《ガチャって召喚士!~神引きからはじめる異世界ハーレム紀行~》第五十七話 七人目
「しかしなんだ、うちのギルドって良いように使われてないか?」
教會からの帰り道、俺はローザに愚癡をこぼす。結局、さやかはうちのギルドに所屬しながら、地域への奉仕活を行うということになったのだ。
「文句言わないの、教會の人間が監視できるギルドなんてこの大陸じゃうちくらいなもんだから仕方ないわよ。それに、可いの子が増えるならユート君にとっては悪い話じゃないんじゃないの?」
ローザはにやついた顔をして言った。
「まあ確かに……っておい、俺がに目がないみたいな言い方しないでくれ」
「でも事実でしょ。さやかちゃん、ユート君に遊ばれないように気をつけなさいよ」
「いやいやいや、それ本當に誤解生む発言だからやめてくれ!」
一緒に歩いているさやかは一瞬だけフッと笑ったように見えた。
「お、著いたぞ。ここがうちのギルドだ」
「……へえ、立派な家じゃない」
さやかが嘆の聲をらす。
「この年でこの家の主なんだから自分でもよくやったと思うよ。といっても共同名義だけどな」
言いながらドアを開けてさやかに中にるように促した。
「それでは、お邪魔します」
さやかは軽く禮をして中にっていった。俺とローザもその後に続いた。
――――――――――――――――――――
「おーい! みんなー! 新しいギルドメンバーが加わったから出てきてくれ」
ロビーには誰もいなかったので、大聲でんだ。し間をおいて、みんながぞろぞろと部屋から出てくる。
ソファーの場所に全員が集まると、早速俺はさやかの紹介をはじめた。
「この子はさやかっていうんだけど、教會の指示でうちのギルドにを置くことになったんだ。みんなよろしく頼むぞ」
「さやかと申します。しばらくの間お世話になります」
さやかは深々と頭を下げる。それを見てエリーがハッと気づいたように聲を上げる。
「あなた、ヘルヘイムのさやかですわね? ここに來たってことはわたくしと同じ立場になったってことですのよね?」
さやかもエリーを見て驚いた様子をみせた。
「エリーじゃない? あなたもここにいたのね。……わたしもヘルヘイムから抜けて教會の監視下におかれることになったわ」
「やっぱりそうですのね。それにしても元ヘルヘイムの幹部を二人も抱えることになってうちのギルドは大変ですわね」
エリーが自嘲気味に言った。
「いや、反省してるようだし元ヘルヘイムってことは気にしてないけどさ……問題は確かにあるよな」
「……問題ってなんですの?」
みんなが俺に疑問の視線を一気に向けてきた。
「――部屋割りだよ! うちのギルドって部屋が五個しかないだろ? 今でもローザとエリーは相部屋だし、もう一人だれか相部屋してもいいって人いるか?」
聞いてはみたもののなかなか返事は來ない。……エリー以外は知り合いってわけじゃないし、すぐにハイとは言いにくいよな。その肝心のエリーは既に相部屋だし、困ったぞ。
「――なんなら俺の部屋に來る?」
つい魔が差してこんなことが口を突いてでてしまった。
「――ダメ・・よ! ダメに決まってるじゃない! 変態のあなたがの子と相部屋なんてしたら結果はわかり切ってるでしょうが!」
アリサが凄い剣幕で俺の案を卻下してきた。卻下されるのは當然として、ここまでの勢いで否定されるとは思わなかったぜ。
「……冗談だよ、冗談。……ちなみにアリサの部屋ってのはダメか?」
「え? わたしの部屋……大丈夫よ。その、さやかさんが嫌じゃなければだけど」
アリサがチラッとさやかの方を見る。
「嫌だなんてとんでもないです。よろしくお願いします」
「ええ。わたしはアリサっていうの、よろしくね」
アリサとさやかは固く握手をわす。
「そうそう、さやかは俺と同じ世界から來た人間だから。俺とは同郷ってことだな」
「――えっ!?」
レイチェル以外のみんなが驚いた。そういえばレイチェルはギルド謝祭で既にそのこと知ってたな
「……ユートの世界……どんなところだったか教えて」
「ってシルヴィア、それ俺にも散々聞いたことじゃないか」
「……証言は一人より……二人……そのほうが……確実」
シルヴィアは俺の元いた世界について調査する探偵か何かをしているのだろうか? やけに真剣な様子で思わず笑ってしまいそうになる。
「えっと、わたしの世界はね――――」
――――――――――――――――――――
それから夕飯の時間までずっとさやかはみんなからの質問攻めにあっていた。
さやかの顔にはし疲労のが見えたが、すっかりギルドには馴染むことが出來たようだ。
「夜ももう遅いし、質問はそれくらいにしてそろそろ休もうぜ」
俺はさやかを気遣ってみんなに聲をかけた。
「今日はさやかちゃんにとっては激の一日だったものね。ごめんなさい遅くまで付き合わせちゃって」
ローザが申し訳なさそうに謝ると、さやかは笑顔を作り応える。
「大丈夫です。わたしも楽しかったので」
「なら良かったわ。……後はアリサちゃん頼んだわね」
ローザの聲にアリサは頷いた。
「さやかさん、それじゃあわたしの部屋まで案するわ」
「お願いします」
さやかはアリサの橫にささっと寄った。
「それでは今日は解散! みんな良い夢を」
「良い夢をなんてユートらしくないのである。どうかしたのであるか?」
「……さやかの前で……カッコつける……ダメ」
シルヴィアがジト目で俺の事を睨みつける。
「そ、そんなつもりじゃないってば。おやすみ!」
変に追及される前に俺は自室にさっさとった。
部屋のベットに橫になると、々な考えが頭に浮かんできた。
ギルドメンバーが七人になって、賑やかになったなぁ。
ヘルヘイムとの決著はどうなるんだろう?
