《手違いダンジョンマスター~げられた魔達の楽園を作りたいと思います~》決著! ホブゴブリンVSオーク
「ぬぉぉぉぉぁぁ! 取ったでごわすぅぅぅぅぅ!!!」
り込む様な形で旗を手にしたワテはそれを天高く掲げる。
それと同時に森中に乾いた音がなる。
ワテは初めて聞く音でごわすが、なんでもこれが決著が著いた合図とあの人間から説明されている。
初めて聞くものだから、ちょっとビクッとなったのは緒でごわす。
何はともあれ、この戦いはワテらオークの勝利と言うことになるでごわす。
うははははっ! これでホブゴブリンの領地はワテらオークのになり一族は安泰でごわす!
終わってみれば呆気ないものだったでごわすな!
「うぉぉぉお! 族長ぉぉぉ!」
奧の茂みから仲間のオーク達が喜んだ顔をしてワテに抱きついてくる。
ワテとホブゴブリンが戦っていた広場はすぐにオークでいっぱいになり、雄びが合唱となるほどだった。
勝利を手にしたのだから喜ぶのも無理はないでごわす。
森で騒ぐのは良くないでごわすが、今回ばかりは多目に見ることにした。
「勝利は勝利でごわすからな、まさか文句を言うつもりは無いでごわすよね?」
仲間から離れたワテはし離れた所で座っているホブゴブリンへと話しかける。
「あぁ、當たり前だろ。んな不粋な真似死んでもやらねぇよ……強かったぜ」
「それはこっちの臺詞でごわす。ワテの予想よりもあるかに強かった」
「鍛えてもらってるからな」
笑いながらホブゴブリン……ホブゴブリンの族長はワテらの近くにいつの間にかワテらの近くに來ていた変わったのスライムをチラリとみる。
確かこのスライム、以前あったスライムとは違うでごわすな。
仲間でごわすかね?
「あのー、盛り上がっているところ悪いんですけど。この勝負、オークの勝ちじゃないですよ?」
「「……は?」」
スライムの突拍子も無い言葉にワテはおろか、ホブゴブリンの族長までもが驚いた顔をしている。
それはそうだろう、ワテは旗を確かに取ったしその後直ぐに勝負終わりの合図が鳴った。
どう考えてもワテらオークの勝ちと言う結論になるはず。
「負けを認めないとは……約束も守れないのでごわすか!?」
ワテは隣のホブゴブリンの族長を睨む。
睨まれなホブゴブリンの族長は引きちぎれんばかりの勢いで首を橫にブンブンと振り回す。
この短時間で分かっていたがこのホブゴブリンの族長はこんな狀況で噓をつくとは思えない。
「な、なんかの間違いだろ? そうだよな、サイゾウさん?」
「いえ、全く」
即答されて困するホブゴブリンの族長。
「じゃ、じゃあなんでオークの勝ちじゃ無いんだ? 説明してくれ」
ワテも同意で説明を求める。
「そもそもですね、私がここからいてないんですよ」
「「はい?」」
◇◇◇
【クロト】
「暇だな」
開戦のピストルを撃った後、俺の仕事はもう無い訳で滅茶苦茶暇を持て余している所だ。
切り株の上に座って木々の間柄見える晴れた空をボーッと眺めているだけでやることがない。
暇潰しに俺の膝に乗るコスケをプニプニと間隔を開けてつついたり、某名人のように十六連打を炸裂させたりしている。
は気持ちいいんだが、結局は飽きてしまうのだから仕方がない。
「あれ、もう止めるの主君」
「うん、飽きた」
「飽きたって……酷いんだよ」
悪かったと思いつつでておこう。
あ、これも結構良いかもしれない。
なんてことを數十分ほどやっていた。
これは一生懸命生きている冒険者さんに申し訳ないななんて思いつつ、マルタの街にまで行ったことを暇なので思い出す。
平穏に報を集めようと思ったらツルペタ無口こと『竜狩り』と言う2つ名を持つアスカと俺は出會った。
なぜ俺に絡んでくるかは良くわからなかったが、今思い返せばもしや冒険者の勘とやらで俺の怪しさに気づいたか……?
