平日の午前10時。社會人や學生が仕事や學問に勵んでいる様な時間に、日本の北方に位置する土地に存在する家には18歳の男と13歳のが家に引き篭っていた。

部屋の窓からし込む日は分厚い黒幕に遮られており、室に存在するは男の機に備え付けられているスタンドライトとの持つタブレットPCの晶に限られていた。

「お兄ちゃん、やること無さすぎて暇」

「いやお前、前にNSAから新しい科學機械のプログラムの仕事け持ったって言ってたじゃん。それ進めろよ」

ちなみに、この13歳のは世界中の研究機関からプログラムの依頼をけるような並外れた頭脳を持つ。

「あんなもの斷った。最先端の技を備えた機って言ってたから、雫の組んだプログラムのきにも耐えられると期待していたけど、期待外れだった」

「そりゃー、お前の組んだプログラムのきに、耐えられる機を作るにはこの地球の材料では無理だろ」

「かして數秒で、外裝パーツが熱に耐えられなくなってオーバーヒートした。不服」

「それは愁傷様で」

このタブレットPC片手にポテチを摘まみ、しく煌めく黃金の長い金髪を揺らしながら、顔立ちに若干のさが殘っている天才の名は神代かみしろ 雫しずく。

先日、アメリカ國家安全保障局(通稱NSA）から高出力レーザーを放できるロボットの処理プログラムを組む依頼をけていたのだが、人知を超越した雫の組んだプログラムに現代の科學技が追い付いていなかったのだ。

「そう言うお兄ちゃんだって、この間WHOから発テロ組織の破壊の依頼があったはずだよ」

この男は、國の軍１つを出させなければ壊滅させられないような犯罪組織をたった1人で倒せることから、國際機関から度々、応援要請があるのだ。

「あの依頼なら１日で終わらせたから、日帰りで帰ってこれたわ。もうちょっと手応えがほしかったなぁ」

この高校生ながらも一切無駄の無い鍛え抜かれた引き締まったつきをしており、の閉ざされている室の暗闇に溶け込んでいる漆黒の髪を持ちながら、スタンドライトの明かりのみで銃の手れメンテナンスの最中の男の名は神代かみしろ 太たいよう。

並外れた戦闘能力を持っており、100m走の自己ベストタイムは3.2秒というような馬鹿げた能力の持ち主だ。

「お兄ちゃんも人の事言えない」

「それな」

勿論、こんな異質な才を持つ2人が普通の學校に馴染める筈もなく、こんな晝間に家に引きこもっているのだが。

それはともかく、先程から俺の意識は妹の手に握られている白い服へと向かっていた。

「妹よ。暇なのは別にいいのだが、お前の持っているそのTシャツは何でしょうか？」

「洗濯置き場に落ちてた」

「いやいやいや、それどう見ても俺のTシャツだよね。落ちてたんじゃなくて、洗濯の

ために置いておいたんだよ！」

「妹のは妹の。お兄ちゃんのも妹の。」

「なにその謎のジャイ◯ン論！？」

「代わりにお兄ちゃんには、産地直送の雫のパンツを授けよう」

そう言いながら雫は部屋にぎ捨ててあった自のピンクの逆三角の形をしたパンティーを手に取る。

兄妹とはいえ、共同の部屋にパンツを無造作にぎ捨てるのは淑としてどうだと思うよ。

「ふっふっふ、お主も悪よのぉ」

謎のキャラにりきって、パンツを俺に渡しにくる雫。

「いやいや、お代様ほどでは」

それに釣られて俺もパンツに手を掛け───るとでも思ったか！

寸前で慌てて手を引っ込める。

「ちっ」

「こらそこ、あからさまに舌打ちしない」

危うく雫の芝居に釣られて妹のパンツに手を掛ける、変態兄になってしまう所だった。

「あのなぁ、雫。俺はお前を妹としてしているんだぞ。こういう事は控えた方がいい」

「大丈夫。雫もお兄ちゃんの事を(異として)している」

「うん、何か俺のしているとお前のしているはニュアンスが微妙に違う気がする」

俺と雫は重度のシスコン&ブラコンなのだが、俺達には決定的な違いがある。

俺は妹の雫を妹(家族)としてしているが、妹の雫は兄の俺を異としてしている所である。

「わかった。お兄ちゃんが妹を対象にするようになる為に、今度のクリスマスはお兄ちゃんに雫の処をプレゼントする」

「何処が大丈夫なのか皆目検討もつかないんですけど。それは存外に俺に社會的に死ねと言っているのかね？」

「ニートに社會的地位もクソも無い」

「見事なブーメランをどうも有難う」

雫が述べた通り、俺達は二人は絶賛無職中だ。勿論、學生でバイトをやっていないとかそういう話ではない。文字通り無職なのだ。

「代わりに雫へのプレゼントはお兄ちゃんの貞でいいから。勿論、産地直送で」

「お前は絶対、産地直送の使い方を間違っている。てか、兄妹でお互いの貞の換って、どんな恥プレイだよ…」

雫は今までも俺の寢ている所に夜這いに行く等と、あらゆる手段に出ているが、俺は睡眠中でも気配に察知できる。特に悪意、邪な思考に関しては寢ている最中にも順次対応可能である。その都度、不発に終わっている。

「しかしマジでやること無いな…」

「ヤる事ならある」

「すかさず下ネタをねじ込むなよ」

「…けち」

頬を膨らませそっぽを向いてしまう雫。

「全く…毎度毎度よく懲りないよな。そもそも倫理的に…」

俺が雫へ俺の男関係への主観、いや客観的意見を述べようとし始めた瞬間、部屋の中に白い靄がかかっていることに気づく。

驚愕する。俺は半徑50mの気配も察知出來るので、この狀態は予想外だった。

仮に遠距離から攻撃されたとしても、犬の聴力程の範囲の音を聞くことが出來るので気づかない筈がない。

「ちっ、なんだこれは！？気配は何もじなかったのに。雫、催涙ガスの類いかもしれない。絶対に吸うなよ」

「ラジャー」

雫はそう言うと、機の中から雫お手製のペン型酸素ボンベを取り出して、口に咥える。

俺は15分は無呼吸での活が可能なので問題はない。

すると、白い靄が段々と濃くなってきて完全に周囲が見えない狀態になった。

雫を近くに手繰り寄せて腕の中に抱いて、安全を確保させる。

雫が「お兄ちゃんの匂い興する…」とか言っているが奇行に反応している場合ではない。

敵に瞬時に対応できるよう、相棒の銃、デザートイーグル.50AEを手に持ちもう１つの相棒である刀、黒鵞こくがを鞘一式を腰へと取り付け周囲の気配を調べる。

丁度、武の整備中だったのが功を奏した。

───しばらくして靄が晴れると、そこには彩の存在しない、無限の真っ白な空間が広がっていた。