《魔がない世界で魔を使って世界最強》親子の再開
東から太が昇る。が夜の闇を払い森を照らし、朝日がにつられて鳥の鳴き聲が聞こえる。
カーテンから差し込むで彌一は意識を覚醒させる。
「・・・寒いな。しまった、のまま寢ちまってか・・・ん?」
目を開き寒さに思わず呟くと、左腕に暖かくらかいがある。そして橫を見ると同じくで可い寢顔で寢ているセナがいた。
彌一はそんなセナを抱き寄せ綺麗な蒼髪をでる。サラサラの髪のと全からじる暖かさとらかさにずっとこうしていたい気持ちになる。
そうしてひたすらでていると「ん・・・。」とセナがじろきし目を開ける。至近距離で彌一とセナの目が合う。しばらく二人とも直していると次第にセナの顔が赤くなり、シーツに潛る。
「おーいセナ。起きろー。もう朝だぞー」
「・・・朝はもう來ない・・・」
「いやくるよ!?そんなこと言わないで起きてくれ!」
「ううううう・・・。無理・・・恥ずかしい・・・」
セナがボケて彌一がツッコミという珍しいやり取りをする。肩をゆするってもセナはイヤイヤしてシーツから出てこようとしない。そんなセナにどうしたものかと考え、耳があるであろう部分に口元を近づけ囁く。
「起きないなら・・・キスするぞ」
「!!・・・・・・・・・・・」
その聲を聞いて一瞬ビクッとなるがその後かなくなる。何を期待しているか一目瞭然の行に、思わず苦笑いしつつ顔の部分のシーツを捲ると、頬をほんのり赤くし目をプルプルと閉じて寢たふりをしているセナがいた。
頬に手を添えに軽いキスを落とす。
「起きたか?眠り姫?」
「・・・うん」
キスで目が覚めた眠り姫セナはそういって顔を赤くし、彌一の首に腕を回して引き寄せ今度は自分からキスをする。
「おはよう彌一」
「ああ、おはようセナ」
朝から二人の世界を作るその景は完全にバカップルのそれであった。クラスメイトがこのことを知ったら死累々、阿鼻喚の地獄絵図になろうことは間違いないだろう。
そんなじで朝は過ぎ、二人は著替えリカード邸に向かった。
リカード邸に到著すると応接室に通され、まっているとリカードがってきた。そしてその後に蒼い髪のがってきた。
髪と目のはセナと同じ綺麗な蒼髪。年齢は20代前半辺りでとても若々しく人なだ。しかしその顔には疲労が窺える。
そしてそのはセナを見た瞬間口に手を當て目に涙を浮かべる。セナもそんなを見て立ち上がる。
「セナ!!」
「お母さん!!」
二人は駆け出しお互いを強く抱きしめる。
「ごめんなさい。セナ。本當にごめんなさい。」
「安心してお母さん。私はこうして生きてるから」
そういって二人は二度と離さないという様に強くお互いを抱きしめあった。
それからしばらく。二人は落ち著つき改めて席に著くとリカードが口を開く。
「ではまず改めて自己紹介をするとしよう。私はリカード・アイヤード。ここ、霊の里で村長をやっている。彌一君今回は霊の里、そしてセナを救っていただき謝する。」
そういって深く頭を下げたリカードに続き今度はリカードの橫に座るが発言する。
「私はエウラ・アイヤードと申します。彌一さん、今回は私たちの娘、セナを救っていただき本當にありがとうございます。」
そしてエウラ、セナの母親は同じように頭を深く下げる。それはもう本當に深く、深く頭を下げる。そんな二人に彌一は聲をかける。
「頭を上げてください。俺は別に気にしてません。それに俺よりセナに言葉をかけてやってください」
そんな彌一の言葉に二人は顔を上げセナの方を向く。セナもそんな二人にし張した顔で二人に向き直る。
「10年間本當にすまなかったセナ。私が無力なせいでお前に苦しい思いをさせて。何も言わず封印をしたりして」
「本當にごめんなさいセナ。あなたにひどいこと言って傷つかせてしまって。本當なら辛いときに支えて守ってあげるのが私たちなのに・・・本當にごめんなさい」
二人で一斉に再び頭を下げる。エウラは涙と嗚咽をらす。
二人は悔しかったのだ、リカードはセナを助けようと思っても結局助けることはできず、エウラは洗脳されてたとはいえ自分が何よりも守らなければいけない娘にいろいろな言葉を浴びせ、苦しめたことが。最の娘を守れなかった自分の無力さに。
そんな二人を見てセナは立ち上がるとエウラに歩み寄りその背中を優しく抱きしめる。
「大丈夫だよお母さん、お父さん。確かにあの時はとっても辛かったけど、それでも今はこうして二人にあえて幸せだから。二人が無事で本當に良かった。それに私は大丈夫だったよ」
