《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》初めての會議
砂が仲間になったよ。
え? 何を言ってるんだって? 俺にも正直分かりません!
すこし前からダンジョンにり込んで無駄な警戒をさせてくれたのは、俺がミストとの勝負で生み出した砂の魔だ。
サンドゴーレムとかサンドスライムとかもDP使えば呼び出せるっぽいけど、純粋な砂が魔化するという、新種の魔作っちゃった、てへっ!
まぁそんなこと言い出すとダンジョンを魔にしてしまっている時點で手遅れな訳だ。
てな訳で、ダンジョンに混(焦ったのは俺だけ)をもたらした原因は俺にありました、はいスミマセン。
他の奴等は特に気に止めてなかった見たいで、俺だけ一人相撲している気分だ。
「ぶぅ、クロトがポンコツって言った……悪いのクロトじゃん!」
しかめっ面をしてそっぽを向いているのはご存知、此方も俺が産み出しました。
ダンジョンのラビィだが、拗ねている。砂に気がつかなかった俺は真っ先にラビィをポンコツ認定した訳だよ。
そしたら原因は俺と言うことで、ラビィに非はない。
なのにポンコツ呼ばわりされてしまったのでプンスカしているわけだが、ポンコツはポンコツなのでしょうがないと思うんだ。
「悪かったって、ほら、イチゴミルクやるぞ?」
「本當っ!? あ、いや、こ、今回は許さないもんね!」
一瞬目がキラキラしてたぞ、釣られかけてるじゃねぇか。
だが長したな、直ぐには食らいつかないとは……長の方向間違っている気がする。
よし、面倒事はユキムラに任せておこう、ほら、何だかんだで仲良いだろ? 喋ってるの見たこと無いけどな。
「はぁ、分かったよ。じゃあこれやるよ」
DPで変換っと……イチゴミルクと対して変わんないな2DPだ。
「何これ?」
俺からあるをけ取ったラビィは不思議そうに掌サイズに収まるソレを見上げたりしている。
これもちょっとした実験なんだけど、丁度良いし、モルモットになってくれ。
「これはな、イチゴ大福だ」
「イチゴダイフク?」
「そう、お前がいつも飲んでいるイチゴミルク……そのイチゴを使ったスイーツなのだ!」
「なるほど!」
はっはっは、驚いてくれているようだな!
「ねぇクロト?」
「何だ?」
「イチゴとかスイーツって何?」
「おうふ……」
そこからだったか……まぁコイツにイチゴ何てあげたこと無いもんな。
ただただ飲んでるだけだし、特に気にしている様子も無かったからてっきり知ってるのかと思ってたわ。
「実を見てもらった方が良いな。ほれ、これがイチゴだ」
「わぁ、真っ赤だね!」
「そのイチゴと、此方の普通の牛……ミルクだな、それを混ぜたがイチゴミルクとなる」
厳には違うと思うんだが、こっちの知識を言ったところでこのポンコツちゃんは頭がショートするだろう。
あと俺も詳しいことは知らん。
「次はスイーツについてだな。甘いもの、以上!」
「説明が雑すぎない!?」
「種類が多くてな、どう伝えるか俺にもわからん」
「うわぁ、甘酸っぱいね!」
「そのは分かるのな。そんでこのイチゴを贅沢にモチで包んだのがイチゴダイフクだ」
「モチ!? これモチなの!? クロト、私に仲間を食べろなんて酷いよ!」
は? 何を言って……あ、あーモチ、モチねハイハイ。
ラビィは多分十勇士のモチだと勘違いしているようだ。
誰が仲間食べるか、あんなキラッキラしたもん食べれるわけないだろ!
「違う、勘違いだ。それはモチであってモチではない」
「ごめん、ちょっと良く分かんない」
「あー、そうだな、お前が持ってるのは食べられるモチだ。十勇士のモチはまた別の話だ」
「へぇ、そうなんだ。あ、味しい、スッゴい味しいよ!?」
人が話している最中に食べるんじゃないよ! こんどワサビ仕込んでやるからな、覚悟しとけよ!?