「流石にそれはないか」
まだ異世界に來ていなかった頃の2回目の學園祭で劇をしたときに俺は『大役者』と言う異名があったのだ、その俺の演技がバレる筈がないからな。
全然問題ないだろう。
しかし同じ2つ名だと言うのにアッチの方がカッコいいのはし羨ましい、だって『竜狩り』だぜ? いつか『神殺し』とか言われるんじゃなかろうか。
とまあ、なんやかかんやあったが思った以上に冒険者が強かったんだよな、コボルト討伐の時なんかもそうだった。
何故か魔を前にした冒険者の気が狂った様なはっちゃけぶりはドン引きした程だった。
幸い、俺がコボルトを逃がして窮地をしたけどあのコボルト達今頃何してるんだろうか、悪さはもうしてない事を祈りたい。
コボルト討伐で冒険者は今の戦力じゃ厳しいかもと思ったので計畫は頓挫、そこからダンジョンに戻ろうと思った訳だがアスカが邪魔。
けれどグッドタイミングでアスカは街を離れる事になって俺達もすぐに出ていった訳だ。
何の用で帰ったのかは分からないが、元気にしていてくれたら嬉しいです。(棒読み)
「主君、何か來たんだよ」
コスケの聲に我に帰って揺れている茂みを見ると、そこからは見慣れた奴が出てきた。
「あれ、子ゴブリンじゃん」
いつも俺にハナクソ著けてくるクソガキだ。
確か今回の旗取りゲームには參加していなかった筈だが……なんでこんなところにいるのやら。
「おーい、子ゴブリン。何してんだ」
「うおっ、なんだマスターかよ。脅かすなよな!」
勝手に驚いて逆ギレされるダンジョンマスターとはいったい……。
「そんなことより、お前何してるんだ? 今回參加するのは大人達だけの筈だが?」
オークの子供は生まれた時から人男顔負けの怪力を持っているが、ゴブリンとなるとそうは行かない。
ゴブリンの子供の腕力は戦闘力皆無な俺をして大したことはじない程度だ。
大人のゴブリンとなるとまだマシな位貧弱で戦闘に向かないのだ。
だから我がダンジョンでは子供は罠の開発にあたってもらっています。
「俺だって活躍して父ちゃんと族長に良いところ見せるんだい!」
「オーケー、無斷で出てきたわけだな」
取り敢えず子ゴブリンは捕獲っと……おいコラ、ハナクソ付けんな!
「離せぃ! 父ちゃん達の役に立つんだい!」
「はいはい、大きくなったらねー」
もがく子ゴブリンの首筋に華麗なチョップ……安心しろ峰打ちだ。
と思ったが普通に失敗した、あんなの無理だろ。
さて困ったものだ、俺はここからけないしコスケに頼んだら今度は俺が危ない訳で。
頭を悩ませているとコスケから提案がくる。
「主君、良いんじゃないの行かせても」
まさかの行って良しだった。
「いやでも、危ないぞ?」
「主君、いつ何が起こるのかわからないんだよ。明日にでもダンジョンに攻めてくる奴らがいたら、このゴブリンも戦わざるを得ないんたよ。しは戦いを経験させるのも良いと思うんだよ」
ぐぬぅ、思ったよりも真面目な正論しおって……。
「そーだそーだ! けーけんつませろよ!」
外野がうるさい。
「それに今回は種族の問題だし、危ないからって引っ込ませるなんて言う問題じゃないと思うんだよ。文字通り種族一丸で戦って勝たなきゃ、オークは溫存で勝てるほど甘くないと思うんだよ」
「俺は皆の役に立つんだい!」
「それに世の中弱強食だよ。子供だから見逃すなんて程甘くないのが魔の世界だよ、魔として生まれたからには子供のゴブリンとは言え、戦士だよ」
「そーだそーだ!」
ぐうの音も出ないな、反論の余地がない。
……今日の夜は泣こう。
「安心するんだよ主君、今回の戦いは殺すのは止されているし。子ゴブリンも戦力だよ、しでも場數を踏ませるべきだと思う。最後に決めるのは主君だけどね」
これ斷ったら周りの目が冷たくなる奴だな。
「俺はその臺詞を待っていた、良いぞ自分の意見を言うコスケのその心意気、だ! 子ゴブリンの役に立ちたいと言う覚悟。け止めよう、好きに暴れてこい!」
あくまでも試してましたを裝う。
だって俺ダンジョンマスターだもの、威厳が必要だと思うわけだよ。
考えても見てくれ、俺の配下……俺としては配下よりも仲間って表現が良いんだけど、ユキムラがそうさせてくれない。
愚癡はともかく、配下のスライム達はユキムラ含め十勇士は何かと俺を擔ぎ上げてくるし崇拝の気配のある奴もいるんだ。
これで下手なことしてみろ、戦闘力0の俺はボコボコにされて想盡かされダンジョンから抜け出されでもしたら死んじゃう自信がある。
この自信なら誰にも負けないと思う。
だから彼らにとって理想の主人と言うものを演じて行かなければならないんだ、心苦しいが仕方ない。
「さすがは主君だよ! ここまで考えていたなんて!」
「本當かぁ……? 怪しいなマスター」
見えないけどたぶん目を輝かせているコスケと若干疑っている子ゴブリン。
くっ、心が痛い!
