《魔がない世界で魔を使って世界最強》エルネ街でデート
エルネ街は商業都市として有名だ。エルネ街と呼ばれているが、実際は都市のように大きいので一般的には都市と呼ばれる。様々な地方のが集まりとても栄えており治安もいい。
行きう様々な人々を眺めながらエルネ街に続く街道を通って街の城門に到著した彌一とセナは街にるべく、詰所で街検査の列に並んでいた。街の周りを囲む城壁を見上げながら列に並んで待っていると彌一たちの番になった。
「それでは次の人。ようこそエルネへ。検査の前に必要事項をこの書類に記をお願いします」
係りの青年は手元の紙を二人に差し出してくる。記欄には名前と目的の二つしかない。二人は並んでささっと記をしていく。書き終わった書類を係りの青年に渡すと彼はし驚いた表をする。
「どうかしましたか?」
「ああ、いえ、お二人とも旅の方にしては隨分と字がお綺麗でしたので。失禮しました。はい、記に問題はありません。えっと、ヤイチ・ヒイヅキさんとセナ・アイヤードさんですね」
「はい。そうです」
「うん」
頷く二人を見て青年は再び書類に目を通す。
「今回の目的は冒険者組合に用とのことですがよろしいですか?」
「ええ、そうです。この街で冒険者して登録しようと思いまして」
「そうですか。無事登録できることを願っています。それでは書類の方には問題ありませんので通行料と街課金としてお二人合わせて四千ネクトお支払いいください」
ネクトとはこの世界のお金の単価である。日本円に換算すると一ネクトは一円、十ネクトは十円といった合で日本円と変わらない単価である。丸い青銅のような金屬で重さもそこまで重くない。また五百ネクトで五百ネクト貨という一回り大きい青銅の貨、千ネクトで銅の貨、一萬ネクトでベルト貨という銀の貨、百萬ベルトで今度はグラ貨と呼ばれる金の貨と換金できる。このことを知った時彌一は日本円と全く同じで驚いた。
そんな彌一は霊の里でお禮としてベルト貨五十枚をもらっており所持金は五十萬ネクト、日本円で五十萬円になる。もっともミスリルを買うため六萬ネクトはすでに使っているため、殘りは四十四萬ネクトとなっている。
二人分のお金をポケットから出して青年に渡す。青年はけ取った金額を確認すると奧の扉に案する。
「はい。ありがとうございます。それではどうぞエルネをお楽しみください」
青年の丁寧な案で二人は奧の扉を抜けエルネ街にる。
扉を抜けるとそこは大きな広場。広場では様々な店が立ち並び香ばしいにおいが漂いお祭りのような景となっている。人々は楽しそうに笑いながらのどかなお晝時を過ごしている。街並みは煉瓦で作りで統一された住宅が立ち並びしい街並みになっている。
「はぁ~すごいな。」
「彌一!あのお店の料理おいしそう!」
綺麗な街並みにしている彌一をよそにセナは子供の様にはしゃいでいる。セナは生まれてから七年はずっと里に住んでいてそこから十年は封印されていたので生まれて初めて里を出て街に來ることに興しているようだ。
そんなセナに苦笑いしつつ彌一はセナの手をとって指を絡める。セナは顔をほんのりと赤くしながら彌一の腕に絡みつく。
「なぁセナ、冒険者組合に行くのは明日にして今日はデートしないか?」
「でぇーと?」
聞いたことがない単語に可らしく首を傾げる。
「デートってのは人同士が一緒に出掛けてご飯食べたり遊んだりすることなんだ」
「・・・!うん!デートする!・・・ふふっ、彌一とデート♪。あっでも違うよ」
デートに嬉しくなっていたセナが思い出したように言う。なにか間違ったろうかと小首を傾げる彌一にセナは耳元に口を寄せる。
「私たちは人じゃない、夫婦だもん。ね?あ・な・た」
甘い聲で囁いてくるセナに思わず顔を赤くする彌一。セナにとってその事実はもっとも重要だったらしい。どうしようもないおしさに近くにあるセナのに軽いキスを落とす。セナはニコニコとさらにぎゅと抱きつく力を強くする。