「機嫌は直してくれたか?」
「うーん、ま、良いかな。許してあげるんだから謝してね!」
「はいはい、謝謝」
機嫌は直してくれた様で一安心だ。
これで口聞いてもらえず、ダンジョンの強化に協力的になってくれなきゃ死亡率跳ね上がるからな。
信頼関係って大事だと思うんだ、ラビィは食べで釣れるけど。
「クロト……」
「どうした?」
なにやらもじもじしているぞ? トイレかな、いや俺ラビィがトイレってるの見たことないな。
頬も紅いぞ、熱か、それとも風邪か? でもバカは風邪を引かないんじゃ無かったのか?
異世界ではそんな常識は無いのだろうか。
「も、もうひとつ下さい……」
「……ほらよ」
ただの食い意地だったようだ。
何を恥ずかしがってんだこの野郎……野郎じゃないな。
イチゴミルクは狂ったように頼むくせにイチゴ大福は遠慮ってか? お前の基準が俺には分かりません。
さてと、ラビィとのオフザケはここまでにするとしようかな。
いや切実な話、増やす予定は無いけど萬が一大量に魔が増えたとして、そいつが持ってるDP以上に食費がかかるとしたら一気に経済難になってしまう訳だよ。
なので冒険者でも呼び込もうかな、なんて思い始めた訳だ。
べ、別にユキムラとかミストが「刺激がしい! 冒険者喚んで!」とか言ってきた訳じゃ無いぞ? 本當だぞ?
これは報収集の為だ、斷じて斷ることが出來なかった訳じゃない。
とまぁ、冒険者を呼ぶとなるとダンジョンの旨味、あとソレなりの広さが必要となってくるわけで……。
第1層森林エリアと第2層迷宮エリアの間へ2層追加し、森林エリア2、3を配置した。
これで全5層となり、普通に歩くとしたら散策、階段の発見、魔との戦いにより3日位なら稼げるだろう。
寶箱もしずつ配置していき、罠もコスト削減で手作り、うん、貧乏ダンジョンだ。
早くゴブリン達の畑に作が出てくれると嬉しいな。
◇◇◇
「本日集まってもらったのは……冒険者呼び込もうかなってじの話をするためだ」
翌日、村エリア。
無駄に広く作ったミスト専用の家(ウノーサノー付き)に皆を集めた。
まずはミスト、ウノーにサノー。
家に上がり込んでいるわけだから聞く権利はあると思うんだ。
次にユキムラ率いる十勇士全員。
ユキムラに話をすると言いに行ったら盜み聞きしていたサイゾウにより噂が広がり全員ついてきた。
そして俺の周りにまとわり著いているので、端から見れば大量の風船を持っているテーマパークのピエロだ。
とってもカラフルで目が痛い。
そして、ホブゴブリン、進化の最初の犠牲者の村長。
俺が子ゴブリン達以外では割と良く話す奴だ。
最後はラビィだな、どうせ話は聞いてないし覚えもしないとは思うが、無駄に最重要ポジションにいるし、除け者にすると面倒なので連れてきた。
ぶっちゃけただの飾りだ。
「漸く僕に刺激をくれるんだね! ここのところ訓練以外退屈でしょうがなかったのさ」
刺激がほしけりゃこんどタバスコりのたこ焼きでもくれてやるわ。
「まぁそうだな、外の報収集とかしたいし、冒険者とかのレベルも知っておきたいってのが本音だ」
「しかし主よ、どうやって呼び込むおつもりで?」
膝元を占領しているユキムラが質問してくるんだが、お前椅子用意してあるんだからそこに座れよ。
そんな景を見ていたサイゾウはユキムラをつついてるし、黃のスライム、ユリは俺の肩に乗ってるし、金ぴかのモチなんかはずっとクルクル回ってやがる。
「貴様ら! 陛下が喋っているだろう! 靜粛にしろ!」
緑のスライム、ロクロウが怒鳴り散らす、苦労人だなぁ、あと陛下って止めようや。
「でもロクロウさ主君の足元にべったりだから説得力皆無だと思うよ」
橙のスライム、コスケがからかうように跳ね回る。
「旦那様? いつになったら私とお話ししてくれるのかしら?」
ユリとは対角に俺の肩を占領しているのは紫のスライム、カケイ。
ぶっちゃけ苦手意識があります、なんか怖いんだよな、底知れなさってやつ?
