《ガチャって召喚士!~神引きからはじめる異世界ハーレム紀行~》第七十六話 埋蔵オーブ
「すみっませんでしたーーーー!!」
俺はさやかに向かって頭がすり減る勢いで土下座をした。
悪気はまったくなかったのだが、事故を起こしてしまった原因が俺のせいなのは紛れもない事実。
ここは誠心誠意をもってして謝るしかないと考えたのだ。
「はぁっ……もういいわよ。それよりこのボロ屋をなんとかしてほしいわね」
「よし、じゃあ無理言って今週中にでも改築工事を進めてもらうか。間取りはこの前の打ち合わせで決めてるしな。ローザ! 教會で建築士にアポ取りに行くぞ!」
「はいはい、本當決めたらすぐくわよねユート君は。ちょっと待っててね、準備するから」
呆れているのか褒めているのかわからない文句を言ってから、ローザは部屋に戻って行った。
その後俺とローザで家の解及び建築の依頼を済ませたのであった。
――――――――――――――――――――
それから一週間して、ギルドの解工事が始まった。
「こんなに早く建て替えになるとは思わなかったぜ」
「そうね、でもこの工事をしても有り余るほどのソルを持ってることの方が驚きだわ。私たちって結構稼いだのね」
ローザと呑気にそんな會話をしていると、作業員の一人が手に何か大きなものを持ってこちらにやってきた。
「あの、ユートさん! 家の下の土にこんなものが埋まってましたよ。どうやらオーブのようですね」
「なにっ!? オーブだって?」
土まみれだが作業員が持っているのは確かにオーブのような球だった。
「誰かオーブを拭くための布とか持ってないか?」
シルヴィアがとててと走って工事現場の隅に置いてある布を持ってきた。
「……これで……拭けると思う」
「ナイスだシルヴィア!」
俺はシルヴィアから布を、作業員からオーブらしきものをけ取ると丁寧にゴシゴシと拭いてみた。
すると球は徐々に輝きはじめ、虹のを放ちだした。
「「「――こ、これってもしかして!?」」」
そこにいるみんなは一斉に聲を上げてオーブに注目した。
この眩い輝きは忘れもしない。この世界に初めて來たときにみたオーブの輝きと同じものだ。
「に、虹のオーブじゃないか! 十連ガチャができるぞ! ほら、さやか」
俺はオーブをさやかに手渡した。
さやかは狐につままれたような顔をしている。
「え? え? これ本當に使っていいの」
さやかは今にも泣きだしそうな顔をしている。
急な出來事で頭の整理が出來ていないのだろう。
「そして安心しろさやか! めっちゃ幸運なこのユート様が橫についてるから、必ずアトゥムを引いて弟のところに戻れるはずさ!」
俺は顔いっぱいの笑顔でさやかにグッジョブのポーズを見せる。
「ありがとう、ユート。他のみんなもありがとう」
「それじゃさやかちゃん。教會に行きましょうか。今日は神父様はお休みだけど、私が召喚の儀を執り行うわよ」
「よし、教會へレッツゴーだぜ!」
「……レッツゴー」
さやかはどう反応したらいいか困りながらも、小聲で俺にノッてくれた。
――――――――――――――――――――
俺達のギルドから虹のオーブが発掘されたという報は瞬く間に町全に広がり、教會には俺が十連ガチャを行った時と同じくらいの大量の人が集まった。
「うわぁ、なんか懐かしいなこの空気」
「ユート君にとっては二回目だものね。さあ、さやかちゃん壇上に上がってきて」
さやかは一度深呼吸して、両手を前に組んで祈りながら壇上へと上がる。
十連ガチャを回せる機會は滅多にない。さやかとしてはここでなんとしてもアトゥムを取りたいところだろう。
「さやかー、頑張れよー!」
聴衆の中にはミルドレッドも來ていた。
さやかはミルドレッドに手を振って応える。
「ローザ、心の準備はできたわ。十連召喚の儀をお願いします」
さやかはローザを力強い目で見つめると、決意したようにコクリと頷いた。
「わかったわ、それじゃあ始めるわね! ……森に眠りし霊よ、天地を治める神々よ、どうかこのものに力を貸してくれたまえ!!」
さやかと虹のオーブがの線で結ばれる。
ここまできたらもう後戻りはできない、なんとかアトゥムを引けるよう祈るだけだ。
俺はルーペを覗き込みながらさやかの召喚を見守った。
一目、ゴブリン
二目、スライム
三目、マーメイド
四目、…………
その後九目まで目當てのアトゥムが出ずにさやかは涙目になってしまう。
これといって目立った召喚も當たっていないので教會にもしらけムードが漂う。
「あのさやかって子持ってないな」
「折角見に來たのにこれじゃあ面白くないね」
教會からは心無い聲も聞こえてくる。
さやかの顔にはもう絶対當たらないという悲壯がにじみ出ている。
俺は居てもたってもいられず、召喚の儀の最中であるにもかかわらず壇上に登ってさやかの手を握った。
「さやか、遅くなって済まない。幸運ステータスMAXの俺が力を貸すぜ!」
「ユート君、今は儀式中よ……まあいいわ。それでは最後の召喚を呼び寄せるわね」
ローザが今日十度目の詠唱を始める。
俺とさやかは手を取り合い、目をつぶったまま最後の召喚がアトゥムであるように祈った。
そして運命の十目の召喚が姿を現す。
甲蟲の頭を持ち、人の男のを持ち、手に持った杖の先端からは輝かしい太のを放っている。
この召喚はなんだ!? 俺はすかさずルーペを覗き込んだ。
『SSランク召喚獣 アトゥム』 ●〇〇〇〇
古代エジプトにおける太信仰の対象の一つである創造神。
大気の神シュウ、気の神テフヌト、大地の神ゲブ、
天空の神ヌト等の主要な神々の起源はアトゥムだとされている。
アトゥムの加護をけたものは、異世界への扉を創造して
移することができる
【召喚持続時間:一回/再召喚不可】
「おい、さやか見えるか? このルーペの文字が!!」
「ええ、見えるわ……信じられない」
さやかは放心狀態でアトゥムの事を見つめている。
教會はさっきまでのしらけムードから一転、ざわつき始めた。
「なんだあの召喚!? みたことないぜ?」
「俺は見たことあるぞ、確かヒッポとかいう異世界人が引いていた気がする」
俺は聴衆が挙げる聲に耳を傾けつつも、一つ気にかかっているところがあった。
「ローザ、アトゥムの召喚持続時間のことなんだけど……」
「わたしもアトゥムを見るのはこれが初めてで良くわからないわ。でもきっと……」
そこまで言って口を閉ざしてしまう。
以前ヒッポという人がアトゥムを引いたときに二度とこちらの世界に戻ってくることはなかったとさやかから聞いている。その逸話からするとおそらく……。
「ユート、ローザありがとう。あなた達のおかげでアトゥムを手にれることができたわ。……嬉しい。嬉しいはずなのに、あれ、なんでだろう、涙が止まらないの…………これ、きっと、わたしたちお別れってことだよね」
さやかは大粒の涙をぼろぼろこぼしている。
俺も涙で目がにじんでさやかの顔が見えなくなってしまう、きっとローザも同様だろう。
さやかとローザと俺は涙が枯れるまでその場で三人で抱き合った。
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