《冒険者は最強職ですよ?》決戦の始まり 7
『場所を変えよう。ここだと狹いだろ? 奧に闘技場がある。そこへ行こう』
「……わかった」
『ジン、道中気をつけて! いつどこから魔族が襲ってくるかわからないわ。闘技場では大丈夫かもしれないけど』
「多分、大丈夫。俺のじる限りじゃ、道中にはいないと思う」
『あなた、そんなことまで分かるようになったのね……長したわ、後でキスしてあげる』
「遠慮する」
ゼドに付いていき、その部屋を出る際、それぞれの部屋に散らばった、レッド達に、心の中で無事を祈る。
―その頃、レッドは……
『なんだ、大したことないの? 我が強すぎたのかの?』
―同じくして、ブラックは……
『うぅん……し鈍ったかのぉ……殺るまでに五発も喰らってしまった。今度ジンと特訓しよう』
―ホワイトは……
『あらら、もう終わりかしら? 面白くないわねぇ……そうだ、どうせなら、解剖とかしちゃおうかしら?』
―レベッカは……
『何よこいつ!? 何でこいつのはると服が溶けるの!? 気持ち悪いぃぃい!!』
―マーシュは……
『うぅ……魔法が通じない相手だとは思わなかったですぅ……こうなったら、この杖で……頭をぶっさらうわ』
―エレンは……
『はぁ……はぁ……なんとか、倒すことができました! 戻りましょうか』
―へレーナは……
『えいっ。(覚えたての魔法を片っ端から、死に放っている)』
闘技場へ到著し、大きな扉からってみると、そこは、本當に城の中なのか? というくらいに尋常じゃなく広い闘技場があった。
『ここは、魔法で部屋の大きさを広くしているんだ。ここなら、存分に貴様を殺せるだろ?』
「ああ、そうだな。俺もお前を派手にぶっ殺せるなぁ?」
『…………』
「…………」
お互い、數秒睨み合い、闘いは突然再開される。
先にいたのはゼド。先程までの二人のきからは、想像もできないほどのスピードで、ジンの目の前に現れ、魔法を一瞬で無數に繰り出す。
それに対応しようと、放たれる魔法を一つ一つ、蹴ったり毆ったりで、魔法を破壊していく。その際、魔法が発するよりも早くき、ダメージを全くけてはいない。
ジンが魔法を破壊するのに気を取られている所を、ゼドはジンに接近し、特大の魔法を発させる。
それに気づいたジンは、あれを食らうのはマズいと思い、瞬時にその場から距離を取る。
ジンを囲んでいた魔法は、標的がいなくなり、地面へと著弾し発する。風が巻き起こり、砂煙が舞う中、その中からゼドが猛スピードで突進してくる。
ほんの一瞬、瞬きよりも速い時間、反応が遅れたジンは、維持でも魔法を食らうまいと、全力で離れようとする。が、ゼドは魔法を、遠心力を付け放ち、それはかなりの速さで飛んでくる。
絶対に當たってしまう距離におり、尚且つゼドが逃げ道を無くそうと、ジンの後ろへと回り込む。
それに気づくジンは、橫に移するが、魔法はジンを追尾する。それに合わせてゼドもいてくる。
「クソ、あんなもんくらったら死ぬぞ?」
『大丈夫よジン! 今のあなたなら、魔法を使えるわ! だって、神の力を使っているのだから!』
「はぁ? んなもん今まで使ってこなかったから、使い方なんて知らねぇよ!」
『こう、バッとしてババァーン……よっ!』
「そんなんでわかるかぁぁあ!!」
もう一メートルも無い。魔法が當たる。直撃する。そうじたジンは、もうどうにでもなれという思いで、言われたとおりにやってみる。すると……。
「できた……って小さっ!」
『もういいから放ちなさい! 魔法がぁあ!』
「あんたの教え方が悪いんだよっ! あぁ、もう、とりゃぁぁぁ!」
ヒョロヒョロ〜、と飛んでいく魔法。こんなもので弾けるわけがない。そう、思っていた。たが、そんな考えは、目の前の魔法と一緒に弾け飛ぶ。
ジンが放った魔法が、ゼドの放った魔法に當たった瞬間、ドカーーーン!! という音と共に、目の前から消え去り、風が巻き起こる。
「…………はぁ?」
『えっへん! これが神の力よ! どう? 驚いたでしょ?』
「…………こんど、へレーナさんかマーシュさんに教えてもらうか」
『えっ、私じゃなくて?』
無視。すぐに、ゼドのいる方へ振り向くと、ゼドがし引きつった顔をして、汗を垂らすのを、ジンは見逃さながった。
『貴様……まだそんな力を……』
「まだまだやりたりねぇよなぁ?」
ジンは、不敵な笑みを浮かべた。
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