を何だと思ってるんですか。そんなことできませんよ」
「だったら、ユズってどうやってお金を稼いでるの?」
「え? あー、それはですね……」
ユズは一人暮らしのようだし、働いているわけでもなさそうだ。
だが、その割にはこんな大きな家といい、置かれている家といい、先ほどぼくの下著を買ってくれたことといい、妙にお金があるように思える。
その事実が、し気になってしまった。
「ちょっと、ついて來てください。教えますから」
「うん?」
訝しむぼくをよそに、ユズは家を出ていく。
だから、ぼくは慌ててユズを追いかけた。
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