とりあえず騒がしくなってきたので止めることにしよう。
「はいはい、ひとまず話すぞ」
手を叩いて見たら十勇士全員が見事に黙った。
素晴らしいな、最初から靜かにしてくれれば良いのに……。
「ユキムラの質問に答えると、まぁ呼び込むのは何とかなると思う。そして1番の問題はその前だ」
「前?」
「あぁ、サスケとサイゾウは街にまで降りたことはあるだろ? でも、それは隠れてだからな。俺が直接行くとなると話は違う、まず検問とかがあると思うんだ。それを突破しなきゃならん」
街にれなかったらそれこそ何も出來やしないからな。
おまけにこっちは金目のなんて持ってないし、せめて普通の武を売って金にするかな。
俺がここの通貨などを知らないからか、DPでは変換出來ないようで、日本円やドル、ユーロなどは出來るんだが、そこは知識の問題なんだろう。
「ちょ、待ちなよクロト。君が直接行くつもりなのさ!?」
「え? そうだけど? 逆に誰が行けんの?」
ミストが行くか? 卻下だ、街が崩壊するし何より見た目は子供、頭脳はクソガキ。
こんな暴れ馬そとに出せるか、皮のは辛うじて調が悪い位で済ませば問題ない。
けどそれならウノーかサノーを連れていった方がましだ。
ウノーか、うん、アイツ何考えてるか分かんないんだよな。
ボーッとしてるし、何より面倒くさがる奴だし? 同じ面倒くさがり屋、いや、こっちはネガティブかな? 銀よスライムのジンパチと仲が良いっぽい。
サノーは頭も良いっぽいし、気配り上手いし、うん、こっちに任せたいわ。
なお、皮のという問題からみてホブゴブリンも卻下、畑耕せ。
もちろん、ラビィはアホだから戦力外通告だ。
スライム達はそもそも人形じゃないので無理だな。
服のなかに忍ばせるとしても1匹が限界なので、こっちはルーレット決めるとしよう。
「とまあ、諸々の理由で俺が出張るしか無いわけだよ」
「僕も行ってみたかったのさ……」
「ちょっとクロト! 私がアホってどういうこと!?」
「……涎著いてんぞ、會議中に起きていられるようになったら意見しなさい」
今まで寢てやがった奴が何を言いやがる。
そもそも何でこんなに騒がしいのに睡眠きめてんだ、変われ。
「と言うわけでサノーに協力してもらいたい」
「ええ、構いませんよ。宜しくお願い致します」
グールからワイトにいつの間にか進化していやがったサノーは流暢に喋るし、腰らかいな。
裏で俺を殺す算段立ててたら俺生きてる自信ないわ~。
「サノー、クロトに何かあったら消すからね」
ニッコリと濃な殺気を放ちながらサノーを見るミスト、こっちが汗かくんですけど……。
「當然でございます、護衛ですので」
「そう、なら良いよ」
興味を無くしたのか用意されているお茶を飲み、俺がDPで出したお茶菓子のクッキーを食べ始める。
ちくしょう、空気壊しやがってこの野郎。
「ねぇマスター、私達は誰が護衛出きるんですか?」
サイゾウの何気ない一言で十勇士の視線が集まる……様な気がする。
目がないんだもんしょうがないじゃん。
「もちろん前回やったルーレットだ。今回は1人だし、服の中っていう窮屈な待機になるけどそこは我慢してほしい」
ずっと服の中とか好奇心旺盛なスライム達には大変だろうけど、そこはすまん。
ん? 心なしかスライム達の目のが変わったような?