晝の広場のど真ん中でイチャつき二人の世界を創りだしている二人はとても目立っていた。周りの奧様方からは、あらあら、と暖かい視線を送られ見られ男衆からは怨嗟と殺気の視線を送られる。しかし二人はそんなことは知ったことではないと気にしない。
「それじゃ行くか。ちょうどお腹も空いたし何か買って食べよう」
「うん。じゃあ、あのサンドイッチみたいなの食べたい!」
「ん?あれか?」
そういってセナが指を指した巨大なを垂直にして焼いている店だった。二人は腕を組んだまま店に歩み寄ると店のおっちゃんがいい笑顔で聲を掛けてくる。
「いらっしゃい!おっ、お二人さんこんな晝からお熱いね!どうだい、ガル豚包み。おいしいぞ!」
おっちゃんの橫では巨大なの塊が垂直に刺された狀態でくるくるとまわり側面が焼かれている。香ばしい香りが二人の胃袋を刺激してくる。
「どういった料理なんです?」
「パンに焼いたガル豚とサラダをれて伝のソースをかけたもんだ。ソースがピリッときてやみつきになるぞ!」
「それじゃあ二つください」
「はいよ!二つで六百ネクトだ」
渡されたガル豚包みはナンのようなパンにトマトなどの野菜とをぎっしりつめソースがかけてあり地球のケバブのようだった。二人は店の隣のベンチに座り「「いただきます」」とかぶりつく。かぶりついた瞬間の皮のパリッとした音が響く。
「うん!うまいな!トマトのみずみずしい酸味とし濃いめの味付けのがうまく合わさってる」
「うん!ソースもピリッとしてて逆にそれが食をそそる。これならこの量も平気で食べられそう」
そんな想を聞いたおっちゃんは二人に向かってぐっ!と親指を立ててニカッ!と笑う。二人も同じようにおっちゃんにぐっ!する。
そのまま二人は黙々と食べ進む。二人ともとても気にったようで食べ終わった二人はとても満足した顔をしていた。
「ふーおいしかった。セナの料理が一番うまいけどたまにはこんなのもいいな」
「うん。とてもおいしかった」
二人は満足げに立ち上がるとおっちゃんに聲を掛けて改めてデートを再開する。今度はし広場から離れた店に行ってみる。広場が料理が並ぶ店が多かったのに対してここは遊戯系の店が多い。彌一とセナはそんな店を眺めながら進んでいるとパン!という音が聞こえてきた。彌一はその音が気になったのでセナと一緒にその音が聞こえる方に行ってみる。
音が聞こえてきたのはし大きめの店だった。手前には臺が置いてあり店の奧には階段狀の棚に様々な商品が並んでいる。そして音の原因は臺の上にを乗り上げている男の子が持っていた銃だった。そして男の子が引き金を引くとパン!という音とともにコルクが飛び出し奧の商品に當たる。
「ああ、的屋か」
「的屋?」
「そこの臺からあの銃を使って奧の棚の景品に當てるんだ。當たって景品が落ちたらその景品がもらえるってしくみ。懐かしいな~」
値段は四百ネクトと日本の縁日のようだ。セナは興味があるのかそのコルク銃を見ている。そんなセナに彌一は店主に四百ネクトを渡し、コルクを五個もらうと銃にコルクを裝填してセナに渡す。セナは彌一にお禮を言うと意気揚々と臺の前に立ち両手で銃を構えて撃つ、が。
「あ、當たらない・・・」
コルクの弾はパンと音を発し景品の下を通り過ぎる。気合をれ直して再度挑戦するが今度は景品の上を通り過ぎる。そして殘りの弾も撃つが弾はかすりもしない。
「當たらない・・・」
子供の様に頬を膨らませしすねたセナに彌一は店主にお金を払い弾を貰って裝填し隣でゆったりと右手を前に突き出す。そして狙いを定め発砲。
発された弾は箱の商品の端に命中して箱が回転すると隣の箱に當たり二つまとめて棚から落ちる。周りの客がおお!湧き上がる。続けてさらに発砲。
パン! パン! パン! パン!
