《異世界召喚!?ゲーム気分で目指すはスローライフ~加減知らずと馴染の異世界生活~》6-5.5それそれの日々
side ミーシャ
「あれ、ニカさんまた日記書いてるの?」
ミーシャは機に向かい、日記を書いているニカに話しかける。
「ここ最近忙しかったですから、書けてませんでしたからね」
「どれどれ、今日もオルトさんとイチャイチャしたと。うんうん」
「そんなこと書いてないでしょ。書いてるのはここ最近起きたこととか、印象に殘ったこととよ」
「オルトさんとのイチャイチャは印象に殘らないんだぁ」
ミーシャはニマニマとした笑みを浮かべながら、ここぞとばかりにニカをいじる。
「そういう事じゃなくてですね、メルクス王國になって々と変わったでしょ」
「あぁ、そういう事か。私たちが住み込みのメイドとしてご主人に雇われたり、ミアちゃんがラピスさんとミレナのお店をミレナのメイドさんと一緒にやってるとか、そういうことを書くんでしょ」
そうねと、言いながらニカは日記を書き進める。
しばらくすると、ミーシャと喋りながら日記を書いていたニカはペンを置く。
「終わったの? どれどれ」
「なに當たり前に、日記を読もうとしてるの。ラピスさんとミレナさんの結婚式のあたりから、あったことと1言書いただけよ」
「そういえば、ミレナが結婚したのってほんの2ヶ月前だもんね。他には何があったっけ」
ミーシャはニカの日記をパラパラと捲りながら読んでいく。
「私たちが雇われメイドになったことじゃないかしら」
「ご主人の提案で貴族とか、奴隷とか、分制度が撤廃されたんだっけ」
「とんでもないご主人に仕えてますよね、私たち」
「ご主人は、確かにすごいに対して優しいし、いい人だよー」
「全くもってその通りね。ご主人のもとに來てから世界が変わった気がするわ」
2人ともユウトに買われる前の、人生に絶していたころのことを思い出して強く頷いた。
「ほかにもここ最近は々あったね、ニカさん。この間はリーティスちゃんをご主人が突然娘にしたし」
「竜人ドラゴニュートなんですよね、リーティスちゃん。角が生えてて可いですよ」
「ご主人が溺してたね。マイカもご主人と2人っきりになれないって言ってましたし」
「まあ、そのリーティスちゃんをこの間泣かせてた人もいるみたいですけどね」
ニカはさっきのお返しとでも言わんばかりに、ミーシャに聞こえる聲でつぶやく。ミーシャはバレてた、と顔を青ざめさせ冷や汗をかきながら布団にもぐる。
「どうしたのミーシャ? 布団に潛り込んで?」
「いっ、いやー、そろそろ寢た方がいいかなって。もう結構遅いじゃん」
「それもそうね」
ニカはミーシャのおびえる様子を可く思いながら部屋の電気を消し、自分の布団にった。
ミーシャ side out
side ラピス
「お疲れ、ラピス」
「ミレナ、まだ起きてたのか?」
仕事が終わる頃合いを見て、紅茶を持ってきたミレナにラピスはそう言う。日があと數時間と経たずに変わってしまうような時間だ。窓から見える外の景は、多くの人は寢靜まっている事が一目でわかるほど暗く、燈りがともっている家は本當にわずかだ。
「僕にだって仕事はあるし、ラピスをおいて先に寢るのも、なんだか申し訳なくてね」
「そっか。まあ、これからは早めに終わらせることにするよ」
「そっか、そうするといい。最近のラピスはかなり疲れてるみたいだし」
「急ぎって程じゃないとはいえ、たくさん書類があるからな。この國の基盤を考えてるやつが毎回山ほど持ってきあがる」
ラピスは、ウルヴァニラ王國をあっという間に終わらせた、ユウトのことを想像しながら言う。ユウトは元の世界での政策や、國の運営の仕方などの使えるところを取りれた書類をここに來るたびに何枚も持ってくる。おかげで、ラピスの機の上は常に書類が山をしている。
「これさえ整えさせれば、不満もかなり抑えられるだろうね」
「どれも現狀の不満の解消と、國としての信頼が出來るような企畫書なんだよ」
「公共事業に稅金ねぇ。ん? これって」
ミレナがラピスの機から見つけたのは、無償教育についての書類だった。容としては希する子供全てに無償で計算、読み書きを教えるといったものだ。
「それは無償教育の書類か?」
ラピスとミレナはソファーに座ると、紅茶を飲みながら國の今後を大きく左右するであろう書類について話し合う。
「これはすごいね。他の國からも人が來そうだよ」
「稅金を使って教師を雇って、無償で子供たちに最低限の計算と読み書きを覚えさせる。そんな容だったよな?子供に知識があれば、その子供たちは將來やりたいことにチャレンジできるし、國も発展する。よく考えたもんだよ。元の世界の知識かもしれないけど」
「読み書きができれば、々な分野について研究できるし、計算が出來れば、商売ができる。まわりまわって國の利益になる。さすがとしか言いようがないね」
「全くだよ。ユウト曰く娘に勉強させたいだけらしいけどな」
ミレナはその書類に最後まで目を通すと、ふぅと一息ついて紅茶を飲む。
「ラピス、もうこんな時間だ。明日は大丈夫?」
「明日は久々に休む予定だったから、大丈夫だな」
「そうか、休むのか」
ミレナは嬉しそうに確認すると、書類をまとめたラピスを無理やり寢室に引っ張っていく。
「えっ、ちょっ、明日は休みって言ったけどさ」
この後ラピスがどうなったかは言うまでもない。
ラピス side out
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