そういってセナは彌一を見てにっこりとほほ笑む。そんなセナのほほ笑みに彌一も笑顔で返す
「彌一が居てくれたから私はここまでたどり著けた。お父さんやお母さん、里のみんなを取り戻すことができた。本當にありがとう、彌一」
そうして今度はセナもじって三人で頭を下げてくる。流石にこんな狀況に彌一も困ったように頭をかく。
「ああ、もう。そんなに謝らないで下さい。俺はただセナの力になりたくてこうしただけですから。そんなに謝されても困りますって」
彌一の言葉に三人は頭を上げ、セナは顔を赤くし嬉しそうに笑い、リカードとエウラは「おっ。」「あらあら」と嬉しそうに娘を見ている。そんな景が張りつめた場の暗い雰囲気を和らげ、次第に皆笑みを浮かべていた。
「そうか。うむ。彌一君がそういうならそうしよう」
リカードも気持ちに整理がつき晴れたのか、最初のころとは違った優しげな表をしている。エウラも涙を拭い明るい笑みを浮かべ頷く。
「そうねあなた。そういえばまだ朝ご飯はまだだったわね、待ってて下さい今作りますから」
「あっ。まって私も一緒に作るから。彌一またあとでね」
「おう」
そういってエウラとセナは二人で部屋を出て臺所へ向かう。二人を見送ると部屋にはリカードと彌一だけになる。お互いに沈黙していたが唐突にリカードが発言する。
「改めてだが彌一君。君はいったい何者だね?あのような魔法は見たことも聞いたこともない。」
と彌一に対し質問をする。彌一も聞かれることは予想していたのではっきりと答える。
「俺は異世界から召喚された勇者で、あれは魔法ではなく魔と呼ばれる俺達の世界、地球に存在するものです。といっても魔法と魔のにさしたる差はないですが」
そうして彌一は召喚されてからここに至るまでの出來事を話していく。
「それでは彌一君はこの後一度王都に戻るのかい?」
「いいえ、王都に向かう途中に迷宮があるので取り敢えず、すぐ近くのエルネ街に向かうことにします。迷宮を攻略してから向かおうかと」
「なるほど。彌一君なら迷宮攻略も難しくはないと思うが、気をつけたまえ。彌一君達が突破したグリノア迷宮は六大迷宮の中でも難易度が低い迷宮だ。それ以外の迷宮は攻略難易度がとても上がる。なにせ他の迷宮では5階層も突破出來ないほどのらしいからね。十分に注意してくれ」
「そんなにですか?わかりました。気をつけます。」
一通り區切りのいいところで會話を中止し用意された紅茶を飲んでいるとこれまた突然にリカードが言葉を零す。
「そういえば彌一君。セナと付き合っているのかい?」
「ぶぅうううっーー!!!げほっげほっ!!い、いきなり何を!?」
彌一が思わず吹き出した紅茶を首のきだけでヒラリとかわし、落ち著き払った態度で再び聞いてくる。
「いやなに、さっきの會話と態度からそうでないかと思ってね。で、実際どうなんだい?」
「・・・はいそうです。セナとは付き合っています」
「そうか。あの子は素直で優しい子だ。でもし泣き蟲なところがあってね。迷をかけると思うが宜しく頼むよ」
「いいんですか?普通こう言うのって怒ったり反対する様なところですよね?」
「確かにそういうところもあるのかもしれないが、私はもうセナを縛りたくないんだ。あの子がそう決めたのならそれを全力で押すのが私の罪滅ぼし、いや、父親としての役割だと思うからね。」
そう言ったリカードはやはり娘が離れて行くは寂しのか、何処か寂しげな雰囲気だが、それ以上に父親としての役割を果たすことが出來て嬉しそうにしている。
そんなリカードの信頼を裏切るわけにはいかない。
「わかりました。セナは必ず守ってみせますし、大切にします」
「頼んだよ彌一君」
二人は自然と手を出し合い、い男と男の約束を結んだ。
「「「「いただきます」」」」
四人でテーブルを囲み朝食を食べる。メニューは焼き鮭に味噌、お米と日本食メニューだった。この世界では主食はパンで米はないので彌一が地下施設から持ってきた米を使っている。初めての日本食にエウラとリカードは興味津々なようであった。
「おお。うまいなこの米というものは」
「ええ、もちもちしてておいしいですね。セナあなたいつの間にこんな料理作れるようになったの?」
「彌一に教えてもらったの。おいしいでしょ?」
「ええ、本當においしいわ。彌一さんは料理もできるのね」
「いえ、料理は趣味だったので。でも今はセナの作る料理が一番おいしいですから」
