《創の転生者〜最強魔導師の転生記〜》第45話 素早い救出
◇ 〜草原〜
「い、一何が起こったんだ・・・」
「・・・・」
アグニスたちは、自分たちのいた森から草原に戻ってきていた。
「いきなり景が切れ変わったようなじに・・・それにまだ若干の浮遊が・・・」
「あ、アグニス先生!」
アグニスの周りに、草原に待機していた生徒たちが集まってくる。
「せ、先生。一いつ帰ってきて・・・」
「俺にもわからない。だが、いきなりここに飛ばされたのはわかった」
「飛ばされたって・・・どういうことですか?」
「いくらなんでも帰ってくるのが早すぎますし・・・」
アグニスの言葉に、周りの生徒たちは困するが、1人の子生徒が重要なことに気がつく。
「先生・・・マリー王はどうしたんですか?」
「・・・・・」
アグニスは質問にはすぐには答えなかった。隣にいる、無言で涙を流し続けるのことを気遣ったのだ。
「その話は一旦置いておいてくれ。まずは、アルナを休ませてやってくれ」
「・・・わかりました」
子生徒がシブシブと行ったじで了承する。そのままアルナの側により、彼を支えながら歩き出す。小屋で休ませてあげるためだ。
「・・・マリー・・・」
歩いき始めた時、そんな聲をらしたのをアグニスは聞き逃すことはなかったので・・・。
アルナを小屋に送ったところで話始めることにした。
森に行った朱雀を追いかけたところ、正確には姿は見ていないが、朱雀の主人と思われる人を発見したこと。そしてあの黒いが迫っていたこと。黒いに飲み込まれそうなアルナを庇い、マリーが犠牲になったこと。その後、突然自分たちがこの草原に飛ばされたこと。
「「「・・・・」」」
話を聞いた生徒たちは呆然としていた。なんと言葉に出したらいいのかわかっていないのだ。
「おそらくだが、あの黒いはモンスターだ。自然現象であんなことが起きるはずがない。それも、ランクはSを超えているだろう」
「「「・・・」」」
「俺たちでは葉わない相手なんだ。Sランクより上の怪を倒せるのは、極限られた魔導師のトップたちだけなんだ。俺たちでは・・・・勝てない」
沈黙が続き、流れている空気が重くなっていく。周りの草たちが風によってなびいているが、その音がやけに大きく聞こえる。
「王様を・・・守れなかった・・・。すまない・・・。」
アグニスが謝るが、返事はない。わかっているのだ。そんな化けは、たとえSランク冒険者でも倒せないことを。
空気が重くなっていく、その時だった。
地面に、巨大なのはの魔法陣が形されていく。
「な、なんだ!?」「だ、誰の魔法!?」「こんな広域な魔法使える奴なんていないよ!!」
生徒たちが困しているなか、アグニスはただ1人、森の方を見つめている。彼自、驚いてはいた。だが、先ほど朱雀を追いかけた方角を見つめている。
「誰だか知らないが、ここまでしてくれるなんてな。一誰なんだか・・・」
アグニスは呟き、そして祈るように言葉を発する。
「俺の、生徒たちを、よろしく頼む・・・・」
◇
僕は影に飲み込まれたが、特にに異常はなかった。事前にかけておいた魔法の効果だ。影からの干渉は一切なく、僕は前へと進んでいく。
「中はなんだか・・・気味の悪いところだな・・・」
影の中は・・・簡単に言ってしまえば黒い気味の悪い草原だ。が、草原とは違い、真っ黒になったモンスターがうろついていたり、真っ黒な水のようなものが浮かんでいたりするものだ。
「とりあえず、生徒たちを探さないとな」
僕は捜索を開始するが、いきなりモンスターたちが襲いかかってきた。報によれば、影の中にいるモンスターは寄生されているわけではないので、影だけが殘ったりすることはないそうだ。
僕はいちいち相手にするのが面倒なので、一気に殲滅することにした。
「【の隕石ライトメテオ】」
僕の頭上から、巨大なの塊が出現。それはだんだんと迫ってきながら、モンスタたちに直撃する寸前で発を起こした。
近くにいたモンスターたちはそのに當てられ、吹き飛ばされながら消滅していく。
