《冒険者は最強職ですよ?》なんか勇者に嫌われたんですけど? 9
ジンはとても深く考えていた。
『なぜ、こんなことになった? 俺がセレンさんに勝っちゃったからその敵討ちとか?まてまてまてまて、それは無いな……んんんんん????』
長い間考えているとセルノドが「賭けはしないし、ただ俺が個人的な理由で闘いたいだけだからな?」と言ってきた。
『いやいやいやいや! 個人的な理由って! 僕冒険者ですよ!?!? 勇者となんかまず接點なんて無いし遠くかけ離れた存在だし!? ……でもちょっとやってみたいな……』
そして暫く脳をグルグルと回転させながらも答えを出す。
「わかりました。こんな機會もう2度と無いと思うので記念試合みたいな……? だからやります!」
そう言うとセルノドは「わかった。日時は明後日の正午だ。明日はゆっくり休んどくといい」
と言って闘技場を出ていってしまった。
そのまま他の勇者達も闘技場から出ていきそれに続いて執事達も出ていく。
ジンは「よし! 僕達も帰りましょう! あー疲れた!」と言いながら出口へ向かっていく。ダイコ達は今も尚、ぼーっとジンを眺めていた。
宿へ著くとジンは酷く疲れていたためすぐさまベッドへ飛び込んだ。
ジンは上を向き、「今日は疲れたなぁ……セレンさん、強かったなぁ……」と呟きながら目を閉じる。そしてジンの意識は段々と薄くなり、眠りに落ちる。
目が覚め、を起こし「寢ちゃってたか……」と、欠をしながらをばし、ベッドから立ち上がる。
時刻は既に深夜を回っており、部屋は真っ暗だった。
特にすることも無くて暇だったため、何をしようか考えていた。
そこで、今日なんであんなにも勇者がゆっくりと見えたのかを考えた。ランと俺のレベルを上げるためにモンスターを倒しながら進んできたからしは強くなったのか? と、ふとステータスが気になった。
ジンはバックからステータスカードを取り出し、をつける。
ジンはしワクワクしながらステータスカードに文字が浮かび上がるのを待つ。
そして驚きのステータス値に驚愕する。
ジン
職業 冒険者
HP 2345
MP 203
攻撃 635
防 600
魔法 304
敏捷 1032
スキル
練度 短剣 50
練度 細剣 36
練度 長剣 72
ユニークスキル
"限界を知らぬ者"
"言語理解"
"??の?護"
と書いてあった。
ジンは咄嗟にそのカードを隠し、誰も見ていないか周りを見渡し安堵してから再び見直す。
「こ、こんなにステータスが上がってるなんて……敏捷だけ突出しすぎでしょ……しかもこのユニークスキルはなんだ? なんだよ"??の?護"って……」
ジンはいくらあの時、とあるにし強めのモンスターを倒さなければならないと言われても、ここまで上がるとは到底思っていなかった。
まず第一にステータスのびが早すぎる。
そして次に練度のびも良すぎる。
最後に特殊能力が異常すぎる。
ジンは「俺は本當に何が起きてるんだ?」と悩みながらもあの暗闇の世界で言われたことを思い出す。
この"限界を知らぬ者"はどれほど凄いものなのか。この"??の?護"とは一なんなのか……
ジンはステータスカードを再びバックにしまい、考えすぎで疲れたからもう一度寢る。
二度目の起床となるジンはステータスカードの事を考えながらベッドから立ち上がる。
立ち上がったと同時に、トントンっとノック音が聞こえる。「どうぞー」と答えるとランがいた。
ジンは「どうしたの?」と、尋ねるが口を噤んだまま何も喋らない。
ジンは首を傾げ再び聲をかけようとするとランが口を開く。
「ねぇジン。昨日の事なんだけど……」
ジンはやっぱりそうなるよな……と思いながら、立ったまま話すのもなんだからという事で、扉を閉めて部屋の中のベッドの上で話すことにした。
「でね? さっきの事なんだけど……」
「ランは僕の特殊能力知ってるよね?」
「うん……。昨日の決闘の最後は驚いたわ。あんなきをするとは思わなかったから。他のみんなもずっと考えていたわ……」
「多分この特殊能力のおかげなんだ。」
「……え?」
この時、ジンは初めてランに噓をつく。
「なんかさ、あの最後の突進の時さ、この特殊能力のおかげでセレンさんがゆっくりに見えたんだよ」
「本當?」
「うん、だもんで避けれたってわけ。僕も正直ビックリしたよ」
ジンはとてもステータスが無限に上がり続けるものとは言えなかった。黙っているしかなった。こんなステータスを見せてしまったらランはどこか遠くへ行ってしまう様な気がしたから。だから噓をついた。
「前にステータスを見た時は長が早すぎてびっくりしたけど、さっきステータス見たら全く変わってかったんだ。だからこれからも一緒に強くなろ?」
「うん……そうだね! その特殊能力がそういう効果なのね!」
ジンはなんとか話を終わらそうと無理矢理に話を逸らし、ランもそれに理解してくれたのか笑顔で応える。
その後ランは「し出かけてくる」と、言い部屋を去ってしまった。
この時、笑顔でランを送ったがランが部屋を出た瞬間、初めてランに噓をついてしまったことを思い出し、その顔から笑顔を消して後悔するのだった。
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