「……服の中、つまりマスターと四六時中べったり出來るわけですね。ご褒じゃないですか」
「サイゾウ、お前ズルはすんなよ?」
「な、何言っちゃってるんですかサスケくん! わ、私がそんなことするわけないですよ!?」
「図星だなこりゃ」
あれ? 良く良く考えたらなんでサイゾウとサスケは一緒にいるんだ? 冒険者見張らせてる筈だったんだけどな。
「何故にサスケが?」
「あ、報告するの忘れてたぜ旦那。あの冒険者達は部下複數人がかりに任せているから安心してくれ」
ついに引き継ぎまでしたか。
まぁそのスライム達には悪いけど、そろそろお役免になるんだけどな。
「よし、選は明日。そして出発も直ぐにやる予定だから準備宜しく」
どうせ暇だから準備に時間を當てても余裕はある、突発的でも問題なし!
平和の守護者(書籍版タイトル:創世のエブリオット・シード)
時は2010年。 第二次世界大戦末期に現れた『ES能力者』により、“本來”の歴史から大きく道を外れた世界。“本來”の世界から、異なる世界に変わってしまった世界。 人でありながら、人ならざる者とも呼ばれる『ES能力者』は、徐々にその數を増やしつつあった。世界各國で『ES能力者』の発掘、育成、保有が行われ、軍事バランスを大きく変動させていく。 そんな中、『空を飛びたい』と願う以外は普通の、一人の少年がいた。 だが、中學校生活も終わりに差し掛かった頃、國民の義務である『ES適性検査』を受けたことで“普通”の道から外れることとなる。 夢を追いかけ、様々な人々と出會い、時には笑い、時には爭う。 これは、“本來”は普通の世界で普通の人生を歩むはずだった少年――河原崎博孝の、普通ではなくなってしまった世界での道を歩む物語。 ※現実の歴史を辿っていたら、途中で現実とは異なる世界観へと変貌した現代ファンタジーです。ギャグとシリアスを半々ぐらいで描いていければと思います。 ※2015/5/30 訓練校編終了 2015/5/31 正規部隊編開始 2016/11/21 本編完結 ※「創世のエブリオット・シード 平和の守護者」というタイトルで書籍化いたしました。2015年2月28日より1巻が発売中です。 本編完結いたしました。 ご感想やご指摘、レビューや評価をいただきましてありがとうございました。
8 158ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生の愉快な非日常:5~海をまたぐ結婚詐欺師!厳島神社が結ぶ、をんな達のえにし~美人ヴァイオリニストの橫顔、その陰翳が隠す衝撃の真実
ファザコン中年刑事とシスコン男子高校生シリーズ6作目です。 兄は……本當は俺のことをどう思っているのだろう? たとえ半分しか血がつながっていなくても、ずっと優しくしてくれた。 その意図に裏なんてないと、ずっと信じてきた。 でも、今はもう真実がわからなくなってきた……。 優しかったはずの異母兄が、本當は自分を疎んじていたことを知った藤江周は、ある日、義姉の口から自分の出生の秘密を知らされることになる。 なんとしてでも義姉を兄と離婚させ、本當に好きな男と結ばれるようにしてやりたい。 そう考えたが、現実は思うようにならない。 そんな折、義姉の実家が経営する溫泉旅館『御柳亭』が廃業の危機に追い込まれていることを知る。なんとか経営を立て直すことができないだろうかと、周が和泉に相談したところ、知り合いの會計士を紹介してくれる。 その會計士は旅館従業員の中に橫領犯がおり、その不正が経営を圧迫していることを突き止めるが、真相に迫るにつれ、命を狙われるようになる。 一方そのころ、宮島の紅葉谷公園で白人男性の他殺體が発見される。被害者は結婚詐欺師として捜査2課がずっと追っていた人物だった。 警察は詐欺被害者の內の誰かが犯人だと考え、捜査本部を設置するが、判明している詐欺被害者達には全員、アリバイがあった。
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