「おいゴブリン風が主君に疑い持つなんて1000年早いんだよ、図に乗るなよ?」
「は、はい! ごめんなさい!」
ドスの利いた聲でコスケが子ゴブリンへと睨みを利かせる。
やっべ、俺もチビりそうになった。
子供に容赦ないな、コスケ。
「よ、よぉし! 子ゴブリンよ、お前の強さをオークどもに見せつけてこい!」
「も、勿論だぞマスター! 行ってきまーす!」
あれだとボコボコにされかねないからな、助け船を出しておいたら上手くのってくれた。
強く生きろよ、子ゴブリンよ。
「コスケは子供に容赦ないな……」
「あれでも戦力だよ、この程度で臆してちゃ侵者に勝てないんだよ」
どんな侵者を想定しているんだろう。
子ゴブリンを見送った後、俺は心ビクビクしながらコスケをで続けた。
機嫌とっとこ。
ニセモノ聖女が本物に擔ぎ上げられるまでのその過程
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8 175【書籍化】俺は冒険者ギルドの悪徳ギルドマスター~無駄な人材を適材適所に追放してるだけなのに、なぜかめちゃくちゃ感謝されている件「なに?今更ギルドに戻ってきたいだと?まだ早い、君はそこで頑張れるはずだ」
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マート、貓《キャット》という異名を持つ彼は剣の腕はたいしたことがないものの、貓のような目と、身軽な體軀という冒険者として恵まれた特徴を持っていた。 それを生かして、冒険者として楽しく暮らしていた彼は、冒険者ギルドで入手したステータスカードで前世の記憶とそれに伴う驚愕の事実を知る。 これは人間ではない能力を得た男が様々な騒動に巻き込まれていく話。 2021年8月3日 一迅社さんより刊行されました。 お買い上げいただいた皆様、ありがとうございます。 最寄りの書店で見つからなかった方はアマゾンなど複數のサイトでも販売されておりますので、お手數ですがよろしくお願いします。 貓と呼ばれた男で検索していただければ出てくるかと思います。 書評家になろうチャンネル occchi様が本作の書評動畫を作ってくださっています。 https://youtube.com/watch?v=Nm8RsR2DsBE ありがとうございます。 わー照れちゃいますね。
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書籍版4巻は、2022年7月8日発売です! イラストはかぼちゃ先生に擔當していただいております。 活動報告でキャラクターデザインを公開していますので、ぜひ、見てみてください! コミック版は「ヤングエースUP」さまで連載中です! 作畫は姫乃タカ先生が擔當してくださっています。 2021.03.01:書籍化に合わせてタイトルを変更しました。 舊タイトル「弱者と呼ばれて帝國を追放されたら、マジックアイテム作り放題の「創造錬金術師(オーバーアルケミスト)」に覚醒しました -魔王のお抱え錬金術師として、領土を文明大國に進化させます-」 帝國に住む少年トール・リーガスは、公爵である父の手によって魔王領へと追放される。 理由は、彼が使えるのが「錬金術」だけで、戦闘用のスキルを一切持っていないからだった。 彼の住む帝國は軍事大國で、戦闘スキルを持たない者は差別されていた。 だから帝國は彼を、魔王領への人質・いけにえにすることにしたのだ。 しかし魔王領に入った瞬間、トールの「錬金術」スキルは超覚醒する。 「光・闇・地・水・火・風」……あらゆる屬性を操ることができる、究極の「創造錬金術(オーバー・アルケミー)」というスキルになったのだ。 「創造錬金術」は寫真や説明を読んだだけで、そのアイテムをコピーすることができるのだ。 そうしてエルフ少女や魔王の信頼を得て、魔王領のおかかえ錬金術師となったトールだったが── 「あれ? なんだこの本……異世界の勇者が持ち込んだ『通販カタログ』?」 ──異世界の本を手に入れてしまったことで、文明的アイテムも作れるようになる。 さらにそれが思いもよらない超絶性能を発揮して……? これは追放された少年が、帝國と勇者を超えて、魔王領を文明大國に変えていく物語。 ・カクヨムにも投稿しています。
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