《ガチャって召喚士!~神引きからはじめる異世界ハーレム紀行~》第二話 仲間を求めて
どのくらい待っただろうか。教會の裏部屋にってしまった俺を出待ちして勧しようとするものはいなくなった。
「ふぅ……」
俺は深いため息をついた。まさか出待ちをする奴まで出てくるとはな……。オーディン恐るべし。ようやく落ち著けたので、気になることを片っ端からローザに聞いてみることにした。
「ローザさん? オーディンの召喚持続時間は五分らしいけど、一度使ったら次はいつ使えるようになるの?」
「同じ召喚が使えるのは一日に一回までだから、普通は翌日になるわよ。それまで十倍の力を発揮するのはお預けだわね。」
「……そうなんだ。さっき召喚しちゃったから今日はもう使えないのか、殘念。一回力を試しておけばよかったなー」
本當に召喚しただけで加護をけられるのだろうか? 若干不安ではあるな……。
「ダンジョンってのは、明日からもう行けるもんなのか? 仲間とか集めたほうがいい?」
「そうねぇ……。いくらオーディンが強力といっても使える時間が限られてるから、一人で行くのは止めといたほうがいいかなあ。その可いお顔を傷つけたくなかったらね」
「まだ行けないのか……。それじゃあさ――」
その後、ローザから々な話を聞いた。
冒険者には初級・中級・上級・練のランクがあること。
ランクにより行けるダンジョンが制限されていること。
初級冒険者は、一定期間住まいを借りられること。
仲間を集めるには、ギルドに所屬するか教會前の掲示板で集めることなどなど。
「……それじゃあそろそろ日も落ちるし、宿を案するわね」
ローザが案してくれたのは、教會からすぐ近くの石造りの小屋だった。俺一人が寢るには十分すぎる所だ。ご丁寧に夕飯用のパンの用意までされていた。
「それじゃあまた明日迎えに來るから! バーイ!」
ローザは軽快なステップを踏みながら教會へと戻っていった。……親切な人だけど、いまいちノリがつかめないなぁ。取りあえず明日は仲間を集めなきゃいけないし、さっさと食って寢よう。
――――――――――――――――――――
翌日
”最終開放オーディン持ちと一緒にダンジョンに旅立とう! PTメンバー二名募集中!”
俺は朝ローザが迎えにくるとすぐに、掲示板でパーティーメンバーを募集したいと伝え、こんな文句を書き込んだポスターを即興で作った。
どうやら初級冒険者が行けるダンジョンは一つしかないらしい。そしてそのダンジョンでは三人までのパーティーに制限されているとのことだ。
だから募集人數は俺を除いた後二人だ。
その後、しばらくのあいだ俺とローザは募集締め切りの時間まで広場で待った。
ドキドキしながら待っているとあっという間に集合時間になった。
「これで全員かな?」
ポスターを見て集まってきたのは二人のの子だけだ。
……思ったよりないぞ。
「昨日の必死の勧っぷりはなんだったんだろう……」
俺は恨みがましく呟いた。
「冒険者の大半はギルドに所屬して、その中でパーティーを組むから仕方ないわよ。むしろ普通はギルド以外でのパーティー募集なんて人が集まるものじゃないから、誇っていいのよ!」
ローザはどや顔で言った。普通集まらないならそうと事前に教えてほしいものだが、集まってるから良しとしよう。
さて、この集まった二人だが、なんとも妙だ。
一人はツンとした顔で腕を組みこちらを睨んでいる。
俺と同い年か、ちょっと年下ってかんじかな?
人ではあるが、表のせいで勿ない……。
もう一人は中學生くらいにみえるちびっこ。
顔が隠れる程のでっかいとんがり帽子を被っている。
仲間にするのがの子ってのは華やかでいいが実力の程はどうだろう?
「まずは名前と、所持している召喚を教えてくれるかな」
とりあえずツンとしているの子に聲をかけてみる。
見かけが怖くてもきっとしゃべればいい子に違いない……。
「――私はアリサよ。召喚獣はシルフ。以上」
彼は俺の方を見向きもせずそっけなく答えた。もしかして俺とパーティー組むの嫌なのかな?
でもそれだとなんで応募してきたんだろう?