全ての弾が同じように二つまとめて景品を叩き落とす。銃の扱いに慣れている彌一にとってコルク銃の扱いはお手のだった。しかも今は【解析眼】がある、コルクの弾道をセナが撃つときに計測していたため今の彌一は百発百中だ。若干インチキくさいが・・・。
五発の弾で落とした景品は十個で周りで見ていた子供たちが目を輝かせて寄ってくる。
「にーちゃんすげー!!」
「どうやったの!!」
そんな子供たちに彌一は笑いながら子供たちの頭をでていると店の店主が參ったといった表で景品を持ってやってくる。景品は箱と換でいろいろなものがあるらしく彌一がゲットしたのは店のお店の食券に宿の割引券など料金のわりに景品は豪華だった。するとセナは負けじと店主にお金を払い弾を貰って撃つが同じく外れる。
「う、うぅ~~~~。まったく當たらない・・・」
臺に突っ伏しし涙目のセナに彌一はセナにアドバイスを送る。
「その臺の上に乗り上げるようにして銃を前にだしてみろ」
そうしてセナは最後の一発を裝填し、臺に乗り上げるようにして銃を突き出す。彌一はセナの背後にまわり覆いかぶさるようにして抱きつきセナの引き金を持つ手に手を被せる。真橫にある彌一の顔に思わず顔を赤くする。
「や、彌一・・・!?み、みんな見てるから・・・!!」
「いいだろべつに」
彌一は恥ずかしがるセナをよそにさらに頬と頬をくっつけてセナの目線での狙いを定める。そしてセナの人差し指を使って引き金を引く。パンという音とともにコルクの弾は景品に吸い込まれてゆき、箱の上部に當たり景品を棚から落とす。
「・・・!やった!やったよ彌一!ありがと!!」
あまりの嬉しさに恥ずかしがっていたことも忘れ彌一の首に腕を回し抱きつく。しばらくすると周りの暖かい視線で恥ずかしくなって腕を外し、店主から景品をもらう。セナがゲットしたのはお菓子屋のカップルデザート券だった。
セナはその景品を満足そうにけ取って、再び二人は腕を組みながら街をデートする。
デートをしていると気が付いたら三時過ぎだったので二人は先ほどセナが手にれたデザート券を使ってデザートでも食べようとそのお菓子屋に向かう。大通りからすこし外れた路地にそのお店はあった。アイスクリームやケーキなど富な種類のメニューになににしようか悩んでいるとセナが何かを見つける。
「彌一あれ」
「ん?期間限定まんじゅう?へぇ~なんだろうな」
すると付の店員が彌一とセナに説明してくる。
「この時期に取れるトルの実を末狀にして混ぜ込んだ試作品まんじゅうです。大変辛いので食べるときは注意してくださいね」
「そんなに辛いんですか?」
「ええ、それなりの辛さですよ」
期間限定という言葉にし考える。なんとなく期間限定と聞くと食べてみないと損という気分になってくる。彌一は辛いものもそれなりにいけるので今回はこれにしてみることにする。
「それじゃあこの期間限定まんじゅうで。セナは?」
「私は普通のイチゴアイスクリームにする」
こうして期間限定まんじゅうとアイスをけ取って移し二人は周りには誰も居ない木のベンチに座る。セナはアイスをおいしそうに舐め、彌一はまんじゅうを見つめし考えたあとぱくっと放り込む。
瞬間、口の中で大発が起こった。
「か、かれぇええええーーーー!!」
「・・・!?大丈夫彌一!?」
まんじゅうの辛さは彌一が想像していたのよりも數段上の辛さだった。口に染みる辛さとを焼くような熱に思わずぶ。突然のびにセナは驚愕する。
「み、水!!」
「え、えっと、ど、どうしよう・・・!?」
水はここにはないのでどうしたものか悩んでいるとセナは意を決したようにして彌一の首に手を回しに自分のを重ねる。
「!?!?」
「んちゅ・・・れろっ、んちゅ、ん、んっ・・・」
いきなりのセナの行に彌一は驚いているとセナはそのまま舌をいれて絡め唾を流し込むようにする。セナの口からほんのり甘いイチゴ味の唾が流れ込んでくる。彌一は辛さを忘れそのに酔いしれる。しばらくセナは彌一のを貪るようにキスをしてそっとを離す。セナのと彌一のの間を明な糸が艶めかしく結ぶ。
「せ、セナいったいなにを・・・?」
キス自はとてもうれしいが突然のことに驚いてしまう。セナは顔を熱くしつつそれに答える。
「み、水がなかったから、思わず・・・どう辛いの引いた・・・?」
「あ、ああ、もう気にならない。ありがとなセナ」
恥ずかしくもなりつつ素直にお禮を言うとたったいま熱いキスをしたばかりのに今度はこちらから軽いキスをする。セナはしくすぐったそうにして笑いベンチから立ち上がる。
「それじゃデートの続き、しよ?」
差し出してきた手をとって立ち上がり二人は街を歩き始めた。