「もう。そんなことないよ。あっ、彌一、ご飯粒ついてるよ」
セナの手がびてきて頬についた米粒を取り、その米粒を自分の口に持っていく。そんなセナに彌一は赤くなる
エウラとリカードがそんな二人を見て「あらあら」「むっ」とそれぞれ反応をする。そして朝食を食べながらお互いに親睦を深めていく。
エウラとリカード、セナはこれまでの傷や後悔などは消えることはないだろうそれでもこうして仲を戻していって失った十年を取り戻していけたらいいと、彌一はそう思った。
朝食を食べ終わりテーブルで家族団らんとしていると、リカードがおもむろに立ち上がる。そして彌一に向け威圧をする。そんなリカードに彌一は瞬時に警戒心を上げ、椅子から立ち上がる。
「お、お父さんなにを!?」
「・・・」
セナはリカードを糾弾し、彌一は右手の人差し指と中指を揃え構える。リカードはすぐに威圧を解き、言う。
「ふむ。反応は悪くないな。」
「・・・いったい何を?」
「彌一君私と決闘しろ」
「「えっ?」」
そんな言葉に思わず呆ける。
「セナをしければ私を倒し、その強さを証明してみせろ」
そういって高圧的に言い放つリカードはその言葉になからずの殺意を宿していた。
「君の強さは相當なものだろう、だがセナを守れるのかは自分で見定めるのが一番だ。」
「・・・わかりました。その決闘けましょう」
リカードのその眼差しに彌一は決闘をける。
こうして彌一はリカードと決闘をすることになった。
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向かったのはヨーロッパにあるコロッセオのようなところだった。コロシアムは野球球場くらいの広さ周りのコロシアムを囲むように設置されている客席にはエウラやセナ以外にも多くの人が詰めかけている。
そんな多くの観客が見守る中彌一とリカードはコロシアムの真ん中で向き合っていた。
「・・・隨分と人がいますけど?」
「・・・すまない。気が付いたらこうなっていた・・・」
エウラが里の人に聲を掛け、里を救った英雄を一目見ようとこうして観客が詰めかけてきたのだ。リカードは溜め息をつき観客に向き直り聲を上げる。
「皆の者!我々はこの十年間魔人に支配されていた。そして私たちはセナを追い詰めそして封印した。私たちは何もできず無力だった」
リカードの言葉に観客は皆暗い表を浮かべる。それぞれ洗脳されていたとはいえ傷つけてしまったことに罪悪をおぼえているのだろう。そんな観客にリカードはさらに聲を上げる。
「しかし、セナを、我々の里を、この年日伊月彌一が救ってくれた!魔人を倒し私たちの十年の屈辱を倒してくれた。改めて禮を言う」
その言葉に観客席から「ありがとう!!」と謝の言葉が聞こえてくる。彌一はし照れくさくなる。
(セナは里の人にされているんだな)
里の人の暖かさに彌一は嬉しく思う。しかしリカードの顔を見るとその顔にはし悪い笑みを浮かべていた。そしてリカードは観客に向け弾を投下する。
「そして皆に発表することがある。このたびこの年、日伊月彌一と私の娘であるセナは結婚をする!」
リカードが何を言っているか理解できず沈黙する。
「え、えぇええええええええーーー!?!?。い、いったいなにを!?」
「そして今二人は人である!」
「だからなにいってるんですか!?」
「今日はそんな彌一君の力量を見定めるためこうして決闘を行う!!」
次から次へと進めていくリカードにあわてる彌一は、観客席の一番前にいるセナに目を配ると、セナは頬に手を添え幸せそうにイヤンイヤンしている。そしてその後ろにいる観客からさっきの歓聲とは一変して殺気が漂ってくる。
(本當にセナはされているんだな・・・)
そうして顔を引き攣らせている彌一を目にリカードは子供がいたずらが功したような顔で笑っている。
「や、やってくれましたね・・・」
「うん?なんのことかな。そういえばセナももうそんな年頃だとふと思ってね」
恨めし気に見る彌一の視線をリカードはとぼけた様に答える。はぁ。とため息を溢すがすぐに意識を切り替える。
リカードもそんな彌一を見て意識を切り替える。お互いから絶大な威圧が放たれぶつかる。空気を歪めるかと思うほどのぶつかり合った威圧はコロシアムから音を消し去る。
「さぁ、始めようか」
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