が収まった時には、辺りにはモンスターはいなくなっていた。
「じゃあ、探すか」
何事もなかったかのように、僕は捜索を開始した。
◇
あれからしばらく歩いて行ったが、気づいたことがある。まず、モンスターたちに遭遇しても、の広範囲結界を自分を中心に展開していけば、すぐにモンスターを消滅させてしまえるということだ。これに気づいたおかげで、戦闘は0である。
「そういえば、この魔法って生徒たちにも効いちゃったりするのかな?」
これが効いてしまった場合、かなりまずいことになるのだが・・・。
「なるほどな。あーなるのは取り込まれて何年もしたやつだけか。なら大丈夫だ」
取り込まれて數時間も立っていないものには聞くことはないらしい。
しばらくそんなじで浄化させ続けたまま歩くこと30分ほど。
僕は取り込まれたと思われる生徒たちの反応を摑んだ。
「・・・・あれか・・・って、思いっきり影に侵食されてるな・・・」
3人の生徒たちのを確認するが、服の上から外にいた影が張り付いている。まだ腹の部分だけしかやられていないが、このままではまずいことになるだろう。
「【浄化しろ】」
ルーン魔法で影を浄化する。これは広範囲にはできないので、こういう場面で活用できる。
3人は気絶しているので、このまま転移で送ろうとするが、1人だけ、見覚えのある顔があった。
「・・・アドルか?」
僕の友人であるアドルだった。
「お前が飲み込まれていたとは・・・・やれやれ、世話がやけるなぁ〜」
僕は呆れながら、彼らを転移させた。一応、神回復魔法をかけておいたので、すぐに良くなるだろう。
「さて、次は王様だけど・・・反応が近いんだよな」
王様の反応はかなり近くからあるのだ。すぐに捜索を開始するが、周りを影に覆われ、よく見えない。
僕はめんどくさくなり、影を取り払う。
「【の風刃ライトスラッシュ】」
と風の合魔法により、だいぶ影が消えた。
僕は王様の元へと走り出す。
早く帰るために・・・・。
◇
「・・・いた」
王様は無事に発見できた。が、先ほどの3人よりもまとわりついている影が多い。おそらく魔力量の関係だろう。王様はそれなりに高いので、影がよってきやすいのだ。
僕は先程から鬱陶しいほどよってきているが、に拒まれて近ずくことができないのである。
「【浄化しろ】」
先ほどと同じように、僕は王様についている影を取り払う。
そのまま転移で送ろうかとも思ったが、僕は王様を説教するつもりなので、抱えあげる。
一応、を抱き上げるマナーだと思っているので、いわゆるお姫様抱っこというやつだ。抱き上げているのが本當のお姫様なので、間違ってはいない。
そのまま、魔法で影を殲滅しようと思ったが、突然地鳴りがした。
”ゴゴゴゴゴゴゴ”
「な、なんだ!?」
影の中そのものが揺れているらしく、僕は構えた。
と、次の瞬間、僕の視界は影の中ではなく、外の森へと切り替わった。
「・・・そうか。影の中のモンスターを殺されすぎて、危険だと思い僕を吐き出したのか・・・・」
王様を抱きかかえながら呟く。まだ彼はしばらく起きそうにないので、顔を変えることはまだしない。
と、突然、目の前の影が1つに収し始めた。
「・・・なんだ?」
僕が疑問視する中、影はどんどんと形を変えていき・・・
巨大なのは黒いドラゴンの姿になった。
相変わらず鳴き聲はないが、その威圧だけはに伝わってきた。
「へぇ〜〜。かっこいいな」
僕は素直に褒め、戦闘に備える。自然と口角がつり上がってくる。今までで経験したことのないほど苦戦したモンスターだ。こちらも全力で答えるとしよう。
「久しぶりの強い相手だな。あれ・・を使うとするか・・・」
昔、森にいた時に作った魔法。僕の・・僕だけの魔法。僕にしか使えないため、誰も知らない。
その力はあまりにも強ずぎるので、今までで使ってこなかったが、存分に使える相手だと判斷した。
「いくぞ・・・。霊王・・・の力を見せてやるよ!!」
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