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あれからもイチャイチャデートは続き、もうすでに夕刻。太がオレンジに燃えながら城下町を赤く染め沈んでいく。二人は本日泊まるため宿を訪れていた。店の一階はどうやら酒場兼食堂となっているようで仕事終わりの人たちが豪快に笑いながら酒を飲みかう。彌一はこういったテンプレ的な宿に心わくわくしていた、やっぱり異世界の宿はこうでないと。とそんな彌一たちにエプロンを著けた一四歳くらいのの子が近づいてくる。
「いらっしゃいませお客様。ようこそメデルの宿へ。私はここの宿の娘のレンと言います。本日はご宿泊ですか?」
そういったレンというは若干ウェーブのかかったふんわりとした稲穂のような髪を揺らし可らしい笑顔で接客をしてくる。
「ああ、そうだ。とりあえず二人、十日分宿泊したい。あと風呂はあるか?」
日本人の彌一としてはやはり風呂は外せない、ここに來るまではお湯のタオルを使ってを洗っていたので久しぶりに風呂にびびとりたいのだ。
「はい。お風呂は時間指定で貸切にできます。どの時間貸切にいたしますか?」
「そうだな、一時間で」
「え?そんなにですか?」
この世界はそれほど湯につかるという習慣があまり広まっていないので珍しいのだろう。日本人の彌一としては風呂は長くゆっくりとりたいし、それにセナも風呂の良さに嵌まって長風呂派だ。
「ああそうだが?」
「わ、わかりました。それでは部屋は二部屋で浴のお時間はお一人様一時間でよろしいですね?」
容の確認をしてレンは手元の用紙に記をしようとしたがそれを彌一は制する。
「いや、部屋は一部屋でいいし、風呂も二人でるから一時間でいい」
「え?・・・えぇえええーー!?」
レンの驚きになんだなんだと周りの人が視線を寄越してくる。レンは顔を真っ赤にして彌一とセナを互に見る。年頃のの子にとって異の二人が同じ部屋に泊まり、同じ風呂にるということは衝撃的だったのだろう。思春期特有の妄想をしてしまってレンは顔から火が出そうになっている。
「し、失禮ですが、お、お二人はいったい、どういったご関係で・・・?」
「夫婦だけど?こっちが俺の嫁のセナ」
「よろしくね」
彌一はセナを紹介しセナも挨拶をするが夫婦という言葉が乙の妄想をさらに加速させていく。
「あわわわ・・・・!!ふ、夫婦・・・二人っきり・・・お風呂・・・きゅぅうううう・・・!!」
乙の妄想はオーバーヒートしてしまったようでレンは後ろに倒れる。倒れそうになったレンを後ろからレンの母親が支えて肩に擔ぐ。
「すみませんねお客さん、はい、これが部屋の鍵ね。部屋は二階のし大きめの二五號室だから。夕食は六時から十時の間ならいつでもどうぞ、風呂も九時からなら空いてると思うから。料金に関しては明日確認するから。それじゃごゆっくり。」
母親は肩にレンを擔いでそのまま奧の部屋に消えていく。
「それじゃいくか」
「うん」
二人は階段を登り二階に上がっていくがその際酒場の男衆からは嫉妬と怨嗟の視線が送られて來たが彌一はそれを無視して上がっていく。
部屋にはし大きなベットと機に照明用のランプだけと簡素な作りだがところどころちゃんと掃除が行き屆いている。
二人はリュックを置くとまたすぐに夕食を食べるため一階に降りる。そこで復活したレンに謝罪されたが全く気にしていないのですぐに許すとほんのお詫びですと言って夕食と一緒にリンゴを貰った。夕食は鶏のチーズ焼きにパンとサラダで大変味しかった。
夕食を食べ終わった二人は貸切の大浴場に向かった。
「おお、思ってたよりもしっかりしてるし何よりデカイな」
「こんなに大きいのは初めて」
にバスタオルを巻いた狀態で二人は風呂の大きさに軽く驚いていた。二人は小さいイスを持って洗面臺の前に座って髪を洗いを洗って二人でお湯に浸かる。
「はぁ〜気持ちいい・・・」
「ほんとだね・・・」
お互いにもたれかかり全の芯まで染みる暖かさにはぁ〜と気の緩んだ聲を上げる。彌一はチラッと橫を見るとそこには蒼い綺麗な髪を結って白い綺麗なうなじが見えて獨特の香を漂よわせているセナがいる。どうしてこうものうなじは香をうのかと思いながら、セナのその細い腰を抱き抱え後ろからセナを抱き締める様にして綺麗な蒼髪に頭をうずくめる。
「きゃっ、どうしたの?」
「なんとなくこうしたくなったんだ」
「そうなんだ。・・・でも、その、・・・當たってる・・・」
「うっ、そ、それは・・・」
腰の後ろに當たるい何かに顔を赤くしつつ彌一を見て微笑む。
「部屋に帰ってからたくさんしてね・・・」
そんな最の嫁の甘い艶やかな聲に彌一は限界寸前にまで追い込まれた。
その後風呂から上がり部屋に戻って、二人はお互いに
今日のデートを振り返りながら激しくしあった。
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