さやかはアトゥムをガチャで引けるだろうか?
明日は久々に冒険に行けるといいな。
思考しているうちに徐々に意識が薄くなり、俺は眠りについた。
- 連載中411 章
貓《キャット》と呼ばれた男 【書籍化】
マート、貓《キャット》という異名を持つ彼は剣の腕はたいしたことがないものの、貓のような目と、身軽な體軀という冒険者として恵まれた特徴を持っていた。 それを生かして、冒険者として楽しく暮らしていた彼は、冒険者ギルドで入手したステータスカードで前世の記憶とそれに伴う驚愕の事実を知る。 これは人間ではない能力を得た男が様々な騒動に巻き込まれていく話。 2021年8月3日 一迅社さんより刊行されました。 お買い上げいただいた皆様、ありがとうございます。 最寄りの書店で見つからなかった方はアマゾンなど複數のサイトでも販売されておりますので、お手數ですがよろしくお願いします。 貓と呼ばれた男で検索していただければ出てくるかと思います。 書評家になろうチャンネル occchi様が本作の書評動畫を作ってくださっています。 https://youtube.com/watch?v=Nm8RsR2DsBE ありがとうございます。 わー照れちゃいますね。
8 54 - 連載中22 章
シェアハウス【完】
『女性限定シェアハウス。家賃三萬』 都心の一等地にあるそのシェアハウス。 家賃相場に見合わない破格の物件。 そんな上手い話しがあるって、本當に思いますか……? 2018年3月3日 執筆完結済み作品 ※ 表紙はフリーアイコンを使用しています
8 96 - 連載中7 章
最弱の村人である僕のステータスに裏の項目が存在した件。
村人とは人族の中でも最も弱い職業である。 成長に阻害効果がかかり、スキルも少ない。 どれだけ努力しても報われることはない不遇な存在。 これはそんな村人のレンが――― 「裏職業ってなんだよ……」 謎の裏項目を見つけてしまうお話。
8 109 - 連載中88 章
死に戻りと成長チートで異世界救済 ~バチ當たりヒキニートの異世界冒険譚~
エリート引きこもりニート山岡勝介は、しょーもないバチ當たり行為が原因で異世界に飛ばされ、その世界を救うことを義務付けられる。罰として異世界勇者的な人外チートはないものの、死んだらステータスを維持したままスタート地點(セーブポイント)からやり直しとなる”死に戻り”と、異世界の住人には使えないステータス機能、成長チートとも呼べる成長補正を駆使し、世界を救うために奮闘する。 ※小説家になろう・カクヨムにて同時掲載
8 165 - 連載中51 章
デフォが棒読み・無表情の少年は何故旅に出るのか【凍結】
特に希望も絶望も失望もなく 夢も現実も気にすることなく 唯一望みと呼べるようなもの それは “ただただ平々凡々に平和に平穏にこの凡才を活かして生きていきたい” タイトルへの答え:特に理由無し 〜*〜*〜*〜*〜*〜 誤字脫字のご指摘、この文はこうしたらいいというご意見 お待ちしていますm(_ _)m Twitterで更新をお知らせしています よろしければこちらで確認してください @Beater20020914
8 60 - 連載中49 章
After-eve
のどかな自然に囲まれて--- 小さな街の「After-eve」というパン屋を中心のヒューマンストーリー
8 92