《ドラゴンテイマーにジョブチェンジしたら転生してた件》臨時収
今日もダンジョンに挑戦だ!
……と思っていた時期が僕にもありました。
リュークとリューネは、今日から執事見習いとメイド見習いの仕事があるようだ。
バロンから、今日一日だけ時間がしいと頼まれたので許可した。
明日からはダンジョン攻略外の時間帯での仕事となるらしいので、ダンジョン攻略は続けて問題ないようだ。
今頃は、2人ともバロンにしごかれている頃だろう。
リーチェは、母様と買いに出かけている。
たぶん子會だろう。
味しいお菓子を食べながら、お茶でもしているんだと思う。
そして、僕は肩にアステルを乗せて、アレスおじさんと共にある場所へと向かっていた。
なんでも重要なことだと、アレスおじさんに連れられたのだ。
そうして著いた場所は、風竜公エウロスの屋敷……
「アレスに小僧、よく來たな! 待っておったぞ!」
僕達は、屋敷の主であるエウロスさん直々に出迎えられ、エウロスさんの執務室へと案された。
どうやら、こっちはおっさん會のようだ。
「おお! それが卵から孵った魔かっ!!」
エウロスさんはワクワクした顔で、僕の肩に乗ったアステルを凝視する。
アステルはアステルで、エウロスさんをガン見している。
「ふむ……まだ表には出ておらんが、に纏っている魔力だけでも桁違いだな。やはり、注ぐ魔力量によって潛在魔力も変化するようだ……」
エウロスさんは、アステルを見ながらぶつぶつとつぶやいている。
その様子を見たアレスおじさんがため息をつく。
「エウロス、ルシエルが困ってるだろ……」
「……おお、すまぬな。つい考え込んでしまう癖があるのでな。それにしても、このリザードの種族はなんなのだ? 見たことがないぞ」
「えっと。フェアリーリザードベビーっていう種族です」
念のため、もう一度確認してみるか……
メニュー! テイムモンスター!
僕はそう意識する。
テイムモンスター 2/28
リーチェ
レベル:100
種族:フェアリープリンセス
アステル
レベル:1
種族:フェアリーリザードベビー
うん。やっぱりフェアリーリザードベビーで間違いない。
ちなみに、テイムモンスターの上限が28となっている。
僕のレベルと同じ數だけテイムできるということだ。
「フェアリーリザードベビー……? 我も長く生きているが、聞いたことがない。魔石の影響なのか、あの娘の魔力の影響なのかが気になるな……」
「どっちかっていうと、リーチェの影響かと思います。アステルの鱗のはリーチェの髪のと同じなので……」
「ほう……では、まだ魔石に宿っていた魔王の力が出てきていないということになるな。今後が気になるぞ……」
そう言われてみればそうだな……
まだ、魔王の要素が出てきていない。
スキルに影響が出てくるのか、進化先に影響が出るのかが気になるな。
「クー」
アステルはそう鳴くと、タオルのように僕の首に巻き付いた。
長してやや長くなったことで最近できるようになったのだ。
しするとアステルの寢息が聞こえてきた。
「エウロス、アステルも眠ったようだし、この話はここまでにしておこう」
「それもそうだな。本題にろう」
エウロスさんは表を引き締める。
「今回のウロボロスの襲撃は我が原因であった。小僧……いや、ルシエルよ。申し訳なかった」
「えっ? どういうことですか……?」
エウロスさんが原因で、僕達はウロボロスに襲われた?