まあいいか、気を取り直して隣の子にも聞いてみる。
「それじゃあ、とんがり帽子の君は?」
「……わ、わたしはシル……ヴィァ」
聲が小さくてよく聞こえなかった。シルヴィアっていったのか?
「この子の名前はシルヴィアよ。召喚はピクシーを持っているわ」
帽子の子に変わってアリサが代弁した。どうやらこの二人は知り合いのようだ。
「――そしてこの子は私の妹。どうしてもあんたのパーティーに參加したいと言って聞かないからわたしもついてきたんだけど、正直不安だわ」
なるほどね、姉妹で応募してきたのか。
「どうして不安なんだ? 俺は最終開放オーディン持ってるし、そこそこ力になれると思うけど」
アリサは俺の言葉を聞くと、ため息をついて言った。
「……オーディンは確かに強いけど、あんたは昨日冒険者になったばかりでしょ? そんな人にシルヴィアやわたしの運命を託すのは不安で當たり前じゃない。そもそも十倍になるって言っても、元が0なら意味ないのよ?」
「――なっ!?」
これはもしかして挑発されてるのか? アリサの言い分もわからないわけではないけど、そもそも応募してきたのはアリサのほうだ。ここまで言われる筋合いはない。
――いいだろう。この生意気ガールにはユート様の真の力ってやつをみせてやろうじゃないか。
「その言葉、挑発とうけとったぜ! そんなに俺の力が不安って言うなら見せてやるよ。アリサ! 俺と一対一で勝負しろ!」
俺の雰囲気オーラが変わったことに気付いたのか、アリサは構える。
「……ふーん、凄い自信じゃない? いいわよ、やってやろうじゃないの!」
アリサは腰につけていたナイフを取り出した。
――げっ!? 兇ありとか聞いてないんだけど! しかし大見得切った以上はあまり弱気な発言もしたくないしな……。
俺は張でバクバクなっている心臓の鼓を聞こえまいとして言葉を続ける。
「あ、あのさ? そっちが兇を使うなら、こっちも兇をつかっていいよな?」
「構わないわよ? でもあんた、見たところ丸腰じゃないの」
俺は首を橫に振ってから、右手を前に突き出した。
「――持ってるさ! 男はだれでも持っている! ……煩悩という名の兇をな!」
「――はぁっ!? 何言ってるのよ?」
「俺はこの右手でお前のおっぱいをみくちゃにしてやるっていってるのさ。名づけて! ライトニングハンドだ!」
俺の突然のセクハラ発言に、アリサは一瞬鳩が豆鉄砲を喰らったような顔をした。しかし、すぐにこちらを睨み返して、
「わかったわ。あんたが二度とそんなこと言えなくなるようにぶっ飛ばしてあげる。――わたしに力を貸しなさい! シルフ!」
いきなりの宣戦布告をしてきた。アリサが召喚したのは緑の羽を持つ可らしい見た目の霊だ。
おいおい、シルフってどんな加護だよ!? 俺は突然現れた召喚に怖気づいてしまう。
――そうだ、ルーペで確認だ! 俺がルーペを構えようとしたその時、
周囲にある木々が折れそうなくらいにきしみだし、その葉は千切れて宙を舞った。
――これは、風!?
「ちょっと痛いかもしれないけど、我慢しなさいよ!!」
アリサはナイフを構えたまま俺に直進して向かってくる。よく見るとナイフにはカバーがついたままではあるが、あれを打ち込まれたら痛いことは痛いだろう。
かわさなければならないというのに、俺はシルフの生み出す風の影響で立っていることすらままならない。
――これは使うしかないな、切り札ってやつを。
「いくぜ! オーディン!!」
俺がオーディンを呼び出すと、漆黒のオーラを纏った戦爭を司る神獣が姿を現した。
――なんだこれっ!? めっちゃ力が湧き出てくるぞ!
アリサが俺の右腕をめがけてナイフを叩きつけてくる。俺は一瞬にしてその攻撃をかわし、アリサの背後に回った。
俺の脳ではアドレナリンがドクドク出ているのがわかる。
オーディンやべえ! この覚、気持ちいい!
「――いなくなった!? シルフの風で止めていたのに!?」
アリサは俺が急に目の前から姿を消したことに驚いている。俺は後ろからぎゅっと抱きしめる形で、彼のおっぱいにタッチすることに功した。
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