《なんか転移したのでチート能力で頑張ります。》第14話 祝え、我等が勝利を!
正午の時間帯、とうとう皆が待ちわびたパーティーが始まった。
まずはパーティー恒例となる挨拶だ。
「獅子王」のリーダー、ガング・モルデアスからありがたい一言を貰えるらしい。
「諸君!この度は素晴らしい活躍だった。我らはあのSランクモンスター達を消滅させたのだ。中には今回の戦いにおいて全く活躍が出來なかったものもいるだろう。…しかし!そんな者達もこの街を守りたいが為に立ち上がった者達だ。この街の市民はこの街の為に立ち上がった者達を祝福してやらねばならん!この街を救った勇者達の一員だ!」
彼はまるで自分を責めるかのような勢いで話を進める。
「だからこそ、死傷者なくこの戦いを終え、この街を守れたということを祝い、ここに!パーティーの開催を宣言する!皆の者!今日は楽しみたまえ!」
「「うぉーーー!!!」」
こうして、Sランクモンスター襲來を退けた者達を祝福するパーティーがこの街で行われるのであった。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
「パーティーが始まったな。」
俺―新垣真琴はあの演説を見てそうじ取った。
「流石の演説だな。」
俺は流石、あの大所帯のパーティーを治めているだけある人だなと心した。
…先の戦いで々言ってしまったが、あの二人は無能では無い。というかあの「獅子王」と「遠雷の怒號」のリーダー達なのだ。無能が治められるパーティーではない。
そのことは謝らなければならないな、流石に。
「まぁ、それは後でもいいだろう。…さて、俺もこのパーティーを楽しむことにするか!」
そう言って俺はパーティーが行われている街の中心部へと徒歩で向かった。
街はやはりというか、熱気に満ち溢れていた。
まるで、モンスターの襲來がついさっきあったとは誰も思わないくらいには。
まぁでも、仕方ないことだろう。何故なら今は街自でパーティーだ。
皆その気なんだろう。
「へい!らっしゃい!今日は、午前の戦いのお疲れ様パーティーというわけで、いつもの半額で商品を提供するぞ!是非腹一杯になるまで食べていきやがれ!」
「こっちはなんと!いつもの3分の1の値段で提供だ!冷たいものを飲みたい奴はいつでも待ってるぜ!」
等と飲食店や
「今日は街を救った奴らの手前だ!ポーションやらなんやらなんやらは半額で提供してやる!明日からまたモンスター狩りに出るやつらは今のに準備しやがれ!」
「こっちは武屋だ!この戦いで杖やらなんやらを壊したやつ、傷付けた奴は今のに直してやるから持ってこい!今なら半額だ!」
雑貨屋や武防等の店も半額やら々なセールをしていた。
「今のうちに沢山買っておくか!」
俺はとりあえずあのボックスみたいなのにれる用や、今食べる用のを確保するために手當たり次第旨そうな店を訪れた。
「すまない、これを10本ほどくれ。」
俺はとある飲食店で食べを注文した。
「おっ!?あんたはあのモンスターから俺達を守ってくれたあの英雄じゃないか!10本くらい無料でくれてやる!…いや、おまけして20本だ!これからもこの街の事を頼むぜ!」
と注文したものをなんと無料で、しかも10本プラスしてもらった。
「ありがとう。」
「なに!良いってことよ!今日はもはや祭りさ!おまけにあんたは主役さ!ならこんぐらいのおまけはしてやるさ!」
とありがたい一言を貰った。
正直、この街を別に守りたくて守ったわけではない。
しかし、今のようなじに接せられてしまうのはなんというか…來るものがある。
俺はこの時、もしかしたら人生で初めての経験を今したのかも知れない。…この気持ちは今の俺には分かりはしないがな。
俺はありがとう、と一言言ってその場を去った。
その時にそこの店主が
「また、買いにきてくれや!」
と言ってくれた。
俺は「ああ!」とただ一言ではあったが、その言葉に笑顔で返した。
このようなことが、訪れる店で多発した。
…まぁそれだけではなく、追いかけられたりもしたがそこは、周りの人々になんとか救ってもらえた。
とこんな風にこのパーティーを満喫していると
「おお!あの時の年ではないか!」
と聞きなれた聲がした。
そちらの方向を見てみると、知っている人が二人、知らない人が二人、計4人の集団がこちらに來ていた。
そのうちの二人はこちらをみるなり
「「貴様が!「あの時の!」我らが団長に失禮をしたやつか!」」
と相を変えてこちらに責めよってきた。
さらに、かたや「獅子王」のリーダーのお付きの奴、かたや「遠雷の怒號」の副リーダーときたものだ。
ちなみにこの二人もこの街では有名だ。
1人はランクBの別名「雷鳴のシン」こと、エーカー・シン。別は男。
もう1人もランクBの別名「遠雷の騎士」こと、アルス・マグナ。別はだ。
二人ともこの街有數の実力者だ。
そいつらは続けて
「貴様!あの時我らが団長になんと仰せなさった!」
「ああ!全くだ!「この無能めが」と言ったらしいな!」
「今すぐその失禮を詫びよ!」
「同だ!」
と今まさにしておこうと思っていたことを知らない二人に言われた。
しかし、団長二人は
「よさんか!」
「よせ」
と二人を咎める聲を出した。
さらに続けて
「この年が居なければこの街はなく、我等はこの世にはいない!そのことを忘れてはいないか?」
「それに貴様らが言っていることは事実だ。我等は時間が無いと言い訳をし、戦力の分斷を怠った。…それはそれを擔當した貴様らもであろう。」
と言った。
「「しかし!」」
と二人は息を揃えてそういった。
そこで、俺は
「いや、俺の方から謝らせてくれ。…あの時はすまんかった。」
と二人に謝った。
…街有數の実力者達を無能と罵ったのはどんなことがあれ、マズイのだ。今のうちに謝っておかなくては後が怖い。
すると団長二人は
「いや、良い。事実を君は私たちに告げただけだ。」
「それよりも君に謝を。…この街を救って頂き、謝する。」
と言ってくれた。
「こちらもすまなかった。」
しかし、お付き二人は納得が出來なさそうな顔をしていたが、とりあえずこの話題は終了となり、それぞれ目的の場所へ行く為に別れた。
…この場面は多くの人々が見ることになり、後日さらに誇張された噂が流れるのだが、本人達は知るよしもなかった。
と言う風にこんなこともあったが、パーティー自は上手くいき、そして終わりの時を迎えた。
「時間は過ぎるのが速いなぁ…」
俺はどこぞのじいさんのようなことを口にしていた。
「悲しいものだな。」
俺はこのパーティーの終わりを見てそう思った。
何事も始まりがあり、終わりがあるが、終わりというのがこんなにも悲しいものだとは知らなかった。
しかし、と俺は思う。
全て終わりがあるからこそ楽しいし、悲しいのだ。
例えばこの人生だってそうだ。
だからこそ、俺はこの人生をより良いものにするためにこれからを生きるつもりだ。
「さて、俺の人生の終わりはどのようなものになるのかなぁ…」
そう、思いながら。
こうして、この街の夜は過ぎて、また何時もの朝、何時もの日常へと戻っていくのであった。
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