ちょっと理解が追い付いてない。
「我が屋敷の使用人にウロボロスのスパイがいた。いや、正確には洗脳されてスパイにされていた。そやつが置いた盜聴の魔道によって、お主達との話が全て聞かれておったのだ」
そういうことか……
だから、話してからすぐに襲撃があったのか。
卵のことやリーチェがフェアリープリンセスだということもバレていたみたいだし。
「でも、エウロスなら盜聴の魔道があってもすぐに気付けるんじゃないのか?」
アレスおじさんが疑問を投げかける。
エウロスさんは苦い顔をして口を開く。
「……卵の安置施設だ。あの設備に盜聴の魔道が隠されていた。……安置施設の魔力吸収裝置が、魔道かられる魔力を吸い取ってしまっていたために魔力を知できなかったのだ」
「そういうことか。力をれた研究施設が裏目に出たな……ということは、エウロスのとこの報もれたんじゃないのか?」
暗い顔をしたエウロスさんは重く頷いた。
「ああ……おそらく、國の機報もれてるとみていい。これは完全に我の失態だ……我には何らかの罰が與えられるだろう。四竜公の失腳もあり得るかもしれんな……」
四竜公の失腳とかあるんだ……
でも、敵対組織に機報をらしてしまうという失態はマズイということはわかる。
決して軽い罰では済まないはずだ。
「……そうか。それと、エウロスの使用人は何人か亡くなったと聞いた。俺達のことは気にするな。こっちは全員無事だったんだ」
「そうです。僕達のことは大丈夫ですから……」
僕達の援軍に來ようとして、ウロボロスの別隊に足止めされていたとは聞いていたけど……
死者が何人も出るほど、襲撃の被害があったのか。
僕達の報がれたのは痛いけど、こんなに真摯しんしに謝っているエウロスさんを見ると何も言えないよ。
「そう言ってもらえると助かる。せめてもの気持ちとして、ルシエルの活資金を用意した。ダンジョン攻略に役立ててくれ」
エウロスさんはそう言い、自の機の中から1枚の紙を取り出した。
「これは小切手だ。ダンジョン街の銀行でこれを渡すと現金がけ取れる」
僕は差し出された小切手をけ取る。
小切手を見てみると、0が1、2、3、4、5……
ええっ?!
「100萬ゴールドも?!」
エウロスさんとアレスおじさんを見ても、2人とも頷くだけ。
「沒収されるかもしれんからな。お主らに渡しておいた方が有用に使ってくれるだろう。け取ってくれ」
「ちなみに船の修理費用は既に貰っているから、そのお金はルシエルが使っていいぞ。……ただ、無駄遣いしないようにな」
「ありがとうございます! ダンジョンにもし行き詰っているので有用に使わせてもらいます」
貰えるものは貰っておこう。
これで裝備を整えてダンジョンに挑戦できるぞ!
ちょうど、僕の貯金もほとんど無くなっちゃったし、本當にありがたい。
「ん? 行き詰っているのか? あの娘がいるなら、最終階層まで進めそうな気がするが……」
僕は今の現狀をエウロスさんに話した。
一通り話した後、エウロスさんはこう言った。
「ならば、その金で奴隷でも買えばいいだろう」
奴隷?
そう言えば、ウロボロスのやつらがリーチェと母様を奴隷として売るとか言ってたな……
思い出したら、ムカッとしてきた。
「まあ、選択肢の1つとして考えてみるとよいだろう。ちなみにアレスも奴隷を買っておったぞ」
「えっ? そうなの?」
「ああ。ダンジョンに連れていくことはなかったが、貸家での家事全般を任せていたぞ。奴隷契約の容次第だが、基本的には使用人のようなものだぞ?」
この世界での奴隷の扱いはそんなじなのか……
でも、ダンジョンの探索に付き合ってくれる奴隷とかいるのかな?
果次第で報酬を払うし、奴隷から解放することも考えるといえばいけそうか?
ただ、1階層だけでも今のメンバーで突破したいという気持ちもある。
あのゴブリン達にリベンジしたいしね。
……突破した後にみんなに相談しよう。
「奴隷商館はダンジョン街の北區にある。紹介狀も書いておくから、必要になったら行ってみるといい」
「ありがとうございます!」
「エウロス、奴隷商館の場所は、俺がいた頃と変わってないのか?」
「ああ。今も昔も変わらずにあの1店舗のみだ」
「わかった。ルシエル、俺が案してやろう。北區がどう変わったのか気になるしな……」
アレスおじさんはそう言って微笑む。
その後、僕達はエウロスさんの屋敷を後にするのであった。
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